6月27日土曜日、小平市中央公民館主催の介護講演会「〜人と人の心を結ぶ〜介護のある暮らしをデザインする」にてお話させていただくために、早朝から水と緑の町小平市に出掛けました。
この日はあいにくのお天気でしたが、電車から小さな駅に降り立つと、雨と緑のいい香り。
この街の自然の多さを感じました。
今回お声掛けいただいた小平市中央公民館の事業ご担当Nさんは、このブログ「結人」が目に止まり、“人と人の心を結ぶ”に賛同してご依頼をくださったとのこと。
共感できる新しい誰かとつながる嬉しい瞬間です。
今回の講演内容は、私のこれまでのケアの経験の中で皆さんにお伝えしたいノウハウや思いをまとめて、新しく制作した私の心のメッセージ集です。
そのメッセージの中心は自分自身の“強み”を活かしながらいつまでもイキイキと笑顔で暮らし、地域の人、隣の人と助けあい支えあい、共に元気に生きる社会を作りませんか、ということ。
人は生まれて、生きて、齢を重ね、変化します。
現代を生きる私たちはずいぶんと長い時間を生きることが必要となりました。
長く生きることよりも、生活の質(QOL)を高めながら、笑顔のある明るい生活を心がけたいものです。
人生の後半のステージは、共助や自助が活きる時代です。
少し小さくなって弱くなった自分や近くの人にも、関心と理解を持ってほしい。
私たち一人ひとりが、人間の尊厳を大切にしながら命を感じ、命と向き合い、どうか終わりこそ人らしく。
これまで見たきた現状と、私の願いをお伝えさせていただきました。
メッセージ4「命を感じる 命と向き合う、終わりこそ自分らしく」でご紹介させていただいた、詩人、村野四郎さん(明治34年東京北多摩生誕)の「鹿」(昭和34年)は、村野四郎さんのお父様が病床に伏せた際に、ベットサイドで生まれた作品です。
私は父の死期が迫った頃に自分の心を探求する中でこの作品に出逢いました。
死を間近に感じながらもしっかりと大地に立つ鹿。
死をありのままに受容する勇気と冷静さをとらえた、作者の美意識。
私もその時に、この鹿のように立っていられるのでしょうか・・。
その瞬間まで生きる時間が黄金のように光る為に、何が必要なのかを私は考え続けています。
今回の講演会は少人数でアットホームな会になりましたが、わたしの好きな詩の紹介や音楽、エッセイの朗読など、ご来場いただいた皆様が楽しめるよう工夫してみました。
時折会場から届く笑い声に、私も和みました。
雨で足場の悪い中いらしてご清聴いただいた皆様、ありがとうございました。
講演をご依頼くださった小平市中央公民館のN様、皆様、始終心温かいご対応をいただきましたこと、心より感謝御礼申し上げます。
講演でお話することが決して得意な私ではありませんが、医療、介護、人生の終わり方など、伝えなければならないことをこれからもコツコツと伝えていきます。
大きかった人間が小さくなった時や弱くなった時こそ、人間らしさが輝く時です。
その乗り越え方や向き合い方をあきらめないで対峙してほしいと願っています。
皆様どうぞ宜しくお願いたします。