ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

5/31(土)いきいきセカンドライフ

カテゴリー: ラジオ

ワサビです。

次回の川上さんのラジオ出演は5月31日(土)です。
今回は7時15分頃の出演となります。
ぜひ聴いてみてくださいね。

放送局:ニッポン放送1242
番組名:徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー
コーナー名:いきいきセカンドライフ
時間:朝7:15頃

[audio:https://yuito.jp/wp-content/uploads/2014/05/140531_radio.mp3]
(スマホ・タブレット用)

贈りもの ~変わらない暮らしのために~

カテゴリー: ノウハウ, 日常

この春、父の介護は6年目を迎えました。
母は自宅で公的介護サービスの支援を受けながら介護のある暮らしを続けています。

現在利用しているサービスは訪問系のみ。残念ながらデイサービスやショートステイなどの通所系のサービスは現在利用できていません。これは、父が好まないことを母が思ってのこと。
「もう少し、私ががんばるわ。」母はきっとそう思いながら介護を続けています。
どんなに元気な人でも疲労やストレスがたまって当然です。
そんな状況ですから、24時間介護中の母の健康を、兄も弟も私も常に心を寄せて心配し、見守っています。

 【現在の父89歳のケアプラン】
 月曜日 訪問リハビリ
 火曜日 訪問入浴
 水曜日 訪問リハビリ
 木曜日 お休み でしたが、今月から30分のみの訪問介護開始
 金用日 訪問看護 (2週間に1回) / 訪問入浴(2週間に1回)
 土曜日 家族 主に私と弟が1週間事交替で参加
 日曜日 家族 〃
 その他 福祉用具 歩行器 レンタル(起立時に使用)
 ※排泄のコントロールも兼ねるために、訪問入浴の回数が月6回となっています。
 ※毎日の主介護者は母です。

このようなケアプランに基いて、郷里の我が家にはケアマネジャーとホームヘルパー、理学療法士、訪問看護師が元気に訪れ、両親をサポートしてくれています。
その様子に驚いたり感心したりしている母はいつも私に出来事や感想などを話してくれます。

訪問入浴サービス

3人一組、訪問入浴車を抱えてやってくる訪問入浴サービス
手際良くお風呂に入れてくれるおかげで父はいつも清潔です。
床ずれ予防効果もあり大助かりです。

訪問入浴サービス

お風呂はなんと窓から入り窓から出ていきます

 

介護で外に出掛けられない母にとって唯一の楽しみは毎日奥の部屋でエレクトーンを弾くこと。
それが先日、エレクトーンのベースの音が鳴らなくなってしまったのです。私も弾いてみましたが、足のペダルを踏んでも音がでないエレクトーン、なんともおかしなものです。
40年以上続く大切にしたい習慣ですが、母は「費用もかかるしいいのよ、いいのよ。」とあきらめています。

なんとか新しいエレクトーンを用意したい、でも高額だしどうしたものか、と思案していたところ、兄からも「母のプレゼントにはエレクトーンがいいのでは?」と。
そこで、兄と弟と3人で相談し、母にエレクトーンを贈り物にすることにしました。
ちょっと高額ですが3人で出し合ってお誕生日の記念と母の日の贈り物にしようというわけです。

兄は馴染みの楽器屋担当者Iさんに相談交渉を、私は車を運転し1時間、候補となった楽器を下見選定、弟も運搬日に駆けつけ立ち会いました。
そして5月の休日、その中古エレクトーンは、静岡市SBS通りの楽器店すみやからやってきました。

エレクトーン

心待ちにしていたエレクトーンが届きました
子供達から母へのおつかれさまと、ありがとうを伝える贈りものです

母は本当に嬉しそうでした。
このエレクトーンは我が家の中心、両親が過ごすリビングに置くことに。
ここは父が24時間過ごす空間です。
毎朝夕、また母の弾くエレクトーンから優しいメロディーが響き始めました。
言葉数少なくなった父ですが、テレビを消しても不安がらずに「いいねぇ」と聴いてくれて、一同びっくりです。

私も帰省の楽しみが増えました。
父の一番好きな「月の砂漠」と「故郷」を弾きます。
母はストリングが、私はオーボエやフルートの音が好みです。

 

中庭

食事をする場所からみえる中庭、これもいつもの風景
昔母に贈った薔薇の花が今年も咲きました

高齢者のケア3原則は
1. 継続性の尊重
2. 残存能力の維持活用
3. 自己決定の尊重

介護のある暮らしはこれまでの暮らしの延長です。
これまでの暮らしとなるべく変わらないように配慮することで、心がほっとできる場所ができます。

人生の灯が小さくなっていく時間。
本人にとっても家族にとっても切なさも辛さも嬉しさも大変さもたくさん溢れている時間です。
それもごく自然なことですね。介護のある暮らしだからこそ豊かに。
大変でも幸せだなあと思える介護生活を続けています。

いい香りと私の暮らし

カテゴリー: 日常

香りの良いものが好きなので、部屋ではいつもアロマオイルを焚いています。
鞄にはその日の気分に合わせて選んだ精油の小瓶をいれて、時折ハンカチに一滴垂らし、くんくんと鼻に近づけて嗅いでいます。

携帯しているババグーリの自然素材のハンカチと爽やかなレモンのオイル。
4月末、連休中に手作りしたアロマスプレー。もっとも手軽な乾式法の芳香浴

私とアロマテラピーとのおつきあいはかれこれ20年以上。

看護師として働く傍ら、西洋医学ではない植物療法について知ることが楽しく、趣味がこうじてアロマテラピーの資格(AEAJ日本アロマ環境協会/アロマテラピーアドバイザー)も取得しました。

アロマテラピー資格認定カード

以来、香りを楽しむことは勿論、ボランティア活動などに参加するなど長く親しんでいます。
情報に囲まれ聴覚や視覚に頼りがちな日々の生活の中で、臭覚、触覚を刺激し五感のバランスを調えてくれる、私自身の暮らしには欠かせないものです。
 

先日、テレビ放送で「天然アロマの香りを嗅ぐことで脳を若がえらせ認知症対策」と鳥取大学医学部保健学科の浦上克哉教授による認知症予防に効果のあるアロマテラピーに関する報道があると、その翌日、百貨店などのアロマテラピー店にはアロマオイルを求め多くの人々が殺到したそうです。認知症を楽しく予防する、誰にとっても共通の関心事となりました。

フランスやドイツではメディカルアロマテラピーが進んでいて治療にも使われていますが、日本では香りを楽しむホリスティックアロマテラピーが中心。
今回の認知症予防の効果が実証された研究は活気的だということです。

連休中、時折足を運んでいる東京都中央区銀座のアロマ店「florame(フローラム)」に母の日の贈りもの選びに立ち寄ると、認知症予防レシピのスプレーを無料で作れるキャンペーン中。
こんなところにも影響が。私も早速透明感のある親切な店員さんと一緒に作ってみました。

銀座駅のすぐ近くの「フローラム 銀座コア店」(03-3571-4833)
知識を持った店員さんから手軽にアロマテラピーの知識や情報を得ることができます。

認知症予防スプレーの材料

用意するものは精製水とスピリタスという96度のウォッカ、精油2種類×2とスプレー容器。
認知症予防に効果があると公表されたアロマは
【日中】集中力が高まるローズマリーと高揚感のあるレモンのブレンド。
【夜間】安眠効果のある真性ラベンダーとリラックス効果のオレンジのブレンド。
これらを一日2時間、昼と夜香りを嗅ぐことで、昼は活性化、夜は沈静化の刺激で脳の活性化が期待できるのだそうです。

店員さんとの会話を楽しみながら朝用と夜用が各5分程度で完成しました。
これからはスピリタスを酒屋さんで購入し自宅で作ろうと思います。

フローラムではこの脳を活性化し認知症予防に効果があるブレンドスプレーも、精油を購入した方にはその場で作ってもらえます。(瓶代は有料)
アロマテラピーの知識や経験がない方でも安心ですね。

完成品

完成品

ちなみに、私にとってこのローズマリーの香りは、13年前、ケアマネジャーの試験勉強中に記憶力や集中力アップ効果を期待して毎晩焚いていた思い出の香り。
小瓶のふたを開けると、懸命に勉強していた当時の暮らし、猫のタロウのいた暮らしを瞬時に思い出します。香りは記憶と結びついていますね。

2週間に一度、郷里に帰省する際には父の好きな甘いお菓子と共に、いい香りをよくお土産にします。この香りは来週帰省時に香り好きな母に手渡す予定です。

介護中は臭いによるストレスを感じる場面も多々あります。そんな時にアロマが役立ちます。
排泄介助の後にサッとスプレーを一吹き。
居室や廊下には火を使用しない安全なアロマディフューザーを焚いて。
足浴や手浴時にもアロマオイルを数滴。
1本の精油があれば様々な方法で楽しむことができ、介護する人もされる人も癒され爽やかな気持ちになります。

父のできることは減りました。
緊張や不安が強いのか、手をぎゅっと握りしめ触れられることを好まないことが増えてきましたが、ラベンダーや樹木のオイルでハンドマッサージができた晩にはぐっすりと休むことができ、その安眠リラックス効果に驚きます。
自分自身の疲労があるとなかなかマッサージなどの行為にいたらないのですが、あまり無理せずにできる方法で、香りと触れることと見つめること、私の心を届け続けようと思っています。

私の部屋で

【私の部屋で】
精油は植物、果実など10種類程度持っていて体調によって使いわけています。
特に好きな香りは樹木の香り とっても落ち着きます

静岡の両親の暮らしで

【静岡の両親の暮らしで】
母は介護スタッフが訪れる日には、ラベンダー&オレンジの
明るく受容的な気持ちにさせてくれる香りで迎えています。

以前、私のセミナーに足を運んでくださった“あさいマッサージ教育研究所”の浅井隆彦先生が「介護アロマテラピー入門」という書籍で介護度に応じたケアなどをわかりやすく紹介されています。
興味のある方はご参考になさってください。

皆様も植物の力で大切な人を、自分自身を、癒してくださいね。
※アロマテラピーや精油選びには知識が必要です。
 必ず専門スタッフにお尋ねし、安全に楽しんでください。