香りの良いものが好きなので、部屋ではいつもアロマオイルを焚いています。
鞄にはその日の気分に合わせて選んだ精油の小瓶をいれて、時折ハンカチに一滴垂らし、くんくんと鼻に近づけて嗅いでいます。
私とアロマテラピーとのおつきあいはかれこれ20年以上。
看護師として働く傍ら、西洋医学ではない植物療法について知ることが楽しく、趣味がこうじてアロマテラピーの資格(AEAJ日本アロマ環境協会/アロマテラピーアドバイザー)も取得しました。
以来、香りを楽しむことは勿論、ボランティア活動などに参加するなど長く親しんでいます。
情報に囲まれ聴覚や視覚に頼りがちな日々の生活の中で、臭覚、触覚を刺激し五感のバランスを調えてくれる、私自身の暮らしには欠かせないものです。
先日、テレビ放送で「天然アロマの香りを嗅ぐことで脳を若がえらせ認知症対策」と鳥取大学医学部保健学科の浦上克哉教授による認知症予防に効果のあるアロマテラピーに関する報道があると、その翌日、百貨店などのアロマテラピー店にはアロマオイルを求め多くの人々が殺到したそうです。認知症を楽しく予防する、誰にとっても共通の関心事となりました。
フランスやドイツではメディカルアロマテラピーが進んでいて治療にも使われていますが、日本では香りを楽しむホリスティックアロマテラピーが中心。
今回の認知症予防の効果が実証された研究は活気的だということです。
連休中、時折足を運んでいる東京都中央区銀座のアロマ店「florame(フローラム)」に母の日の贈りもの選びに立ち寄ると、認知症予防レシピのスプレーを無料で作れるキャンペーン中。
こんなところにも影響が。私も早速透明感のある親切な店員さんと一緒に作ってみました。
用意するものは精製水とスピリタスという96度のウォッカ、精油2種類×2とスプレー容器。
認知症予防に効果があると公表されたアロマは
【日中】集中力が高まるローズマリーと高揚感のあるレモンのブレンド。
【夜間】安眠効果のある真性ラベンダーとリラックス効果のオレンジのブレンド。
これらを一日2時間、昼と夜香りを嗅ぐことで、昼は活性化、夜は沈静化の刺激で脳の活性化が期待できるのだそうです。
店員さんとの会話を楽しみながら朝用と夜用が各5分程度で完成しました。
これからはスピリタスを酒屋さんで購入し自宅で作ろうと思います。
フローラムではこの脳を活性化し認知症予防に効果があるブレンドスプレーも、精油を購入した方にはその場で作ってもらえます。(瓶代は有料)
アロマテラピーの知識や経験がない方でも安心ですね。
ちなみに、私にとってこのローズマリーの香りは、13年前、ケアマネジャーの試験勉強中に記憶力や集中力アップ効果を期待して毎晩焚いていた思い出の香り。
小瓶のふたを開けると、懸命に勉強していた当時の暮らし、猫のタロウのいた暮らしを瞬時に思い出します。香りは記憶と結びついていますね。
2週間に一度、郷里に帰省する際には父の好きな甘いお菓子と共に、いい香りをよくお土産にします。この香りは来週帰省時に香り好きな母に手渡す予定です。
介護中は臭いによるストレスを感じる場面も多々あります。そんな時にアロマが役立ちます。
排泄介助の後にサッとスプレーを一吹き。
居室や廊下には火を使用しない安全なアロマディフューザーを焚いて。
足浴や手浴時にもアロマオイルを数滴。
1本の精油があれば様々な方法で楽しむことができ、介護する人もされる人も癒され爽やかな気持ちになります。
父のできることは減りました。
緊張や不安が強いのか、手をぎゅっと握りしめ触れられることを好まないことが増えてきましたが、ラベンダーや樹木のオイルでハンドマッサージができた晩にはぐっすりと休むことができ、その安眠リラックス効果に驚きます。
自分自身の疲労があるとなかなかマッサージなどの行為にいたらないのですが、あまり無理せずにできる方法で、香りと触れることと見つめること、私の心を届け続けようと思っています。
以前、私のセミナーに足を運んでくださった“あさいマッサージ教育研究所”の浅井隆彦先生が「介護アロマテラピー入門」という書籍で介護度に応じたケアなどをわかりやすく紹介されています。
興味のある方はご参考になさってください。
皆様も植物の力で大切な人を、自分自身を、癒してくださいね。
※アロマテラピーや精油選びには知識が必要です。
必ず専門スタッフにお尋ねし、安全に楽しんでください。