ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

介護のご相談

カテゴリー: 思うこと, 活動報告

秋の富士山

紅や黄色の木の葉が舞い落ちる季節となりました。皆さんこんにちは、お元気ですか?
私は…といえば、お伝えしたいことがたくさんあるのですが、ブログを書いている時間がなかなか取れません。(涙)
気にかけながらも、くるくると毎日走り回っています。
様々な体験の一つひとつに感謝しながら学びや発見を繰り返しています。
 
10月、従業員の支援に前向きに取り組まれている企業様での個別介護相談会が始まりました。
今月から私はご相談対応の為に定期的に足を運びます。

介護の相談には、介護保険制度、サービスの活用や住まい(施設や高齢者住宅選び)、認知症、介護用品、住環境(住宅改修)など、相談は多岐に渡り複合的です。
私は介護保険に限らず広い範囲での相談援助を開発し、1999年から伺ってきましたが、ご相談に訪れる方々には、初動期に遭遇する医療機関での戸惑いや混乱、また終末期に発症する疾患、肺炎に伴う嚥下困難など、医療を必要とする状況時の対応、終末期の過ごし方、延命治療などに関するご相談も含まれてきました。
特に、死への向き合い方に関しては大変難しいご相談対応で、ご相談者の立場に立ちながら共に考えましょうという支援を心がけています。

ナースとして働いた13年の経験から引き続き、私が感じていることは、人はなぜ自然な死を選べないのか、ということです。
延命だけを重視してきた医療について、医療や介護を提供する側も受ける側も、誰もが考え反省すべきだと思っています。
小さく弱くなる家族や自分のありのままを受け入れることは、決して容易なことではありません。
心の痛みも伴いますが、死はかわいそうなことでしょうか?
平穏死を伝えている石飛幸三医師の活動や、聖路加国際病院の日野原先生の終わり方も、私たちに大切なことを伝えてくれています。
本当の豊かさとは受け入れることから、と私は思っています。
また、そのことを教えてくれるのは、相談に来られる方お一人おひとりでもあります。

「今日、話せてよかった。」「こんな話は家族にも誰にもできないので、一人で抱えていた。」
大切なご家族のこと、介護のこと、命のこと、勇気を持ってお話してくださる皆様に感謝いたしております。
私は人と人が対話するというシンプルな関わりをとても大切に考えています。
ご相談に来られた方々が、真の問題に気づき、問題解決のために自分で動くことができるよう、これからもサポートに努めます。

「今日は死ぬのにもってこいの日 MANY WINTERS」

皆様の心の支えになるかどうかわかりませんが、私の愛書の中から、ネイティブ・アメリカンの死への向き合い方をご紹介します。

今日は死ぬのにもってこいの日だ。
生きているものすべてが、わたしと呼吸を合わせている。
すべての声が、わたしの中で合唱している。
すべての美が、わたしの目の中で休もうとしてやって来た。
あらゆる悪い考えは、わたしから立ち去っていった。
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
わたしの土地は、わたしを静かに取り巻いている。
わたしの畑は、もう耕されることはない。
わたしの家は、笑い声に満ちている。
子どもたちは、うちに帰ってきた。
そう、今日は死ぬのにもってこいの日だ。
 
    「今日は死ぬのにもってこいの日 MANY WINTERS」
     ナンシー・ウッド著 より

「今日は死ぬのにもってこいの日 MANY WINTERS」

太陽が昇り沈むように、一粒の種から木の葉が芽吹き育ち、やがて大地に落ちるように、人間の死も自然の一部と捉えることができるようにする為には、私たちに何が必要なのかを私自身も問い続けながら生きています。
人生のステージの最も大切な冬の季節を大切にしてほしい、その人らしくあってほしい、私の強い願いです。
皆さんはどう支え、どう生きますか?

これから寒い季節に向かいますが、皆様季節の移ろいを楽しみながら元気に参りましょうね。