2000年、介護保険制度が誕生してから15年が過ぎようとしています。
それまで行われていた措置制度から、サービスを選択し契約する時代へ。
介護は個人ではなく、社会全体で支えるという大きな変化が生まれました。
介護保険は6年毎の法改正、3年毎の報酬・基準改定が行われ、私たちが支払う介護保険料も2倍前後まで伸びています。
今後高齢者はますます増加し、2025年には高齢化率は30%を超えることが予測されています。
昨年、介護保険法だけでなく、医療にかかる法律も含め、19本もの法律が同時に成立しました。
社会保障のあり方全体が見直され、本年4月からの介護保険制度改正もその一つです。
企業に向けたセミナーで、そのポイントをご紹介させていただきました。
私たちの暮らしに影響を与える介護保険改正のポイントを少しだけご紹介します。
- 介護サービス利用者の自己負担が1割から2割へ。
合計所得金額160万円上、(収入が年金のみであれば、年額280万円以上)の方が該当します。65歳以上の方の約20%に相当するといわれています。
例えば、毎月介護にかかる費用が2万円だった方が、その倍の4万円になるということです。
家計に大きな影響を与えそうですね。
平性27年8月1日〜 - 特別養護老人ホーム(特養)の入所基準が原則として要介護1から3へ引き上げ。
重度者対応への重点化が進むことになります。
(現在でも要介護3以上の入所者が約88%です)
ただし、要介護2以下であっても、特例を設けていますので、やむを得ない事情のある方も申し込みができます。施設の「入所検討委員会」で判定されることになります。
現在すでに入所している方は除かれます。
平性27年4月〜 - 要支援1.2という軽い方は、介護予防サービスから市区町村の「総合事業」へ移行。
予防給付のうちの予防訪問介護と予防通所介護(デイサービス)が移行します。
これまで、介護保険は、要支援1以上の方は、どこに住んでいても同じ基準、費用でサービスを利用できましたが、今後は住んでいる市区町村によって、サービスのあり方、利用料が異なってきます。
例えば、これまでデイサービスを利用していた方は、利用料が下がるかもしれないし、上がるかもしれないということです。
市区町村はどんな受け皿をつくろうとするのか、住んでいる人たちはよく情報をキャッチし活用していくことが求められます。
平性27年4月〜(市区町村ごと異なり 平性29年3月31日まで猶予期間)
ということで、ケアの業界で働く様々な人々は、今必死でこの大きな改正を理解し、社会で暮らす介護が必要な方やそのご家族を支えようとしています。
私もまずは改正の背景全体を理解し、できるだけわかりやすくまとめて皆様への情報提供を心掛けます。
「やさしいケアガイド」も心を込めて改定作業中ですので、お待ちくださいね。
休日、介護保険改正の為の研修に参加しました。
会場はケアマネジャーや関係事業者の熱気と、ため息に包まれています。
参加受講費の自己負担はなかなか大変ですが大事な研修。
仲間たちよ、皆で乗り越えましょう。前進あるのみです!