春の気配を感じる2月22日(土)、秋葉原コンベンションホールにて公益社団法人 日本アイソトープ協会様主催の公開講座「認知症かな?と思ったら」~早期発見が重要です~が開催されました。
当日は定員150名を大幅に超え、200名ほどのご参加者が足をお運びくださいました。
これには主催者側も驚きだったようです。認知症への関心の高さがうかがえます。
1部は日本医科大学武蔵小杉病院神経内科 認知症センター教授、北村伸先生による「知って役立つ認知症の話」。認知症のなかでも最も多い原因疾患となっているアルツハイマー病を中心に症状や原因、治療対応など大変わかりやすいお話をいただきました。
また、印象に残ったのは川崎市の「街ぐるみ認知症相談センター」の活動です。認知症の早期発見、市民、行政、介護職、医療職との連携促進がはかられていることをご紹介くださいました。
居住地域にかかわらず無料で利用できます。場所は日本医科大学武蔵小杉キャンパス南館1階。
病院ではないので「最近物忘れが増えてきて心配だわ」という時に、気軽に相談することができます。
これまで来場された方の中で半数以上の方になんらかの疾患が発見され、早期の対応、予防ができているようです。このような拠点がこれから日本には増える予定ですから、心配から逃げずに前向きに対応するためにも味方にしたい存在ですね。
2部は東海大学医学部専門診療学系画像診断の准教授、橋本順先生から早期発見のために大切な診断方法をご説明いただきました。MRIや核医学検査SPECT、PETなど、実際にどのように画像をみて診断するのか詳細を知ることができました。
先生は普段専門職や医師や看護師を目指す学生などに向けてご講義をされていらっしゃるそうで、専門性が高い内容を美しい画像でわかりやすくご説明いただき、私は「へ〜 ほ〜 そうなんだ〜」の連続。(学生時代からは格段に進歩されている分野だと思います)大変参考になりました。
適切な診断を受け、認知症であってもなくても早期に対応することは大切ですね。
また先生は私の看護教育の原点である東海大学医学部付属病院(伊勢原)にいらっしゃいますので、新人ナース時代が大変懐かしく思い出され、巨大マンモス病院の今のお話を楽しくうかがわせていただきました。
さて、3部の出番です。
大先生方に続きましてケア職を代表し「実例より学ぶ 家族が認知症になったら 私たちができる介護」を川上よりお伝えさせていただきました。
認知症という疾患のみにとらわれずに認知症の人を理解してください。
理解、判断能力は落ちても心は残っています。
そして本人も、家族も心理的ステップをたどります。
戸惑い混乱し、怒りを抱えることも受容までの大切なステップです。
どうぞそんな自分を責めないで、一人だけで抱え込まず誰かに相談し
サービスを活用し共に寄り添っていきましょう。
わたしたちにはどんな時もできることがあります。
このようなメッセージをこめて、現在行われているケアの方法や家族の接し方をご紹介させていただきました。
終了後、様々なメッセージをいただきました。
・ とてもわかりやすい講座だった 三部構成が素晴らしい。
・ これまで知らなかったこと、曖昧だったことが理解できた。
・ アイソトープ協会や核医学検査が暮しの近くにあることを知った。
・ 資料がありまとめられていて家族にも説明ができ嬉しい。
・ 私は今「家族のたどる心理的ステップ」のステップ2で葛藤していますが、
今日の講演を聴いてとても安心しました。(会場で終了後に)
・ 今日は気持ちが温かくなったよ。
(同級生 現看護学校教員 お父さまとご来場、現在お母さまの介護中)
・ 介護の仕事についたばかりです。勉強になりました。自分も介護がんばりたいです。
私は認知症の方のケアを専門に行う業務に従事しているのではありませんが、この認知症の講演は、何十年にも及ぶケア(臨床での看護や介護と相談)という専門職としての経験と、家族が認知症に…でもできることを探していこう、という自分自身の家族としての体験から皆様に知っていただきたいことを考え、ひとつひとつ作っています。
講演の最後にお伝えしたいこととしてこの言葉を選びました。
どんな状況であっても、笑顔を届けましょう。笑顔はわたしたちの宝もので相手に届きます。
不十分な点も多々ございましたが、ご来場いただきました皆様の暮らしに、一つでもお役にたてることがありましたら幸いです。
足をお運びいただきました皆様、本当にありがとうございました。
貴重な機会をいただきました日本アイソトープ協会の皆様、ありがとうございました。