ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

相談援助で大切にしていること

カテゴリー: 思うこと

「川上さんが相談で最も大切にしていることはどんなことですか?
人はなかなか自分の悩みは職場では話しませんよね。」
時々そんなことを尋ねられることがあります。
私は相談業務に従事してちょうど20年となります。
日々、働く人や介護する人の声を真摯にうかがっています。

相談にはさまざまな援助技術が必要です。
医療福祉専門職として専門的なアセスメントは欠かせません。
先入観を持たずに傾聴し、背景を把握し、問題点から課題を分析、その人に必要な支援を考え実施します。
大切にしていることは、その人のニーズに対応するということです。
ニーズとは、本人(相談者)が自覚している要望(デマンド)とは異なり、本当に必要なことです。
そのためには専門的な知識が不可欠で、やさしい気持ちだけでは解決できません。
援助者としての日々の努力がここで現れてきます。

そして、何よりも私自身が大切にし続けていることは、あるがままの相談者を受容し、共に問題解決しよう、一歩でも良い方向に向かおう、支える先にいるご家族(親や配偶者など)も、相談者も共に明るい方向に向かえるように、という想い、姿勢です。
その思いは目の前の人に必ず伝わります。

私が行っている研修や講演の一コマでは、人の相談を聴く立場の人に、相談とは、を伝えることがあります。
「バイステックの相談援助技術」は、ケアマネジャーの試験にも出てくるものですが、相談とは何かの基本に立ち戻ることができます。
少し難しいかもしれませんが、自己決定の法則、受容の原則などは、医療福祉専門職でなくても誰かの相談に乗る多くの方に知って欲しい内容です。
人は誰もが自分で納得して決めたい、自分を認めてほしいという欲求を持っています。
相談援助とは何かをしてあげること、情報を提供することではなく、基本的には「本人が自分の力で進めるように」支援することです。

川上由里子オリジナルセミナー資料より引用

ちょっと難しいかもしれませんね。

人の情熱は人を動かし支えます。
情報や知識は大切ですが、どう伝えるかによってまったく異なります。
そして、私は相談者の心の声から多くの学び、発見、課題を得ます。
淡々とその修業を続ける道でありたいと思っています。

今日はどんなご相談者に出会えるかな?
お役に立てますように、力になれますように、と祈りつつ相談に向かっています。

7/14 ニッポン放送「ひだまりハウス」 

カテゴリー: ラジオ

ワサビです。
川上さんのラジオ出演情報です。

放送日:2019年7月14日(日)朝6:25~6:54

ニッポン放送 
ウィークエンド・ケアタイム「ひだまりハウス」
~うつ病・認知症について語ろう~

認知症やうつ病の患者さん、その家族サポート番組です。
公式番組ブログで当日の放送を聴くことができますので、聴き逃した方はぜひ聴いてみてくださいね。

ナビゲート・ドクター 朝田隆先生
進行役 町亜聖

6月の風景

カテゴリー: 日常

6月雨の季節、皆様お元気でしょうか。
蒸し暑い季節は体調管理などに注意が必要ですが、
雨の音に耳を傾けるのもよい時間ですね。
ちょっと一休み、ほっと和む風景と言葉をお届けします。

雨 八木重吉

雨の音がきこえる
雨が降っていたのだ
あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう
雨があがるようにしずかに死んでいこう

私は、雨に打たれるほどに美しく咲く紫陽花の姿が大好きです。

急ぎ足で大崎での仕事に向かう途中、青い紫陽花が和ませてくれました。

鎌倉山、静かに咲く白い紫陽花は6月の妖精のよう。

愛らしい色の紫陽花は心をほっとさせてくれます。
昔、こんな形の水泳帽があったなぁ~。

早朝の山中湖。わかりますか?
「逆さ富士」と「逆さ白鳥」が2つ並びました♪♪

白鳥さん、近寄ってきて自慢げに見せてくれました。
白鳥さんは湖面に映る姿が自分だとわかっているのかな?

静かな湖畔。湖のむこうから富士の山がこちらを見ています。

冬から春へ、春から夏へ。
日本の四季の移ろいが私は大好きです。
今、私はひとつのゴールにむかって懸命に頑張っています。
ハードな毎日ですが、散歩する、月を眺める、花を感じる、新鮮な季節のものを食する…。
合間合間に小さな心のリフレッシュは大切ですね。
介護と同じく長続きのコツだなぁと年齢を重ねるほどに感じます。
そして「やりきる」という強い“気”も同様に大切ですね。
いずれにしてもチャレンジできる今に感謝です。
皆様もどうぞ季節を感じながらご自愛ください。

マークさんが由比に

カテゴリー: 日常

インディアンフルートの恩師であるマーク・アキクサさんが5月19日に4thアルバム「Elk Dreamer」をリリースしました。
全曲インディアンフルート無伴奏ソロアルバムです。

Elkとは鹿。Elk Dreamerとは、エルクの夢をみたメディスンマンのことで、このアルバムのテーマは愛です。
森の中でエルクに出逢い、インディアンフルートの音で語り合っているような情景が私には浮かびます。月や風や森を感じます。

偶然にも、我が故郷の隣町、蒲原「よし川」で5月22日ライブ開催の案内を目にしました。
なぜこんな小さな町に!とびっくりだったのですが、私の母の「隣町まで来てここに来ないなんて。なんとしても立ち寄っていただいて、冥土の土産にもっていくわ!」との強い願いにより、なんとマークさんが、母が1人で暮らす自宅に立ち寄ってくださったのです。

東京テレビの撮影が、東京から静岡まで新幹線に同行取材した時も驚きましたが、人生思いがけないことがあるものですね。
秋から足の痛みで心細くしていた母も大喜び。10歳以上は頭も心も若返っていました。

自宅から徒歩1分 安藤広重美術館(旧由比本陣)の前で。
マークさんのTシャツ3人お揃いです。

嬉しそうな母。
いつも東京レッスンでお世話になっているマネジャーのミナさんも一緒に
天国の父も仲間に入り記念撮影です。
本当に我が家に来てくれたんですよね。今でも夢のようです。

その晩、蒲原の「よし川」には私の同級生や母のお友達も集まってくれました。
マークさんのアリゾナや屋久島でのお話と演奏に、皆引き込まれていました。
新しいアルバムの曲も聴くことができ、私も大満足。
故郷で聴く笛の音にエールと癒しをいただいた一日でした。

マークさん、ミナさん、旅の途中、由比にお立ち寄りいただきありがとうございました。
薫さん(母)友人達、よし川様、皆様、心にすっと入る笛の音、楽しかったですね。
ありがとうございました。
この日のライブの半数以上を集客した母は、その後「生きているといいことがあるわね~。みんなにマークさんの本物の音楽を聴いてもらえてよかったわ。」と写真をにこにこ眺めています。

さて、5月には新しい音の笛も仲間入り^^。
木は手に触れるだけでもとても気持ちが良いのです。素材はメイプル。
忙しい毎日ですが、仕事も音楽も楽しんでいます。

いのちの授業

カテゴリー: 思うこと

休日を利用し都内の大学内ホールにて、看護教員の友人と共に「いのちの授業」を聴講してきました。

主催は一般社団法人エンドオブライフ協会
代表の小澤竹俊医師は横浜市内で在宅医療を行う傍ら、人生の終わりを支える人の具体的援助の為に活動を広めています。

私たちの国は、今後ますます高齢化が進み、多くの方が亡くなっていく多死社会を迎えます。
数年前、横浜市内にあるめぐみ在宅クリニックにて直接先生のお話をうかがった際にも、先生の死に行く人を支える人へのケア、育成の実際の活動、情熱に心から共感感動し、胸が熱くなりました。
支えたいのに「いっそ死にたい」と言われ返す言葉がない、といった経験を私も何度も繰り返してきたひとりだからです。

この日のセミナー「いのちの授業」では壇上で授業の様子が展開され、人の苦しみに向き合う人ってどんな人なのか、どんなことなのかをとてもわかりやすく学びました。
壇上の生徒と聴講者全体での学び、共感に広がっています。

私は相談援助を通じて、日々親や家族の終わりのステージに向き合う人の支援をさせていただいています。
人の苦しみや悲しみに寄り添える人になりたい。私の永年のテーマです。
その為にも自分の苦しみにもしっかり向き合える人になりたい。いつもそう思っています。

今抱えているマイプロジェクトをしっかりやり終えたら、講座を受講し学び役立てたいと思います。

2017年に出版された小澤竹俊先生の著書「死を目前とした人にあなたは何ができますか?」
苦しむ人への援助の仕方が具体的に書かれています。
第4章は自分を認めることの大切さ「これで良い」という言葉。

胸に響く言葉です。
小澤先生の活動がもっと多くの人に広がりますように祈っています。

« 前のページへ次のページへ »