ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

憧れた女性

カテゴリー: 思うこと

3月に入り各地で良い香りのお花が咲き始めました。
三寒四温、陽射しが明るくなり春の足音が近づいていますね。

先日、書店で手にした雑誌の「85歳の終止符。わがデザイナー人生に悔いなし」という記事に目が留まりました。
ファッションデザイナー稲葉賀惠さんが2024年秋冬コレクション発表を最後に「yushie inaba」をクローズ、デザイナー人生に区切りをつけました。

「婦人公論」中央公論社 No.1618  2025.4

稲葉賀惠さんは、私がまだ20代の頃から注視していた女性。
「自分で着たい服はどこにも売っていない。それなら自分で作るしかない!」と服づくりを始め、1970年にブランド「BIGI」を発足。
以後、長きに渡り女性を素敵にみせる服をデザイン。
時代の変化、女性としての人生を乗り越えながらやりたいことをやり続けたデザイナーです。 

シンプルだけど女性らしく気品のある稲葉賀惠さんの洋服、どんな人が作っているのだろうとこれまで、私の心に常々留まり、影響を受けてきました。
この雑誌も即購入し拝読、記事は保存版としました。
現代とは異なる時代、女性が自身のやりたいことをやり続けるためには、計り知れない苦労、そして喜びがあったことと思います。
ご興味のある方は現在発売中の雑誌をご覧くださいね。

私は幼い頃から看護師を目指し臨床で奮闘しましたが、人生の想定外、講演やセミナーなど人前で話すことが多い仕事に就きました。
「待っているだけではだめだ!話すことは苦手だけれど伝えなくては!」との必死な思いだったのですが、人前で話すことは毎回恐怖、緊張の連続でした。
今思えばそんな私に勇気や元気をくれたのは「yushie inaba」の洋服やアクセサリー。
講演や取材に臨む時、ヨシエさんの洋服を身につけることで、「よーし頑張るぞー」と緊張や恐怖感は前向きな気持ち、楽しみに変わっていました。
身につけるものというのは不思議な力を持っていますね。

ファイリングしておいた記事を探し出しました。
引越しでだいぶ処分してしまいましたがありました!
イナバヨシエさんが京都のユキ・パリスさんを訪ねて、アンティークの真珠貝ネックレスを作った際の写真。いいですねぇ。
凛とした気品と自分の道を生きる強さが感じられます。

「ファッションデザイナー 稲葉賀惠」かっこいい!
ならば私は…「ケアデザイナー 川上由里子」を目指したい!と憧れたものです。
足元にも及ばない人生ですが、自分のやりたいことを生涯やり続ける情熱、仲間との仕事、デザインする仕事、素敵だなと憧れる女性の一人でした。

日常で使う物を手に取る時、皆さんはどんな目で選びますか?
デザイン?金額?素材?作者?流行?それぞれあることと思います。
私は作り手の思いや生き方が伝わってくるもの、使い込めるものが好きです。
どうしても高額になりますが、思いの込められた良いものを少なく長く大切にできれば、それが私の理想です。

ということで、私のお気に入り「レキップ ヨシエ イナバ」の黒いワンピースとスーツ姿で締めましょう。

人の前に立つ時も自分らしくありたい!善き日にしたい!
その時その衣を選んだ自分の状況や気持ちをよくよく覚えています。

稲葉賀惠さま、お逢いしたことはありませんが、シンプルで美しくデザインされた洋服は、長く働く私に勇気と元気を与えてくれました。ありがとうございました。
85歳まで60年間のデザイナー人生、その強い情熱と豊かさに憧れます。
やりたいことが山のようにあるので終点を考えている暇はないとのこと、素敵です!
これからもきっと自分流のお洒落を楽しまれますね。

私自身も心身の変化を感じる年代になりましたが、まだまだヒヨッコです。
ヨシエさんが、洋服が好きであり続けたように、私も喜びや哀しみを抱える人間が好きであり続けたい。
心と心をつなぐケアの旅をまだまだ続けます。
巡り会えたお洋服はこれからも大切にします。

1冊の雑誌記事から思いを馳せました。
このような情報(人の生き方や思い)を発信してくださった出版社やライターさんにも感謝します。

皆さんの憧れる人はどんな人ですか?それは何故ですか?
憧れる人とは好きな人とも尊敬する人とも少し違うように思います。

今年は桜の開花が早いようです。
青空が優しい色に染まる春の日を楽しみに一つひとつ乗り越えてゆきましょう。