ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

3月弥生陽射しの変わる季節、2008年からレギュラー出演させていただいていましたニッポン放送「ラジオケアノート」の最終収録を終えました。

最後の放送日となった「ラジオケアノート・介護なんでも相談」3月21日収録では、いつもの介護相談へのご回答ではなく、私の伝えたい思い「介護で得られる宝物」を電波にのせて発信させていただきました。

ニッポン放送「ラジオ・ケアノート/介護なんでも相談」最終収録

4年間通った有楽町のニッポン放送スタジオ 収録最終日

そこでは、介護をしている人だからこそ知らず知らずに得られている宝物があることをお伝えさせていだだきました。私が常日頃、心で感じていることです。
最も身近で介護中である郷里で暮らす母の変化にも少し触れさせていただきました。

「介護する人を応援してくれるなんて・・・介護することは当たり前だと思っていたのに、本当に元気がでました。」 
「家族のこと、とても困っています。どうにもならないと思っていたけれど、ラジオを聴いて相談してみようと思いました。」

放送終了後には様々な反響をリスナーからいただきました。
離れているところで心細い思いをされている方の力になれるなんて、私にとっては嬉しいことです。

この最終回の打ち合わせの前日、郷里の父が肺梗塞、心不全状態で突然入院。翌週にひかえた収録を無事に終えることができるのだろうか?心配を抱えながら私は郷里と東京の間を走り回っていました。入院といっても介護者のサポートやケアマネジャー、医師との面談、家族間の調整など様々なことが必要とされます。何よりも父の回復には、医療専門家の医療技術と共に家族の力が大きく影響します。

スタジオのスタッフの皆様のいつもと変わらない対応に支えられながら、無事最終の収録を終えたときには安堵と感動の気持ちでいっぱいでした。同年代の女性3人、こんな時こそ、経験に裏付けられたさりげない強さとやさしさの持ち主達に助けられます。

「ラジオケアノート」は10年も続いたロングセラー番組。シニアとその家族にとって、明るく楽しく自分らしく生きるための情報やヒントを送る、高齢社会のニーズにあった素晴らしい企画の番組だったと思います。様々なコメンテーターから発信されるケアのお話は大変興味深く、私も楽しみにしていました。こういった内容の番組が、今後社会で大切にされることを願っています。

3年前に私を発見しご依頼をくださった勇敢な加藤部長、制作担当の頭も心も素敵で面白い山口美奈さん、アナウンサーの声も顔も美しくて面白い増山さやかさん、放送作家のHさん、スポンサー会社様、楽しく豊かな時間をいただきました。ラジオの仕事はとっても楽しく嬉しい時間でしたので残念ですが、貴重な機会を長期に渡りいただき、本当にありがとうございました。

そしてラジオの側でご愛聴いただきましたリスナーの皆様、ご相談をよせて下さった方々、応援してくれた友人やケアの仲間達、職場で時間になるとラジオをかけてくれた仲間たち、郷里の皆様、毎回感想を届けてくれた両親、ひとつでも何かを届けることができましたでしょうか?ご支援いただき心からありがとうございました。

これからもどこかで私は大切なケアのメッセージを伝え続けます。

介護は大変ですが、暮らしの一部なのです。困難だからこそ目には見えない宝物もあります。決して一人で抱えないでくださいね。一人で抱える状況を作らないように皆で少しずつ分担して支えましょうね。一緒に工夫しながらがんばりましょう。

皆様のそれぞれのケアノートを応援しています。

1242ニッポン放送「ラジオケアノート・介護なんでも相談」 隔月の最終週放送
(オンエア内容がわかります 3月放送内容は今後掲載されますので、ご覧ください)

2012年春のひとこま

カテゴリー: スタッフアルバム
「たねや」の桜餅

「たねや」の桜餅

春の香りを満喫

春の香りを満喫

季刊誌エッセイの発行によせて

カテゴリー: 活動報告

三井不動産のレッツ資産活用部が発行している季刊誌「Let’s Plaza」に、「午後4時のティーブレイク」というエッセイの連載コーナーをいただいています。
その1月号が発行されました。今回のテーマは~「人と人」支えあう意味を考えましょう~
以前から感じている“介護の誤解”を皆さんに伝えたくて書き下ろした内容です。

文中から

(前略)
日本でも様々な介護の形が生まれていますが、支え方の理念は置き去りにされているように感じられます。過剰に手をかけることが「やさしさ」と誤解され、介護の真の目標である「自立を促すこと」を意識していない介護者を多くみかけます。

文末には最も伝えたいことを書きました。

私達は大切な人を介護しながら、実はいつかは必ず訪れる自分の老いの生き方を学んでいます。

1枚のエッセイを書くために、日々自分に問いかけ続けています。

心は何をみているの?
心は何を思っているの?
心は何を伝えたいの?

そして、今おこっている現実をまっすぐに見ます。
読み手の気持ちもや影響も考えます。
それができないと私に文章はかけません。

ものを書くことでこころが整理されるとよく耳にしますけど、ものを書くお仕事があることで、心のアンテナをピンとはるというのは確かにありますね。
そうでないと、日々感じた驚きや喜びや切なさは心にしまいながらぼんやりと過ぎてゆきます。

命は考えるものではなく“感じる”ものです。

皆様にも何かを感じていただけたら嬉しいです。

季刊誌「Let's Plaza」

2012年 年賀状

カテゴリー: 日常

年賀状

新年のご挨拶を申し上げます。
皆様にとって善い一年となりますように、心よりお祈りいたしております。

昨年,私はフリー元年を心と汗で走りぬけた一年でした。
継続し深められたこと、新しい学びや発見をしたこと、次々と貴重な体験の連続でした。
皆様のおかげと心より感謝いたしております。おつきあいいただいた皆様、出遭うことのできた皆様、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。

皆さんは今年一年、どんな年にしたいですか?
癒す力、希望の力。皆が協力し合い少しずつ明るい一年になってほしいですね。

私は今年もチャレンジが続きそうです。雨の日も、風の日も、晴れの日も、勇気と朗らかな気持ちを胸に持って、人生の冒険を続けたいと思います。

山椒は小粒でぴりりと辛い(合気道部時代の小さい私の自己紹介の言葉)大変さも楽しみながらがんばります!

2012年 辰年 川上由里子

2012年の太陽

2012年の太陽

2012年の太陽

駿河湾にきらきら輝く2012年の太陽 静岡市郷里・蒲原の浜にて撮影

冬の休日

カテゴリー: 日常

晩秋から初冬へ、12月になりました。皆さんいかがお過ごしですか?

冬の良く晴れた日は気持ちが良いですね。朝目覚めると川面に映る太陽が反射し、私の部屋の天井にきらきらと揺れ動き映し出されます。お布団の中からきらきらの様子をしばらく楽しんで眺めてから、簡単なヨガで身体をあたためて「よし!」私の一日が始まります。窓を開け凛とした冷たい空気を感じると、ちょっと気もひきしまるような感じです。

週末の日曜日は良い天気でした。

青山国連大学前の週末マルシェでは、野菜やお花や自家製パン、籠などが販売されています。農家さんとお話しながら気に入ったものを選ぶことができます。私は安曇野のクレソンと薄紫色のビオラを購入しました。ビオラはとてもやさしい色が一目で気に入りました。(しかも200円!)千葉で育ったというビオラは、今私の目の前に座っています。今朝摘んできたというみずみずしいクレソンは、手でちぎってミニトマトと一緒にオリーブオイル、バルサミコ酢、黒ゴマをかけて、翌朝いただきました。

緑の野菜を変えながら私の定番朝食です。

12月のお花

12月もいつものように心にとまったお花を飾って過ごします

冬に誕生した私の誕生花はクリスマスローズ。花言葉は追憶、12月頃から店頭の花屋さんに並びます。花を眺めていると、嬉しくなったり穏やかな気持ちになったり癒されたりします。おしろい花で首飾りを作ったり、つつじの蜜をすったり、色も形も異なる野の花の名前を植物図鑑で調べ押し花手帳を作ったり、子供のころから変わらずに植物は私にとって身近な存在、今も昔も元気をもらっています。

両親の暮らす静岡は、一歩外に出れば野花がさりげなく咲いている地域です。郷里の自宅内の台所、トイレ、居間にと、可憐な野の花が存在を主張せずに飾られています。これは、母から私へと自然に繋がれた親子共通の楽しみです。 

皆さんはどんなことをすると、自分の心がおちつきますか?どんなことが好きですか?

クリスマスローズ

こんにちは。れもんです。

秋風からすっかり冬将軍が到来して寒い季節となしましたが、皆さまはお元気にお過ごしですか。

10月29日(土)、(株)ベネッセスタイルケア主催のセミナー「東京介護相談会」セミナーの講師を務めた川上由里子さん。会場は池袋のメトロポリタンホテル。お手伝いにいってきたので、当日の様子を簡単にご紹介します。

ベネッセの介護相談セミナー

ワインレッドのスーツが秋らしくてとってもお似合いです。

ベネッセさんのセミナーも今回で3回目。川上さんのセミナーが好評ということで、今回は単独講演でした。
『~お金のこと・住まいのこと~もしも家族に介護が必要になったら』をテーマに突然介護が始まった70代のご夫婦をケーススタディに、在宅介護にかかる準備や必要な情報、在宅か施設かの選択など実際にご相談いただいた事例を使って説明。
参加者はご高齢の方も多く、熱心に川上さんの話に耳を傾けていらっしゃいました。

ベネッセの介護相談セミナー

皆さん熱心に話を聞いています。

セミナーの最後に川上さんが自身の著書「介護生活これで安心のはじめに」の部分を朗読。
ほんの一部ですが、ご紹介します。 

『物心ついた頃から、だれに勧められるでもなく、ごく自然と看護師になることは決めていました。~中略~ 医療だけに限定せずに、人の喜びや苦しみを理解したうえで、自分なりの関わり方を考えたい、目の前で次々と起こるケアを取り巻く世界の苦しみに取り組んでみたい、そんな気持ちが生まれていました』

ベネッセの介護相談セミナー

朗読する川上さん 音楽も流れて素敵な雰囲気です。

セミナー終了後、川上さんの著書「介護生活これで安心」(小学館)を販売。
もちろん、川上さん直筆のサイン・イラスト入りです。参加された方がぞくぞく購入くださり、2冊買っていかれた方も。用意していたサイン入り本があっと言う間に終わってしまい、川上さんがその場でサインして、お渡し。一緒にお手伝いしたワサビさんと2人で大忙しでした。
年配の男性は川上さんと握手して大喜び「今日は来て良かった!!」とおっしゃっていました。
ご参加、ご購入くださった皆さま、有り難うございました。

セミナーの内容でもある在宅と施設での介護の違いについて取材を受け、ベネッセStyle 2011年秋号に掲載されました。ぜひ読んでみてくださいね。

■ベネッセStyle
特集:「介護のある暮らし」を考える
~専門家が語る、在宅と施設での「介護」の違い~
(pdf:1MB)

10/29(土)池袋のホテル メトロポリタンで行われるベネッセの「介護相談会」でセミナー講師をさせていただくことになりました。
http://kaigo.benesse-style-care.co.jp/lp/tokyokaigo/#soudankai1029ikebukuro

参加費は無料ですので、お近くの方はぜひお聞きにいらしてくださいね。

日時:2011年10月29日(土) 10:00~11:30
場所:ホテル メトロポリタン 2階 曙
    (JR・私鉄・地下鉄各線「池袋駅」西口より徒歩3分)
テーマ:「もしも介護が必要になったら」~お金のこと・住まいのこと~
定員:50組(予約制)

ご予約はこちらまでお願いします。
→ ベネッセスタイルケア:0120-17-1165(9~18時)

2011年秋休み

カテゴリー: 日常

2011年秋休み

走り抜けた夏でした。ちょっとひと休み 私の秋休みです。
洞爺湖からニセコの山荘に向かう山道の脇に、静かな森がありました。
自然の音、自然の色、自然の成長、かさかさと落ち葉を踏む感触がとても好きです。

山の紅葉
ニセコの山荘

ニセコから余市へ。
山の木々の美しい色づきに思わず車から降り足を止めました。
秋の色です。自然の美しさ、大きさの前に立つ時、人間の小ささと大きさを私感じます。

海海の鳥

余市の果樹園畑を通り抜けて、北へ。 みえてきました、秋の海です。
背中に砂浜のあたたかさを感じながら、透明な空を見上げます。
波のやさしい音と海鳥の鳴く声しか聴こえません。
空はいいね~海はいいね~雲はいいね~ そっちからこっちの世界が見えますか~

落ち葉

森の中から連れてきた落ち葉、とてもよい香りがします。落ち葉好きは子供のころから変わっていません。
一枚一枚ちがう葉の色、形・・・。私たちの住む地球がくれた優しさのひとかけら。
友人の子供、小学生のまこちゃんにもプレゼントです♪

毎日の仕事ではパソコンや書物にむかうことが多く、知らず知らず大切にしている五感を使わなくなっています。人のケアに係る仕事をしている自分自身に大切にしたいものは、今も昔も感受性。
遠くを想う時、近くを想うことができます。

人には旅が必要です。遠くにいけなかったとしても、心の旅ならいつでもできます。
そうして私達は、雨の日も風の日も思い通りにはいかない人生を工夫しながら旅しています。

今、どこを旅していますか?
大人の休日は短いけれど、良い空気をいっぱい吸み、秋の美しさを存分に感じました。
明日からまた希望を持って仕事をしたいと思います。秋休みさんありがとうございました。

広見会の秋祭りにお気に入りの蜻蛉の浴衣で

カテゴリー: 日常

浴衣

9月、先日講師のご依頼をいただきました
医療法人、広見会の秋祭りにお招きいただきました。
私は税理士の小堀さんと一緒に参加。
子供から高齢者まで、地域住民が参加し大変賑わいのある秋祭りでした。

要介護度の高い高齢者も、ハイバックの車いすにのり、ご家族に囲まれ過ごしています。
秋の陽射しの中に皆さんの笑顔が溢れていました。
外出ってよいですね。

来賓の中には富士市長さんも
理事長と奥様のお人柄が地域の和を広げているのですね。
明るく地域に開かれた交流に感動しました。

患者さんや高齢者を支えるスタッフの皆さんの汗と笑顔は宝物ですね!!
お招きいただきありがとうございました。

2011年9月 晩夏

セミナー

8/26(金)外は豪雨 業務終了後に集まってくださった43名の皆様と

接遇のセミナーをお願いしたい。今から7年ほど前にそんなご依頼をいただいたことがありました。えっ、なんで私が?…ケアの仕事に就いている私は接遇のプロではないし、自分自身の接遇さえ整っていません。当然辞退して、差し替えに友人を紹介し逃げました。ごめんなさい、その時の情けない気持ちがずっと心の片隅に残っていました。

しばらく、このテーマからは遠のいていましたが、近年また“コンサルタントとして大切にしていること”や“高齢者とのコミュニケーション”などの講演のご依頼をいただく機会が増え、今回のご依頼は老人保健施設、クリニック、居宅介護支援事業者という現場で働くスタッフの皆さんに“コミュニケーションと接遇”がテーマでした。

手づくりセミナー資料

時間というのは凄いですね。私は、いつのまにか人と人との関わりという、最も大切にしているテーマを話す準備が整ったのかもしれません。今考えていることや伝えたい思いがあります。セミナー内容は十数年に及ぶ私の抱えてきた悩みや問題、うまくいかなかったことから発見してきたこと、超えてきた方法、大切にしたいことなどがぎゅっと凝縮され、ノウハウとともに私自身を表現することになりました。やりがいを感じる仕事です。

何故、介護や医療の現場に接遇が求められるのでしょうか。それは、専門知識や技術があっても、相手が信頼し心を開かなければ、効果は得られないからです。接遇はコミュニケーションスキルです。一般の接遇をケアの現場にすっぽりとあてはめることはできません。何故でしょう。それは相手が痛みや悲しみを抱えている人だからではないでしょうか。そして、良いコミュニケーションをとるためには知識ではなく、豊かな感性が必要です。心も体もリラックスし、自分自身をみつめる目が必要です。

人に何かを話す、伝える、表現することによって、自分の考えが整理され、またあらたな考えが湧き出てきます。不思議なものでセミナー中、私自身を旅しているかのような気持ちになりました。人と人との関わりから逃げない、過去から繰り返してきた私の七転び八起きが、誰かの元気につながっていきます。

日々、人と人とのかかわりに向き合っている人達のあたたかく真剣な眼差しは、逆に私を勇気づけてくれるかのようなパワーを持っていました。皆さんが日々の仕事で抱えている戸惑いや悩みが伝わってくるようでした。ご依頼主とお聴きいただいた皆様に心から感謝します。

この街の、この国のケアする人たちを元気にしたい、一人ひとりの心を結んでゆきたい。
皆様と一緒に考え続けたい大切なテーマです。

起き上がり子法師

帰宅後、東京のマンションに戻り転んでも必ず起きる “起き上がり子法師”をじっと眺めました。良い一日をありがとうございました。

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