今年の夏はとても暑い夏でした。
8月、盛夏、清水区三保松原にほど近い私の母校、東海大学付属翔洋高等学校(旧、東海大学付属第一高等学校)の吹奏楽部OB,OGによる東日本大震災復興支援チャリティーコンサート(静岡新聞社、静岡放送後援)が郷里の清水文化センターで行われました。(→新聞記事pdf(252KB))
演奏会途中に私の話をする機会をいただき、自分の思いを朗読という形でお伝えしました。
きっかけは、この演奏会を主催した吹奏楽部OB会長、事務局長をしている兄からのメールでした。
遡ること今年6月、ボランティア登録していた仙台のNPO「全国コミュニティライフサポートセンター」 からようやく依頼の連絡がきた時のことです。慌ただしい毎日で走り回っていましたが、原稿の締め切り延期をお願いし、大きなリュックを背負い新幹線に乗り、仙台駅に向かう新幹線の中から静岡の兄と弟にメールを送りました。
…今から仙台経由で石巻市の避難所にボランティアに行ってきます 由里子…
その翌日、兄からのメールが来ました。
…8月に予定している演奏会で由里子の被災地での体験を話してほしい、宜しく。
僕も8月に現地に向かいます…
…了解…
教諭をしている兄とは阪神淡路大震災の際にも現地の外科病院で遭遇したのを覚えています。
ボランティアはほんの短い日数の体験でしたが、被災地では復興にむけた長い道のりが始まっていました。
できることなんて、本当に小さなことでしかない自分の歯がゆさを感じながらも、福祉避難所で暮らす人々のケアや生活サポートに参加させていただきました。
小さな私ができることはなんだろう・・・。
実際に視て、聴いて、感じてきたことを文字にし、言葉にしました。
朗読した心からのメッセージ「心の灯り」の一部をご紹介します。
この日はフルートの演奏でも65名の仲間に交じって参加、学生時代に何よりも情熱を傾けた音楽。思春期に悩み苦しむ私を救ってくれた音楽でもあります。演奏中にステージの上では涙がでました。
昔、何度もコンクールでステージに上がったこの清水文化センターは来年とり壊される予定です。
3部が終わっても観客の誰もが帰ろうとしませんでした。
この日、最も目標としていたことがあります。
弟家族が86歳の父の車いすをおして、父は久しぶりの外出。父も兄の活躍ぶりを客席からじっと見守っていました。いつもは介護者である母も観客席から応援、嬉しそうな笑顔でした。
忙しく長期の夏休みはなかったけれど、私の過去と今と、東北と清水と、兄と私と
それから色々な人と人の心と心がつながったような貴重な一日でした。
企画、準備、当日の演奏、皆さんお疲れさまでした。
まさか、音楽ではなく、こんな形でステージに上がるなんて、想像もしていませんでした。
ケアの心を伝える方法にはさまざまな方法があるのですね。
これからも私のできる形で、心のケアを続けていきたいと思っています。
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プロの友情出演者
●同級生のコンサートマスター クラリネット奏者 水元みゆきさん 歌も上手です!
●海外でも活躍している オカリナ奏者 大沢聡さん
http://www.fruits.jp/~osawaongakukoubou/
この音、メロディ、本当に癒されます
●新日本フィルハーモニー交響楽団 トランペット奏者 市川和彦さん
http://www.justmystage.com/home/aperto/index.html
はるか昔、一緒に東京普門館での全国大会に出場しました。
●落語家 春風亭昇太さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A5%E9%A2%A8%E4%BA%AD%E6%98%87%E5%A4%AA
昇太さんはソフトボール部だったそうですが、トロンボーンが吹け、この日は一緒のステージにて演奏。
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この日寄せられた支援金は、後輩の吹奏楽部学生達が気仙沼、福島を慰問演奏に訪れ、無事寄託されたそうです。観客の皆様も有難うございました。心のあたたさを感じた一日でした。
夜はホルンで出演していた同級生たかし君が経営するイタリア料理店のロメオで大宴会となりました。良いワインでした。