ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

「仕事と介護の両立」研修

カテゴリー: ノウハウ, 活動報告

「仕事と介護の両立」研修に行ってきました。

冬から春にかけて、「仕事と介護の両立支援」のための研修が続きました。
先日、通い慣れた街に足を運びました。
都心の街にも春の空気が流れています。

70分の時間をいただきました。
介護は生活の一部。お困りごとは介護のみならず、住まい、お金、権利擁護、家族関係、仕事など多岐に渡り複合的です。
特に介護にお金がかかることをご存知ない方が多く、突然の混乱を招かないためにも、介護の実態、正しい情報、今からできることを伝えます。

介護費用負担を軽減する制度は、ご存知なければ利用することができない制度もあります。忙しい合間に自分で情報を得ることはなかなか難しいですね。
日頃からアンテナを張っておくこと、相談場所を知り備えておくことが大切ですが、地域の相談機関、「地域包括支援センター」の存在をご存知ない方もまだまだいらっしゃいます。
また、福祉や医療の専門職が対応する地域包括支援センターのみでは解決できない問題も多々あります。

公益財団法人生命保険文化センターの令和3年全国実態調査では、介護にかかる費用、初期費用74万円、月額83,000円、介護期間は5年1ヶ月です。皆さんどう思われますか?

勿論介護は100人100通り、個人差がありますが、介護保険(1割〜3割)対象の費用のみでは賄えないという意識は持っていたほうが良いですね。

私のご相談に多い介護保険外サービスは、保険外の家事支援サービス、見守りサービス、配食サービス、緊急通報サービス、などです。
最も費用が嵩むのは高齢者施設への入所や住宅改修です。

・運動・食事・趣味など健康を心がけ明るい生活を送る。(介護予防につながる)
・加齢を受け入れながらペースを落としてもクオリティは下げず続ける。
 (QOLを高める)
・家族、友人や地域とのコミュニケーションを心がけ、助け合える人間関係を心がける。
・困った時に助けてと言える、弱みをみせられる自分作り、関係づくり。
これも大事な備えですね。小さな私の心がけでもあります。

介護費用への備えとしては、公的介護保険の活用をする。
介護保険以外の民間介護保険も検討する。
支える自分が利用できる仕事と介護の両立支援保険に加入する。
働き方を変えながらも働き続ける。

様々な考え方やサービスが生まれています。
残念ながら老後は安心!といえる日本でありませんが、ひとそれぞれの工夫ができる時代でもあります。
研修やセミナーに参加された皆様には、自分ごととして考えるきっかけにつながってくれたらと思います。

帰路は足を伸ばして東京駅側に、てくてくてくてく・・・

新緑が嬉しい丸の内を通り抜け、てくてくてくてく・・・

美術館近くの丸の内のカフェでお昼ごはん。
大きなそば粉のガレット△とコーヒーでひと息です。

毎回反省と課題が満載ですが、貴重な機会をいただいたことに心から感謝です。
ご依頼いただきました皆様、本当にありがとうございました。

人は皆支えたり、支えられたりします。
特に人生の後半は誰かのお世話になる時間が必ず訪れます。
その時間が少しでも悔いのない善き時間となりますように。

介護コンサルティング

カテゴリー: ノウハウ, 活動報告

介護コンサルを受けた日の夜は、相談者の顔や声を思い出しながら、私の気持ちもさまざま揺れます。

元気だった親の介護に遭遇し戸惑う人、
親の老いにどう向きあえばよいのか、平行線が続き家族関係が壊れつつある人、
何年経っても家族の認知症を受け入れられない人
安全を重視するあまり親の役割を奪ってしまっている人
両親の介護、自分の将来、経済的な見通しが立てられない人
仕事と介護の両立が難しく、精神的な負担とともに体調を崩す人…

単純な情報を望む人もいますが、相談では自分や家族の物語narrative、心の声を語りはじめる方も少なくありません。
今、とても困っている人、将来に備えたい人、
初めての方、リピーター、親のこと、配偶者のこと、兄弟のこと、
相談への回答には明確なものと、そうでないものがあり、解決できないこともあります。
アセスメントの上、調査、情報提供、ナビゲーション、対話、傾聴、寄り添う、援助の仕方は様々です。
相談者が語るストーリーが変化する時、相談の風向きが変わります。


さて、介護コンサルにて「これがあってよかった!」と活用する頻度の高いものに【高齢期の生活の場】の見取り図があります。
これは、結人制作(川上オリジナル)の「やさしいケアガイド」にも掲載していますが、もう20年以上も前から、相談者の声を繰り返し聴き“どうやったらわかりやすくお伝えすることができるのか” “共に考えることができるのか”と考案した1枚です。
はじまりはイラスト入り手描きでした。

「やっと全体が理解できました。両親それぞれの介護を考える時、この表があると助かります。」
「全体を理解できたので、安心して退院先を選ぶことができます。」
「ひとつのホーム情報に飛びつかないでよかったです。」

相談をする人と相談を受ける人、ひとつのツールを通じて信頼関係が築かれてゆきます。
たった1枚の道標が人生を大きく変えます。
心をこめて制作したものは、人に影響を与え人と人、心と心をつないでいくと、私は信じています。
コンサルもセミナーも同じです。
人の役にたつことができる自分探しの旅はこれからも続きます。

故郷、由比に暮らす母から「咲いたわよ〜」と例年より遅れて春色の河津桜便りが届きました。
故郷の風景はこころがほっとします。

あってはならない戦争という惨事に、日々胸がしめつけられる思いです。
一日も早く戦争を止めてほしい。
力強く平和を祈る毎日ですが、自分の無力感を感じる日々です。
それでも、今自分ができることを力強くこつこつと続けましょう。
季節は巡っています。世界中の鳥が、花が、人が、力強くpeaceと唄っています。

由比小学校花壇に咲く生徒が植えたブルーの花・オレンジの花

ワサビです。

2009年4月から6年に渡って掲載された川上さんのgooヘルスケア介護コラムが、昨年gooヘルスケアのサービス終了と共に見られなくなってしまいました。
ノウハウが分かりやすかったのにと惜しむ声も多く寄せられましたので、改めて再編、さらに現在の情報へと更新してこのブログに掲載することになりました。
随時掲載して参りますので楽しみにお待ちいただければと思います。
まずは記念すべき第1回です。

gooヘルスケア
第1回 もしも家族に介護が必要になったら
いざというとき、まず何をしたらよいのか知っておきましょう
突然家族や身近な人に介護が必要になったとき、
あわてなくてすむように日頃から知っておきたいこと
(2009年4月21日掲載) ※2020年4月改変

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4月 母のバースデープラン

カテゴリー: ノウハウ, 日常

春爛漫、みなさん今年のお花見期間は長かったですね。楽しめましたか?

桜咲く4月は母の誕生日でした。
昨年の秋から歩行困難となり日常生活に支援を必要とした母。
心配しましたが、運良く素晴らしい整形外科クリニック、医師、理学療法士に出会い、リハビリを重ねることにより回復の兆しがみえてきました。
私も東京⇔静岡、郷里での支援を続けました。

「お花が咲く頃になったらお誕生日祝いにゴルフ場に行こう!」
母が父と共に40年通った馴染みの富士ロイヤルカントリー倶楽部にて、パターを行うことを目標に掲げていたのですが、母の頑張りもありとうとう実行に至りました!(やったーやったー)

右がパターを持つ母、左が私(ちなみに私はゴルフはしません)

母は父の介護開始とともに長年の趣味だったゴルフは中断しました。
父が転倒したのは亡くなるまで協議委員長を務めたこのゴルフ場でした。
10年ぶりにゴルフ場でパターを握る母。(涙)
なかなかの腕前を見せ、アテンドしてくださった長年お付き合いのプロも私も驚きました。
体が覚えているとはこういうことですね。
勿論、もっとも喜んだのは母。見たことないほどいきいきとしています。

あらためて”楽しみの効果“ってすごいですね。
喪失体験が多くなる高齢期ですが、自分自身の心身の機能が低下した時、もう一度行ってみたい場所、逢いたい人、やってみたいこと、なんとしても継続したいことなどがある!というのは幸せなことですね。
どんな人生を創るかは本人次第です。
富士山も桜も見守ってくれています。

山梨から車で移動。
帰り道は故郷の街の高台から青い駿河湾を見下ろしました。
母「やっぱり由比が1番いいわね~。ここが世界の中心よ~。」
お誕生日の声です。田舎の人は田舎が好きなんですよね。

心優しき釣り人が、昨日伊豆で釣ったばかりの新鮮な鯛を誕生日のお祝いに届けてくださいました。

同じく心優しき耕し人が、タラの芽、ウド、花筏などなど摘みたての山菜をたくさん届けてくださいました。
野菜のパワーに圧倒されました。嬉しい!

日頃、天ぷらはあまりいただかないので(揚げ物も基本しません)、上手に調理できるか心配でしたが、やらない訳にはいきませんね!
いただいた新鮮な食材を使って母の誕生日祝いの食事を作りました。
新鮮な香りがする野菜たちが「春がきたよ~」と教えてくれているようで触れているだけでもワクワクします。
豪華な食事よりも、旬の野菜の味そのものを活かし、シンプルにいただけることが何よりものご馳走です。

歩くこと、食べること、今があること、応援してくれる人がいること、
冬が来て春が来て、夏が来て秋がくる、季節の巡りと恵みに感謝です。

お誕生日おめでとうございます。そしていつもありがとう。
82歳の母へ 由里子より

【ワンポイントアドバイス】
「フレイル」という言葉をご存知ですか? Frailty=虚弱を指します。
今回、母は一時的な関節の炎症による歩行状態の低下でしたが、要介護状態に突入かとひやひやしました。
このように病気により活動性が低下すると一気に筋力も気力も落ち、動くことが困難になってしまいますね。
病気や災害、親しい人との死別などの喪失体験などにより、生活機能の低下をきたした状態をフレイルといいます。健康な状態と介護の状態の中間です。

高齢期には、フレイルに早く気付き、正しく治療や予防をすることが大切です。
体重減少、疲れやすい、歩行速度の低下、握力の低下、身体活動の低下、この5項目に気をつけてみてください。
日頃から栄養、社会参加、身体活動は大切にしたいですね。
そしてなにか変化があった時、あきらめないで治療する、相談するなど工夫してみてください。

今回は母の友人の医療機関情報が大変役立ちました。
ご自身も突然歩けなくなった体験をお持ちで痛みを共有できるお友達です。
勇気を持って「私困っているの」と周囲に相談する、声をあげることで助けられますね。

川上セミナー資料より(クリックにて拡大)

東京大学高齢社会総合研究所の飯島勝矢教授がフレイル状態の高齢者が元気に暮らすための対策を広げようと奔走しています。
各地でフレイルサポーターが生まれ、住民同士フレイルチェックを実施し楽しく予防しています。
健康づくりや街づくりが変化してきているのです。
「東大が調べてわかった衰えない人の生活習慣」「健康長寿 鍵はフレイル予防」など様々なエビデンスが飯島教授から発信されています。ご興味のある方はのぞいてみてくださいね。
まずは心の持ちようが大切です。
皆様の毎日が明るく健康でありますように。

未来の車椅子?

カテゴリー: ノウハウ

昨年、東京ビックサイトで開かれた「2018国際福祉機器展」にて、鮮やかな色、デザインの乗り物?に目を惹かれ思わず近づきました。

RODEM

なんでも試してみたい私は開発の目的や経緯を伺いながら試乗体験。
まるで遊園地の遊具に乗るかのような気分でしたが、動きはスムーズで安定感があります。
通常の車椅子のように座るのではなく、後方から跨って乗る介護用電動車椅子とのこと。
ベッドなどから体の向きを変えずに乗り移ることができるため、利用する人、介護する人の負担をおさえることができそうです。
お値段は98万円(非課税)。
介護保険のレンタルや購入対象品目ではありません。流石に高額です。

RODEM

公式ホームページ http://www.tmsuk.co.jp/rodem/

名前は「RODEM/ロデム」ロボットメーカーの株式会社テムザックが開発。
ときにはロボット、時にはビークル(乗り物)、ときには車椅子と、ユニバーサルデザインの新しい発想の商品です。ころんとした丸みがやさしく愛嬌がありますね。

3月18日~22日、東京丸の内にて、NTTドコモとテムザックにより、この車椅子モビリティRIDE-ROIDで移動しながらタブレットを使って観光するという試みが行われ、色とりどりのロデムに乗車した観光客で賑わいました。(関連記事

また、草津総合病院では入院患者や下半身が不自由な外来受診者に使ってもらおうと、医療機関では国内初、導入しています。

介護業界は支える人の人材不足が懸念され、ロボットの開発が進んでいます。
加齢により徐々に弱っていく足腰、繰り返す転倒、多くの方が歩くことに不安や心配を抱えます。
日頃からよく動き、諦めずに予防やリハビリを行うことが大切ですが、状況に応じて機能を補う介護用品を上手に活用することも必要です。それも自立支援のひとつです。

ところが、福祉用具や介護用品は気持ちが萎えてしまうものも多く、使う人の気持を考えると大変残念です。機能性と共にデザインも大切ですよね。
乗ってみたい、触れてみたい、そばに置いて使いたいと思えるような強い味方のロボットが生まれるとよいですね。

父には、晩年鮮やかなグリーンの車椅子を用意できましたが、当初は見たことのないお洒落かつ安全な車椅子に驚いていました。
父も母もその車椅子の色や形はとても気に入っていたようで車のトランクに詰めてよく外出したものです。(介助用、モジュール型車椅子、低反発クッション使用)
一本杖をプレゼントするときにも、安全性と機能性、そして父好みの色やデザインを大切にしました。
 
足腰が弱くなってきた80代の母に、このロデムの写真を見せたところ、じーっと眺めた後「車に乗れなくなったら、私に買ってね」とのコメント。
合格ラインには達したようですが、自費購入で98万円…ですよね(苦笑)
さあ、今日も一歩一歩、元気に出掛けましょう。

【ポイント】
福祉用具を選ぶ際には、利用する人、使う場所の住環境、介護者などから総合的に検討することが大切です。
購入時は必ず医師やケアマネジャー、福祉用具相談員など、専門家に相談して検討してくださいね。

【ご案内】
国際福祉機器展(H.C.R)は毎年秋に開催されるアジア最大規模の福祉機器展示会です。
実際に見て触れることができます。
車椅子や福祉車両、靴や衣類、住宅関連などなど、近年は介護ロボット関連商品が増えており未来の生活を描けます。
歩きやすい靴を履いてお出掛けください。
国際展示場/東京ビックサイト/2019年9月25日~27日開催
https://www.hcr.or.jp/exhibit-company/essential_point

東急イーライフデザイン様主催の住宅セミナーにて講師を努めさせていただきました。
今回のセミナーはお客様向け、場所は都内2箇所の落ち着いた空間の有料老人ホームで、アットホームで和やかなムードでした。テーマは「これからの住まい方を考える」です。


 
住み慣れた自宅で暮らす、高齢者住宅で暮らす。
高齢者向けに配慮された住宅やサービスが増える中、私達は歳を重ねた時、どこでどんな住まい方ができるのでしょうか。
自宅、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、それぞれのメリット、デメリット。
そして、住まい検討時のチェックポイント(心身の状態、地域の社会資源、介護力、住環境、資金)とステージ(アクティブ・介護)により異なるニーズを表にしてお伝えさせていただきました。
目の前の情報だけに飛びつかず、全体を俯瞰してみること、自分自身のニーズを確認することは、後々後悔しない為にも大切なことです。

実例もいくつかご紹介しました。
70代男性は、子供から勧められ気が乗らないながらもご入居。
しかし、数年後、「有料老人ホームは何かをしてもらうのではなく、自分で生きがいや楽しみをみつけられる場所です。一人暮らしではなかった自分の役割ができました。」こんな声が聞かれました。
同じ住まいに住んでも皆それぞれ感じ方は異なります。
住まい方を作るのは自分自身ですね。
私は、自宅、有料老人ホーム、どんな場所にいても自分を生き、幸福感を得られる人が増えてほしいと願います。

東急グループ様はシニア住宅の実績をコツコツと積み重ねています。
今回お邪魔しました「グランクレール馬事公苑」や「ライフニクス高井戸(入居時自立型)」にも様々な工夫が施されています。
今年は横浜市十日市場にもオープン予定です。そのチャレンジは素晴らしいですね。

人の暮らしを住環境で支えることの難しさと喜びは、私自身も聖路加レジデンス時代に体験していますが、ホテルとは異なり終身のお付き合い、まさしく他職種連携での関わりが必要です。
介護はその一部でしかありません。
私もご入居者や異業種の方々から多くの発見、学びをいただいてきました。

今回ご来場いただきました皆様がこれからの住まい方を考える上でお役に立てましたら幸いです。

高齢期の生活は若い時代にはイメージしにくいものですが、住まいと住まい方は暮らしのベース、植物(人)の植木鉢(住まい)とお皿(住まい方)となるものです。
超高齢社会が進行する中で、地域、行政、企業などさまざまな新しいチャレンジが行われています。
興味関心のある場所には足を運んで、よく見て、聴いて、感じていただきたいですね。

私自身、これからも「住まいとケア」を探求していきたいと思います。
お世話になりました東急グループの皆様、ご清聴いただきました皆様、ありがとうございました。

6月、10月、1月と、1年に3回、エッセイの寄稿文を8年続けてきました。
先日、その第24回目の原稿を書き下ろし、無事に冊子が私の手元に届きました!
頁を開く瞬間は、毎回感激の時間。
何故かというと、自分の想いを探求し、文字に変え、1頁に表現するのはそうそう簡単な作業ではないからです。
24回苦しみと喜びにチャレンジさせていただけた、という訳ですね^^
こちらから第12回までのエッセイがお読みいただけます。)

今回のテーマは「支える人を支えるケアデザインの原点」。
多くの人が暮らしの中で関わる誰かを支える時間。
ケアは日々の暮らしの延長ですから、包括的、長期的な視野でその人にとってのケアデザインを考えることが大切だと私は感じています。
今回、そのケアデザインの原点について、あらためて考えみることとしました。

心のエッセイ 第24回「午後4時のティーブレイク」

社会的にも、そして私の周りでも、誰かの介護に関わる人が年々増えています。
介護される人へのサービスは様々生まれましたが、介護する人側はどうでしょうか?
「ケアの悩みに気づいてもらえる機会」「気軽に休息や休養がとれる機会」などを強く望んでいることが、介護体験者からの声でわかってきました。
介護する人にとって必要なもの、介護の技術的なノウハウや知識はもちろんですが、介護する人もされる人も孤立しがちになるため、心の問題の解決も重要です。
そのために必要な情報を受けとる場所や、心の拠りどころが必要で、それらが近隣にあるとなお安心が生まれるでしょう。

皆さんの街、地域ではどんな介護者支援がありますか?どんな地域の力がありますか?
例えば、東京都杉並区では介護者とサポーターが創る地域の拠点「ケアラーズカフェ」を設け「介護者サポーター養成講座」などを実施しています。介護者が学べ、リフレッシュできる場ですね。
「地域資源マップ作り」や定期的な「介護する娘の会」開催など、介護者と支える人が共に活動する仕組みは、思いやりやアイデアに溢れています。
参考:『あなたのまちの介護者支援ガイド』(PDF)

東京都大田区では地域包括支援センターや民間企業などの事業者、住民が一体となり「地域づくりセミナー」を開催し、地域住民同志が異変に気づくことの大切さを共有しています。
また、住民ボランティア「みま~もサポーター」90人が地域でイキイキと活躍しています。
発起人であり代表の澤登さんは、とっても気さくで心やさしい方です。
高齢者だけではなく子供から高齢者まで、み~んなを丸ごと大切にされています。
参考リンク:おおた高齢者見守りネットワーク みま~も

このような動きは全国的にも広がってきています。
1人ではできないことも2人、3人と集まればできることが広がります。
介護には家族力とともに隣近所の助け合い、地域力が大切です。
皆さんも今自分の住んでいる街をちょっと見回してみることをおすすめします。
情報収集の為には、地域の「地域包括支援センター」に足を運んでみてくださいね。

さて、ここまではエッセイの前半のお話ですが、大切な後半部分についてはエッセイの文中からご紹介させていただきます。

ネイティブアメリカンは、悩み事を打ち明けるトーキングサークルを暮らしの習慣にしていました。
人が輪になって座り、一人ずつ話します。
話す人は自分の内面を素直に話すこと、聴く人は口を挟まず批判しないで聴くことが約束です。
昨年、家族の介護が終了した後、トーキングサークルに参加しました。
話すだけ聴くだけの時間がもったいなく思われましたが、終わった後、言葉にできない感情が輪のなかで分散されたような説明のできない温もりに包まれました。
不安や葛藤を抱えた自分の心と向き合い、人に打ち明け、聴き、折り合いをつける、それが支える人を支えるケアデインの原点ではないかと思います。

ネイティブアメリカンが大切にしてきたトーキングサークルの儀式。
私はこの儀式にこれまで4回参加しました。(国内にて)
セージの香り、蝋燭の灯りの中で、聴こえてくるのはトーキングスティックを持った一人の人の心の声のみ。静かな時間です。

私たちは情報や物資に恵まれ、本当に大切なものの存在を忘れてしまっているのかもしれません。私自身も自分自身に問いかけ反省します。

もしも近くに介護している人がいたら、情報提供や自分の意見を伝えることも必要ですが、まずはその人の辛さや哀しさ、または喜びを静かに聴いてみませんか。
相槌を打ちながら心で聴くということは、人に大きな力を与えます。
これは、介護に限った話ではありません。

また、地域の資源があったとしても、それらを活用する意識がなければ、役には立ちません。
介護している人、辛い思いを一人でたくさん抱えている人、心の内を誰かに話してみてください。
誰かの知恵を借りたり、ちょっと休憩したりしながら、自分の元気を養っていくことも大切なことです。哀しみも哀しみではなくなります。
これは、結人の活動の原点でもあるように感じています。
シンプルなことを大切にし、本当に豊かだと思える社会にしていきたいですね。

書くことはいつも自分を探求する作業。そして誰かを想う時間。
講演やセミナーでお話することとはまた違った力を秘めています。
私自身の小さな想いがみなさんの目に触れた時に、何かひとつでもヒントやアイデアに繋がれば幸いです。

心のエッセイ 第24回「午後4時のティーブレイク」

景色はすっかり夏の夕暮れです。すでに厳しい暑さが続いています。
皆さんも水分、栄養をしっかり摂りながら元気に夏をお迎えくださいね。

ご依頼を頂きました三井不動産Let,s plazaの皆様、ニューコムジャパンのご担当者様、オーキャンの佐藤様、ご協力頂きました皆様、そしてご愛読頂きました皆様ありがとうございました。

東京都産業労働局コラム

ワサビです。

東京都産業労働局のサイトにコラム「仕事も介護も充実を目指して~介護の時期別、ワーク・ライフ・バランス~」を寄稿させていただきました。
仕事と介護を両立する上で大切なポイントをご説明しています。ぜひお読みください。

東京都産業労働局
コラム「仕事も介護も充実を目指して~介護の時期別、ワーク・ライフ・バランス~」

認知症キャラバン・メイト養成研修会へ

カテゴリー: ノウハウ, 日常

台風が心配された7月17日の朝、認知症サポーター(オレンジメイト)養成研修の講師資格を取得するため、神奈川県庁が主催する「認知症キャラバン・メイト養成研修会」に出掛けてきました。
東京駅から電車、神奈中バスを乗り継ぎ、会場に到着。
小田原庁舎には朝早くから約100名の方が集まっていました。

認知症キャラバン・メイト養成研修会

この研修は念願の研修でしたのではりきって向かったのですが、その気持ちに押されたのか、雨模様の空も小田原庁舎に到着するとまもなく青空に。

認知症キャラバン・メイト養成研修会

司会進行は県庁のベテラン保健師さん。
研修会は富士宮市在住、58歳で若年性認知症と診断された方の歩みを紹介する素敵なビデオから始まりました。

つづいて医師による認知症の專門知識のセミナー。
そして、「認知症の人を支える家族の会」の会員で、ご主人を10年以上介護されている奥様から実体験のご報告をいただきました。
成功や失敗を繰り返しながら今日までご主人を支えられている真摯な姿に頭がさがります。
貴重なご報告に、会場全体から大きな拍手が湧き上がりました。

午後は実際のオレンジサポーター養成講座開催の為のワークショップ。
参加者は保健師やケアマネジャー、行政の職員など市区町村の推薦を受けている方々。
各々の経験、知恵、想像力を使いながら、グループごとに話し合い、報告発表が行われました。

認知症キャラバン・メイト養成研修会

「認知症の世界について学ばなければ、学ぼう。」と私が強く思ったのは1999年頃。
ボランティアで巡った施設や病院、在宅で認知症の現状を知り、ナースとしての自分自身の臨床体験を含め、様々な疑問や憤りを感じたからです。

当時、医療の現場で働く医師や看護師などの專門職も、介護職も、認知症に関して正しく理解している人は本当に少なかったことと思います。
私自身もその一人でしたので、自分の時間とお金を使って様々な現場や勉強会、家族会などに出掛け見て、聴いて、学びました。

認知症は記憶を失ってしまう哀しい病気ですが、正しく対応すれば進行を遅らせることができ、本人の力を最期まで発揮できるよう支えることが可能であることもわかってきました。
大切なのは、認知症が発症した初期の段階です。
家族や地域の人など身近な人の関わり方が大きく影響します。

これまでも、各企業や団体様のご依頼に応え、認知症に関するオリジナルセミナーを行ってきましたが、今年の秋からはUR都市機構の職員の皆様にこの認知症キャラバン・メイトを行う予定でURのウェルフェア研究室のメンバーと準備中です。
市区町村をまたぐ企業での開催は前例がないとのことで、自治体のご担当者にもご協力をいただきながらチャレンジです。

小さな単位で暮らし、介護者不在の暮らしが増えました。
すでに団地の中でも様々な問題が発生しています。
もし、団地で徘徊している方がいたら、異常者として見るのではなく、お住いの部屋を優しく教えてあげることができるでしょう。
ごみだしの日を間違えてしまう方がいたら、怒らずにごみだしの日に声をかけてあげることもできるでしょう。
物を盗られたと何度も興奮している人がいたら、地域包括支援センターの專門職につなげることができます。
でも、見ないふりをしていたら、ちょっとした知識がなかったら何も解決ができません。

URの職員は專門領域を越えて学ぶことにも大変意欲的です。
すでに、このオレンジリングを取得している職員もいて大変嬉しく思います。
認知症に関することは、現場にいる人以上に制度や仕組み、事業を考える人たちにも伝えなければならないと私は感じています。

国もオレンジプランの中で、オレンジサポーターの養成を800万人の目標を掲げています。(2015年6月末現在630万人)
これから、一人でも多くの方にオレンジリングをお渡しできることを楽しみにしています。
リングを受け取った人たちがひとつでもできることを探し行うことも大切ですね。
認知症は人類にとって永遠の課題です。
いずれは、故郷の友人や学校や近所の方々にも、企業の皆様にも貢献したいと思っています。

認知症キャラバン・メイト養成研修会

そんなことを強く思いながら歩いていたら・・・
あらっ 横浜から静岡へ向かう途中、新横浜駅新幹線の改札を入ったところにこんなポスターが貼ってあるのを発見しました!

認知症キャラバン・メイト養成研修会

「認知症、みんなで見守る 地域で支える」

認知症に限らず「忘れても大丈夫」「何かを失くしても大丈夫」と言える人間関係をつくること、人と人が結びつきながら生きていけることが、私の大きな志でもあります。
やさしい街、やさしい心を目指して、今日も一歩一歩前に進みましょう。

認知症キャラバン・メイト養成研修会

【認知症サポーターキャラバン】
http://www.caravanmate.com/
認知症サポーターは認知症について正しい知識をもち、認知症の人や家族を応援し、だれもが暮らしやすい地域をつくっていくボランティア。
講座を受けることで認知症サポーターにはボランティアのシンボルである「オレンジリング」が授与されます。参加費は無料。
ご興味のある方は、お住まいの市区町村の高齢福祉課や地域包括支援センターにお尋ねください。

gooヘルスケア

ワサビです。
「gooヘルスケア」にて働く女性の介護制度に関する川上さん寄稿記事が配信されました。
2009年4月から6年間に渡って続いたgooヘルスケアでのシリーズもこれで最終回となります。
ぜひお読みくださいね。

知っておかないと損! 働く女性の介護制度 (2015.5.26公開)

・ 企業などで働く人は「介護休業制度」が活用できる
・ さまざまな場面で活用できる「介護休業制度」
・ 企業独自の両立支援の取り組みも
・ 介護が必要となったら、まずは職場に相談を

ぜひ読んでみてくださいね。(バックナンバー一覧はこちらから)

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