静岡市のグランシップ大ホールにて、モンゴル音楽と着物ショー【静岡県・モンゴル国ドルノゴビ県友好提携5周年記念「草原の輝き」】が開催されました。
母が8年前よりこつこつ通っている着付け教室「るいの会」の講師、川村節子先生のプロデュースによる華やかなイベントです。
一部は馬頭琴、ヤトガ(琴)、口琴、ホーミー(一人で2つの音を同時に歌う)などによるモンゴル音楽の演奏です。
草原や大地、風や雨、そして哀しみや喜びの情景を感じるような美しい音楽。
どの曲もとても心にやさしい音楽で驚きました。特に「青い雨」は、振り続ける雨が、こころに沁みます。
二部は川村先生のお弟子さんが着付けた、生徒や学生による華やかな着物ショーです。
川勝静岡県知事もお見えになり、最後まで最前列でご覧頂きました。
そのショーになぜ私が出演することになったかと言いますと・・・
母「足首が痛み歩行が少々困難ので、残念ですが、ショーには出られません。」
川村先生「川上さん、お嬢さんを東京から呼びましょう。それなら大丈夫でしょう。」
数日後
由里子「え~ な、な、なんで私が出るの?!」
というわけで、生徒でもない私が普段着慣れない着物を着て、ぐるぐる巻かれて母をアテンドすることになりました。
「私のほうが転びそうなんだけど・・・。ま、いいか」
母の手をとり舞台の袖から広い舞台に二人で進みます。最初で最後の親子での着物ショーです。
ここグランシップ大ホールは、数年前に父と母が警察友の会で表彰された場所。
母は父との晴れやかな思い出のあるステージに、あの日と同じ着物を着て立ちたかったようでしたので、母の楽しみを応援するために、なんとか私も奮闘です。
(え〜と歩行は小股内股、ステージを八の字八の字、遅すぎず早すぎず・・・)
私は夏の浴衣が大好きですが、毎日仕事で大忙しの日々、優雅に着物を着る時間はなかなかとれません。
でもこの日、皆さんの着物姿とそのエピソードを拝見できた上、私も母が昔々に作ってくれた着物に袖を通すことができ、とてもワクワクした一日でした。
日本の色、形、伝統文化はやはり素敵ですね。
「着物を着れるって楽しい!」
終了後にモンゴル演奏家の皆様と記念写真です。
この日、母の足首もなんとか持ちこたえました。
「みんなに迷惑をかけるから」という気持ちがありながらも、母が楽しみを諦めないで良かったと思います。
自分以外の誰かの為に自分の時間を使うこと
一緒に体験し、どきどきし、一緒に笑うこと。
きっと忘れられない思い出になることと思います。
この日、会場にはきっと父が来ていたように思います。思いがけない春の楽しい一日でした。
モンゴル・タイ・インドネシア・ドイツなどの学生も振り袖を着て大喜び。