ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

心地よい空間 日々のこと

カテゴリー: 日常

北欧の高齢者の居室

今回のセミナーでは(株)デアマイスター社代表取締役の佐藤文三様と(株)リハブインテリアズ社代表取締役の池田由里子様にご協力いただき1枚の写真をお借りいたしました。北欧の高齢者の居室の写真、私はこの風景がとても好きです。

人はお気に入りの椅子や空間があることでベッドから離床し、毎日が自然体のリハビリとなります。

以前、高齢なお父様へ椅子のプレゼントをご検討されている姉妹のご相談に対応させていただいたことがあります。(株)デアマイスターではマイスターファニチャーという寝たきりにならない生涯椅子を提案されています。北欧のデザイン、色も明るくあたたかく素敵です。ホームページも参考になりますのでご覧になってください。

理学療法士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザーの池田由里子さんのご活躍も素敵です。


五感を大切にした暮らしは豊かな感性を磨きます。

せっかくこのようなセミナーをしましたので、私にとっての居心地の良さを考えてみました。

なんといっても私の好みは“天然素材”です。
小さな部屋ですが、気がつくといつのまにかテーブル、本棚、衣装ケースなどの家具は全て無垢の木材。(北欧、日本、インドネシアなど様々ですが)

お気に入りの無垢材テーブル

何にでも使うテーブルと椅子は青山のnoen無垢の木で作る家具の店で10年ほど前に作ってもらいました。
栃の木です。いつも呼吸していて気持ちがよいです。

カーテンやシーツなどのリネンも麻や綿の天然素材です。
ヨーガンレールとリベコを繰り返しお洗濯して使っています。
少し高額ですが肌触りがよく長く使っています。

部屋には音楽と読書と灯りがあります。
特に好きなのは詩集と物語です。最近はお仕事の本も沢山あります。

絵があります。
シャガールの緑の絵とバングラデシュで購入してきた赤いノクシカタの刺繍が飾ってあります。

寒い季節には好みの香りのアロマを焚きます。

すぐに散らかすので毎週土曜日の午前中はお掃除をしてマンションの部屋に風を通します。
そうすると心もすっきりします。

植物を飾ります。植物に水を上げます。

10代から側にある銀のフルートと大人になってから作ってもらった竹のケーナがあります。

玄米と新米と野菜があり、ル・クルーゼの鍋と友人のお父さんが作ってくれた8角形のまな板があります。
野菜をたくさん入れたスープは忙しい生活でも健康を作ってくれます。

私の部屋ではテレビなど電化製品は小さくなっています。

この空間で思考したり希望したり、笑ったり泣いたり、見つめたり整理したりしています。

この嗜好は私がおばあさんになっても変わらないでしょう。

 

皆さんの心地よい空間はどんな空間ですか?

皆さんこんにちは 

ようやくようやく秋らしい気候となってきました。お元気ですか?
月夜の晩に鈴虫や松虫がころころと鳴く音は秋の楽しみ、なんともいえず耳に心地よいですね。

9月21日金曜、公益社団法人インテリア産業協会と日本経済新聞社が開催した「住まいと暮らしをスマートに・リフォーム&インテリア2012」でのセミナー講師に出かけてまいりました。

リフォーム&インテリア2012

会場は東京ビックサイト。リフォームやインテリア関連企業展示と豊富なシーン展示で紹介するエンドユーザー向け展示会です。
関連企画として、リフォーム成功の秘訣や、耐震、コミュニティ、収納等の最新トレンドをテーマに、会場内に設置されたステージで連続セミナーが開催されました。

私はメインステージプログラム初日の2番手、日頃のセミナーとは異なるオープン会場の中で、この日の為に制作した新作「シニアの優しい暮らしをデザインする~ケアとリフォーム~」をご来場の皆様にお伝えさせていただきました。

リフォーム&インテリア2012

先日も新聞社の意識調査で“高齢期に希望すること”の上位にはリフォームがあげられていましたが、住まいは大切な暮らしの器。高齢期だからこそ自分らしく居心地のよい住まいは必要ですね。

ところが、意外に多い家庭内事故。住環境がからだや心に与えている数々の影響。また、何からどのようにしたら?大切な資金をどのように活かせばよいのかと実行に移せない人もいらっしゃるのではないでしょうか。

高齢期の暮らしのリフォームには、ケアの視点も必要です。住まいを知る、自分を知る、暮らしを知る、ことから始めましょう。そして、住まいに体をあわせるのではなく、からだの変化にあわせて住まいを変えることが大切。これらをしっかり考えたリフォームは生活を広げ自立を助けることにつながり、介護のある暮らしでは介護する人の負担も軽減します。そして、何よりも自分流を持つその人らしい暮らしを継続することにも繋がります。QOL(生活の質)を高めた生活です。

私自身も両親のリフォームでその効果を実感しています。

インテリア産業協会の事務局長様から今回のご依頼をいただいたとき、私の頭に浮かんだのは「紙芝居のような明るいセミナーを作ってみよう」でした。
ワサビさん協力のやさしく明るいイラストにより皆様が住環境や福祉用具の活用による暮らしをイメージすることをお手伝いできたのではないでしょうか。

セミナーの一部を動画でご紹介しますね。

 

日頃はクローズドの講演が多い為、一般顧客に向けたセミナーは久しぶりでしたが、熱心に耳を傾けてくださる皆様のニーズを感じられる貴重な時間でした。

本セミナーは基本的な内容が中心となっているものでしたが、終了後、ご質問に並んでくださった方々から、私にとっては当たり前となっている基本的な情報も届いていない、ということを教えていただきました。役所や地域包括支援センターなどに行けば得られる情報ですが、一般の方々の情報を求める足や意識の第1歩は、まずそこには向きにくいのかもしれませんね。

福祉でも介護でもない、もう少し手前の段階で住まいと暮らしをデザインする、このことが大切なことと改めて私も認識した時間。いつものことながら、セミナーを作る、伝えることによって私も贈り物をいただきます。

貴重な機会をいただきましたインテリア産業協会の事務局長様、お忙しい中足をお運びいただいた皆様、応援にかけつけてくださった皆様、ご質問やあたたかいお声がけをいただいた皆様、そして深夜に及ぶ作業に遠隔から共にチャレンジしてくれたワサビさん、心より感謝御礼申し上げます。ありがとうございました。

言葉で伝える、目で伝える、心を伝える 一期一会を大切にしています。

スタッフのワサビです。

セミナーのお知らせです。
来週9/21(金)-23(日)に日本経済新聞社・公益社団法人 インテリア産業協会主催「リフォーム&インテリア2012」 が 東京ビックサイトで開催されます。

リフォーム&インテリア2012

この度、21日のメインステージプログラムの講師にご依頼いただき、川上さんがセミナーを行うことになりました。
「シニアの優しい暮らしをデザインする~ケアとリフォーム~」と題して、高齢者が自宅で自分らしい生活をしていくために必要なリフォームのポイントをご説明します。

入場は無料ですので、お時間のある方はぜひご来場ください。

■ 日時 : 2012年9月21日(金) 11:40~12:10
■ 場所 : 東京ビックサイト 西2ホール メインステージ
■ セミナータイトル : シニアの優しい暮らしをデザインする~ケアとリフォーム~

詳細はこちら

8/16 読売新聞夕刊に取材記事が掲載されました

カテゴリー: お知らせ

読売新聞

スタッフのワサビです。

本日8/16の読売新聞夕刊の「こころ 健康のページ」に取材記事が掲載されました。

テーマは「遠距離介護」。
川上さん自身も2008年4月からお父様を遠距離介護されており、隔週で東京と静岡のご実家を往復されている身。その体験から来る遠距離介護に対する思いとアドバイスが語られていますので、ぜひご覧ください。

ボサノヴァに癒される時間

カテゴリー: 日常

 3つのお買い物をしました。
良い香りの石鹸1個と、バラの花一輪と、ボサノヴァのCD1枚です。

 「心地よい音楽を聴きたいなあ~」
クラシックもヒーリングミュージックも好きだけど、やっぱり夏はボサノヴァの声とギターの音が聴きたくなります。
遠く出かけたいけど出かけられない夏の一日、部屋の風を入れ替え、元気な花を飾り、赤ワインや冷えたビールを1杯飲みながら、ボサノヴァを聴く。
仕事を抱えた毎日でもこれでとっても楽しい気分が味わえます。

お気に入り

ジョイス・モレーノの「トゥード」大人の女性の声です
緑のジャケットも瞳に優しくて癒されます
「slow music」は夜に「トゥード」は昼下がりに聴くのが好み♪
CDの下に敷いてある布は以前「RIBECO」で購入した麻のワンピース

 情報が溢れる時代、誰かがよいと思ったものを良いと無意識的に選んでしまう人が多い時代となりました。私は自分の感覚で自由に選ぶ素朴な作業が好きです。お気に入りの人や音楽を発見した時は嬉しくなりますね。長年大切にしている日々の習慣でもあります。

 音楽好きの郷里の両親にも、よく音楽をお土産にします。

 母のお気に入りハワイアン、父のお気に入りは沖縄音楽と大学の校歌や応援歌。時々指揮者になり腕が動きます。「音楽はよいね~」我が家の合言葉のようです。支える人も支えられる人も、自然に笑顔になります。夏の暑い時はせせらぎや波の音などもよいですね。

 気持ち良く大切な人を介護するためにも、音楽を活用してみてください。

7月の介護セミナー報告 ~大切なのは対話~

カテゴリー: 活動報告

残暑お見舞い申し上げます

皆さん こんにちは
立秋がすぎたとはいえ、蒸し暑い日が続いていますね。
夕涼みと花火大会、海の音と海の香り、読書しながらのお昼寝、麦藁帽子と入道雲…
どのような夏をお過ごしでしょうか。

向日葵

8月 夏の活き活きとした黄色をいただきました。ふうぅ~
暑い暑い こんな爽やかな向日葵の色は元気がでますね。

 7月は(株)日本政策金融公庫仙台支店様、三井不動産(株)人事部様、三井不動産レジデンシャル(株)健康管理室様での社員向け介護セミナーをご対応させていただきました。

 近年、仕事と介護の両立に悩む人が増え、各企業が支援の方法を模索しています。子育てとの違いは職場では話題にしにくい点でしょう。介護支援制度があっても「どんな制度なのか、どう活用するのか知らない」という方が多いのが実情です。企業は利用を促す為に情報の周知徹底を図ることが求められています。介護セミナーの開催や介護制度ハンドブックの作成配布、イントラネット活用などそれぞれの企業にあった方法で工夫されています。働きながら介護を続けられることは、企業、個人双方にとっての宝物を守ることにつながります。介護は誰にとっても特別ではない、一般の暮らしの中で誰もが介護について考える時代が訪れています。


(株)日本政策金融公庫/仙台セミナー

はじめに:介護ニーズ調査等の報告/女性活躍推進室 室長
1部:介護セミナー「介護の実態と介護知識」/川上
2部:パネルディスカッション
   パネラー:介護と仕事を両立させた働く人2名と、ケアコンサルタント(川上)
   コーディネーター:公庫職員様
3部:ワークショップ 

 職員の実態調査のご報告から入った講演会でしたが、職員が介護を身近に考える機会を持ていざという時に役立つことができるように、仕事を辞めずに介護と両立が図れるように、という主催者の気持ちが現れている素晴らしい企画に驚きました。祖母を介護している母の為になど若い方の参加も目立ち、明るく積極的な空気が流れていたことは私にとっても大変嬉しいことでした。

 介護と仕事を両立させながら、在宅、病院、施設での遠距離サポートを行った女性の体験、介護休暇を利用しながら前向きに働き続け、その数年間に大学院にも通われMBAを取得された女性から語られたお話は、皆さんにも勇気や感動を与えたことと思います。


三井不動産(株)人事部様主催介護セミナー(日本橋)

 2回目となる今回のテーマは是非聴いていただきたい、と「認知症」をご提案させていただきました。このセミナー作成には長い年月という時間と私の想いがこめられています。

 セミナー終了後、「今日のお話を聴いて、家族にもう少し優しく接しようと思いました。大切なことをありがとう。」と声をかけてくださった50代の男性、アンケートの内容に現れるお一人ひとりの皆様の声と心、大変印象深いセミナーとなりました。

*三井不動産でのセミナーの様子、アンケート内容をレポートにしてくださっています。
【三井不動産ケアデザイン/情報ひろば】
http://www.care-design.net/report/seminar120725-1.html


三井不動産レジデンシャル(株)の健康管理室主催のセミナー(日本橋)

 ご清聴いただき感想やご意見をお寄せいただいた多くの皆様、ありがとうございました。

~アンケートの声を一部ご紹介~
・ 明日はわが身と思って聴いていました。最新の情報が得られて有意義だった。
・ 知らないことばかりで非常に役立ちました。家族と話し合おうと思いました。
・ とても良いセミナーでした。結論は人それぞれない難題ですが参考になります。
  ありがとうございました。

・ ケアマネージャー(市区町村)の選定、病院のソーシャルワーカーへの相談等、
  知らない内容が多く参考になった。

・ 介護保険による補助はあるものの、介護には相当の労力及び金銭が発生することを
  少し体感できた。
                  


 セミナーの機会が増えました。

 私にとってセミナーは人と人とがつながる大切な場です。大切なのは“対話”。相手と真正面から真摯に対峙すること、親の老いや自分の老いにも真摯に対峙していくこと。私が私と対峙すること。そして対話することです。対話というのはできそうでできない。セミナーに限らずコンサルティングでも、日常の人と人とのつながりにおいて、とても大切なことですね。成長させてくださる皆様との出会いにいつも心から感謝しています。

恒例 八幡神社の夏祭り

カテゴリー: 日常

皆さんこんにちは、梅雨も明け急に夏らしくなりましたがお元気でしょうか。
四季が巡るのは嬉しいけれど・・・暑さはなかなか堪えますね。
水分をこまめにとり、栄養、休養、心がけて元気に爽やかにお過ごしください。

毎年恒例の地元八幡神社の夏祭りに行ってきましたので、一足早い夏をお届けしますね。
今年は百合の浴衣にしました。
上の写真はカメラマン母の一押しショットだそうです。

母の力作

2012.7.14 由比本陣にて
(着付け・撮影 川上薫)

花火

 

gooヘルスケア

先日【gooヘルスケア:認知症高齢者の症状と接し方・心構え】が配信されました。
2008年より定期寄稿させていただいていますが(バックナンバーはこちらから)、今回のテーマは前回に引き続き「認知症」です。
記憶や判断力が低下する認知症という状態は、誰にとっても身近な問題です。
医療や介護の現場でケアをしてきた私は、認知症について最も怖いのはその病気ではなく“無知と無理解”だと感じています。
皆さんは認知症という言葉に何を感じますか?

私は現代を生きる人々の“心のメッセージ”を感じます。
病気になる前に、介護になる前に、早い段階から知ってほしいことです。
皆様がほんの少しでも本当のことに近づいていただけましたら幸いです。

● 認知症高齢者を理解するために
http://health.goo.ne.jp/column/healthy/h002/0168.html
● 認知症高齢者の症状と接し方・心構え
http://health.goo.ne.jp/column/healthy/h002/0174.html

いつもお読みいただいております読者の皆様、ありがとうございます。
今回も介護体験者の声をヒアリングしながら溢れる情報をコンパクトにまとめました。
こんなことで困っているなど、何かリクエストがありましたらお声掛けください!

さて、明日は仙台で介護講演とパネルディスカッションです。
働く方々へのメッセージを鞄につめて、東京発はやぶさ3号で東北へ行ってきます。

7月25日は認知症、30日は介護入門編のセミナー(企業従業員向け)講師を、日本橋で行います。一歩ずつでも前へ進みます。

読売新聞掲載のご案内

カテゴリー: お知らせ
読売新聞

シゴトON×OFF/ハンドブック 介護に備える
※17月6日、雨降る横浜の桜木町駅で購入。

読売新聞の生活情報部の記者さんから取材を受けました。
7月6日(金)から、4回に渡って働く人の介護について連載されます。
働く人の介護相談を受けて13年。
シンプルですが私の発見したことで皆様のお役に立てる内容を伝えています。
皆さんご覧ください。

掲載紙面はこちらをご覧ください。
→ 【7/6掲載分】(PDF:740KB)
→ 【7/13掲載分】(PDF:949KB)
→ 【7/20掲載分】(PDF:991KB)
→ 【7/27掲載分】(PDF:965KB)

東京都含む首都圏380万部発行  
7月6日、13日、20日、27日 金曜日夕刊

※ YOMIURI ONLINE 生活と仕事「ハンドブック」に転載されました。
介護に備える1 まず親の生活状況を把握 (7月17日)
介護に備える2 家族の時間を上手に使う (7月24日)
介護に備える3 休業法や支援制度を活用 (7月31日))
介護に備える4 相談し仕事との両立探る (8月7日)

 

小さなケアの相談

カテゴリー: ノウハウ

 相談業務の責任者として声をかけられてから試行錯誤しながら作成した介護相談は、1999年の無料対応から出発し、現在ではとても高額な相談料となりました。ご相談内容から問題点を明確にしアセスメント、支援の目標をきめ、相談者が自ら判断選択できる為のサポートを行い、フェイスtoフェイスで問題解決に共に望みます。相談にみえた方が理解しやすい言葉で資料に整え、その方の暮らしにそったオリジナルを提出します。

 こちらが大きな相談だとすると・・・・私は最近よく小さな相談対応をしています。

 先日、故郷での母と私の会話です。

母 

「昨日○○さんにあったら、おばあさんの介護でとっても忙しいのに図書館で一日中勉強していたそうよ。おばあさん、ひどい便秘らしいの。認知症のお姑さん抱えて大変そうだわ。何とかならないのかしら。」

私 

「便がでないんだ、それは大問題、本人も家族も相当困ってるね。排泄問題って最も大切なことだものね。その悩みって担当のケアマネジャーやデイサービスのナースや介護士に話したのかな?」

母 

「さあ、話してないと思うわよ。どうして?」

私 

「そういう時こそケアマネジャーの出番なんだよ。○○さんにそう伝えてみて。」

母 

「あら、そうなの。そんなこともケアマネジャーに相談していいの?」

私 

「話していいの。排泄のコントロールってとっても大事だけど難しい。特に排便は健康に直結するし、そもそも体内の水分量や筋肉が減り腸の蠕動運動っていう運動が弱くなる高齢者には便秘で悩む方がとっても多いの。どこに問題があるのか、どんな方法で解決できるのか、専門的な知識も必要だから、家族だけで考えずにプロの力も同時に使ったほうが早道だよ。
・・・・最近、おばあさんは何か排泄で失敗して怒られたりしたかな?」

母 

「そうそう、先日大きな失敗をしてついつい怒鳴ってしまったみたい。」

私 

「そう・・・それでお水を与える量を控えてしまっている可能性もありそうね。おばあさん自身も萎縮して控えてしまっているかもね。」

母 

「わかったわ、それじゃあ明日早速ケアマネジャーに相談するように伝えてみるわね。」

私 

「うん、それが良いよ!話してみてね。
あ、待って。その時にこの情報を伝えるとよいよ。今メモするね。」

  【 MEMO 】

  1. 排泄日誌の記録を
    排便、排尿のあった時間帯、飲水の時間、量、食事を観察して数日間メモしてください。できる範囲でよいので。(水分は一日1,000CC以上は必要、水分がとれなければ果物でもOK)

  2. おばあさんが以前から便秘を解消できた食物はありませんか 食物繊維を含む食品など活用を

  3. おばあさんの過ごしている部屋からトイレまでの通路・トイレ内の環境の確認
    歩きにくくないか、動きやすいか、暗くないか、安全か等の確認 
    トイレにいきやすい環境を

  4. おばあさんの着ている洋服や下着orオムツは、着脱しやすいか、衣類と動作の確認

  5. ホットタオルで温湿布 お腹を「の」字に時計回りにゆっくりマッサージ

  6. 一定時間に目覚め 適度な運動を

  7. 本人がリラックスして排泄しやすい気持ちとなるように心がけて

私 

「2、3日の排便、排尿、食事がわかると、どこにどんな問題があるかわかりやすいのでケアマネジャーや介護スタッフも対応を考えやすくなるからね。これがないと生活状況がみえないので下剤を処方されて終わりとなってしまうこともあるから。あと、からだだけでなく、周辺の環境も大事なんだよ。それでもだめなら、私が直接訪ねるからまた声かけてね。」

母 

「OK!」

・・・それから数日後 嬉しい便りが私に届きました。

母 

「○○さんに会ったら大きな声で私を呼ぶの、川上さんあったのよあったのよ便が。あのメモで確認したら水分を控えていたことがわかったから少し試してみたの。その他もメモどおり確認したの。そうしたら長く苦しんでいた便秘が解消されてもう嬉しくて。何よりも本人が一番楽になって喜んでいるの。助かったわ、本当にありがとうございました。由里子ちゃんにお礼を伝えておいてね。」

 初夏、両親が大切にしてきたちいさな町での小さなケアの相談、私もとっても嬉しくなりました。
様々なことが自分の力ではできなくなってしまうことの多い高齢期。私たちは当事者の気持ちに変わることはできませんが、私たちにもできることがあります。この町で暮らす人たちにケアからケアを伝えましょう。周囲に便秘の方がいたら、さりげなくご家庭で試してみてください。

 日本コンチネンス協会では排泄に係る相談を行っています。心強い味方です。私も以前、排泄で困っている方の力になれる為にとコンチネンスアドバイザーの研修を受けましたが大変参考になりました。研修の事前宿題には自分でオムツをつけ排泄を試みるなども。

ホームページはこちら↓
【NPO日本コンチネンス協会:http://www.jcas.or.jp/-profile.html
相談窓口 TEL:03-3301-0725  FAX:0761-23-7307

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