ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ
セミナー

8/26(金)外は豪雨 業務終了後に集まってくださった43名の皆様と

接遇のセミナーをお願いしたい。今から7年ほど前にそんなご依頼をいただいたことがありました。えっ、なんで私が?…ケアの仕事に就いている私は接遇のプロではないし、自分自身の接遇さえ整っていません。当然辞退して、差し替えに友人を紹介し逃げました。ごめんなさい、その時の情けない気持ちがずっと心の片隅に残っていました。

しばらく、このテーマからは遠のいていましたが、近年また“コンサルタントとして大切にしていること”や“高齢者とのコミュニケーション”などの講演のご依頼をいただく機会が増え、今回のご依頼は老人保健施設、クリニック、居宅介護支援事業者という現場で働くスタッフの皆さんに“コミュニケーションと接遇”がテーマでした。

手づくりセミナー資料

時間というのは凄いですね。私は、いつのまにか人と人との関わりという、最も大切にしているテーマを話す準備が整ったのかもしれません。今考えていることや伝えたい思いがあります。セミナー内容は十数年に及ぶ私の抱えてきた悩みや問題、うまくいかなかったことから発見してきたこと、超えてきた方法、大切にしたいことなどがぎゅっと凝縮され、ノウハウとともに私自身を表現することになりました。やりがいを感じる仕事です。

何故、介護や医療の現場に接遇が求められるのでしょうか。それは、専門知識や技術があっても、相手が信頼し心を開かなければ、効果は得られないからです。接遇はコミュニケーションスキルです。一般の接遇をケアの現場にすっぽりとあてはめることはできません。何故でしょう。それは相手が痛みや悲しみを抱えている人だからではないでしょうか。そして、良いコミュニケーションをとるためには知識ではなく、豊かな感性が必要です。心も体もリラックスし、自分自身をみつめる目が必要です。

人に何かを話す、伝える、表現することによって、自分の考えが整理され、またあらたな考えが湧き出てきます。不思議なものでセミナー中、私自身を旅しているかのような気持ちになりました。人と人との関わりから逃げない、過去から繰り返してきた私の七転び八起きが、誰かの元気につながっていきます。

日々、人と人とのかかわりに向き合っている人達のあたたかく真剣な眼差しは、逆に私を勇気づけてくれるかのようなパワーを持っていました。皆さんが日々の仕事で抱えている戸惑いや悩みが伝わってくるようでした。ご依頼主とお聴きいただいた皆様に心から感謝します。

この街の、この国のケアする人たちを元気にしたい、一人ひとりの心を結んでゆきたい。
皆様と一緒に考え続けたい大切なテーマです。

起き上がり子法師

帰宅後、東京のマンションに戻り転んでも必ず起きる “起き上がり子法師”をじっと眺めました。良い一日をありがとうございました。

今年の夏はとても暑い夏でした。

8月、盛夏、清水区三保松原にほど近い私の母校、東海大学付属翔洋高等学校(旧、東海大学付属第一高等学校)の吹奏楽部OB,OGによる東日本大震災復興支援チャリティーコンサート(静岡新聞社、静岡放送後援)が郷里の清水文化センターで行われました。(→新聞記事pdf(252KB)

東海大学付属翔洋高等学校・中等部OB・OGによるスペシャルコンサート2011

東海大学付属翔洋高等学校・中等部OB・OGによるスペシャルコンサート2011

東海大学付属翔洋高等学校・中等部OB・OGによるスペシャルコンサート2011

私もフルートを吹いて演奏に参加

演奏会途中に私の話をする機会をいただき、自分の思いを朗読という形でお伝えしました。

東海大学付属翔洋高等学校・中等部OB・OGによるスペシャルコンサート2011

被災地で感じた思い「心の灯り」を朗読

きっかけは、この演奏会を主催した吹奏楽部OB会長、事務局長をしている兄からのメールでした。

遡ること今年6月、ボランティア登録していた仙台のNPO「全国コミュニティライフサポートセンター」 からようやく依頼の連絡がきた時のことです。慌ただしい毎日で走り回っていましたが、原稿の締め切り延期をお願いし、大きなリュックを背負い新幹線に乗り、仙台駅に向かう新幹線の中から静岡の兄と弟にメールを送りました。

…今から仙台経由で石巻市の避難所にボランティアに行ってきます 由里子…

その翌日、兄からのメールが来ました。

…8月に予定している演奏会で由里子の被災地での体験を話してほしい、宜しく。
僕も8月に現地に向かいます…

…了解…

教諭をしている兄とは阪神淡路大震災の際にも現地の外科病院で遭遇したのを覚えています。

ボランティアはほんの短い日数の体験でしたが、被災地では復興にむけた長い道のりが始まっていました。
できることなんて、本当に小さなことでしかない自分の歯がゆさを感じながらも、福祉避難所で暮らす人々のケアや生活サポートに参加させていただきました。

小さな私ができることはなんだろう・・・。
実際に視て、聴いて、感じてきたことを文字にし、言葉にしました。

朗読した心からのメッセージ「心の灯り」の一部をご紹介します。

心の灯りクリックでpdfが開きます。(92KB)

この日はフルートの演奏でも65名の仲間に交じって参加、学生時代に何よりも情熱を傾けた音楽。思春期に悩み苦しむ私を救ってくれた音楽でもあります。演奏中にステージの上では涙がでました。

昔、何度もコンクールでステージに上がったこの清水文化センターは来年とり壊される予定です。
3部が終わっても観客の誰もが帰ろうとしませんでした。

この日、最も目標としていたことがあります。

弟家族が86歳の父の車いすをおして、父は久しぶりの外出。父も兄の活躍ぶりを客席からじっと見守っていました。いつもは介護者である母も観客席から応援、嬉しそうな笑顔でした。

忙しく長期の夏休みはなかったけれど、私の過去と今と、東北と清水と、兄と私と
それから色々な人と人の心と心がつながったような貴重な一日でした。

企画、準備、当日の演奏、皆さんお疲れさまでした。

まさか、音楽ではなく、こんな形でステージに上がるなんて、想像もしていませんでした。
ケアの心を伝える方法にはさまざまな方法があるのですね。

これからも私のできる形で、心のケアを続けていきたいと思っています。

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プロの友情出演者

●同級生のコンサートマスター クラリネット奏者 水元みゆきさん 歌も上手です!

●海外でも活躍している オカリナ奏者 大沢聡さん
http://www.fruits.jp/~osawaongakukoubou/
この音、メロディ、本当に癒されます

●新日本フィルハーモニー交響楽団 トランペット奏者 市川和彦さん
http://www.justmystage.com/home/aperto/index.html
はるか昔、一緒に東京普門館での全国大会に出場しました。

●落語家 春風亭昇太さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A5%E9%A2%A8%E4%BA%AD%E6%98%87%E5%A4%AA
昇太さんはソフトボール部だったそうですが、トロンボーンが吹け、この日は一緒のステージにて演奏。

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この日寄せられた支援金は、後輩の吹奏楽部学生達が気仙沼、福島を慰問演奏に訪れ、無事寄託されたそうです。観客の皆様も有難うございました。心のあたたさを感じた一日でした。

夜はホルンで出演していた同級生たかし君が経営するイタリア料理店のロメオで大宴会となりました。良いワインでした。