ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

遠距離介護5年目の春

カテゴリー: 思うこと

50年以上に渡り患者さんの健康を守ってきた父が、
支えられる側になってから5回目の春を迎えました。
私の東京と静岡を繋ぐ遠距離介護も早5年。

先月、父の全身状態が低下し入院しました。
人のターミナル期にはどうしても医療が必要となりますが
父が地域でしてきたように在宅で診れる医師がおらず…とても残念です。

今回の入院ではもう自宅に帰れないものと家族の誰もが覚悟しました。
最近笑うことが少なくなってしまった父。
今回の入院もさぞ不安が強かったことと思います。

「みんなによくしてもらってありがたい。」
その晩、病院のベットで生まれて初めて父の涙を見ました。

幸い数日後、父は無事退院することができ、自宅でお花見を迎えました。
裏の八幡神社から桜の枝を一枝いただいて
紫のムスカリ、黄色のフリージャ、紅いラナンキュラスなども
テーブルの上に並べ、明るい春のリビングでの小さなお花見でした。

介護のある暮らしは特別なものではなく、これまでの暮らしの延長です。
大変さを数えたらきりがないけれど、

例えば…

自分の足で一歩一歩と歩くこと
美味しいね、と食べること
庭に訪れる鳥の囀りを聴くこと
一緒に季節の花を楽しむこと

元気な時にはさらりと流れていたひとつひとつの瞬間に心がとまり、
その時間に感謝するのが介護のある暮らしでもあります。

東京に戻り空を見上げると桜の向こうにうっすらとお月様。
その夜は父の隣に毎日寄り添っている母の明るい笑顔が浮かびました。
人を支える強さ・・・凄いことですね。
だからこそケアする母を支えようという気持ちになります。

夜桜

全国を巡る講演で私が必ず伝える心のメッセージがあります。
人を支える介護は大変なことの連続ですが、今は工夫ができる時代となりました。

そして、介護した人だからこそ得られるものがあります。
目に見えないけれどお金では買えないとっても大切なものです。

私達は親の介護を通して、いつか来る自分の老いを学んでいます。
私達は誰かを支えることを通して、自分が支えられることを学んでいます。

介護中の皆さん、誰かを支えている皆さん、お疲れさまです。
自分の健康と笑顔を大切にしましょうね。

遠くにいても近くにいても 
思うことで人は繋がっています。

来年度も結人yuitoケアを大切に、人から人へ繋げてゆきます。

父と

2年前の2011年2月、最後の医師会の会合に出席

長年過ごした医師会で父は最後のご挨拶、
感謝と応援の気持ちを伝えていました。
スーツにネクタイは父の定番スタイル。
私は仕事を休み、最初で最後の医師会アテンドでした。
父の人生の大切な1ページ、川上先生 86才 要介護1 思い出の写真です

gooヘルスケア

ワサビです。
先日【gooヘルスケア:高齢期の住環境を整えるリフォーム】が配信されました。
ぜひご覧ください。(バックナンバーはこちらから)

高齢期の住環境を整えるリフォーム
~リフォームを考えるうえでの大切なポイントを紹介~

住み慣れたわが家で最後まで自分らしく暮らすためには、心身の変化に応じた住環境整備が必要です。

高齢期には体に合わせて住環境を整えるという視点が必要

 住まいは暮らしの拠点です。高齢になったからこそ住み慣れた地域に、愛着のある自宅に、長く安心して住み続けたいと願う人は多いでしょう。ところが、加齢により身体機能が低下したり介護が必要となると、住み慣れた住まいにも不便や危険が生じることをご存知でしょうか。

 高齢者の死亡原因では、家庭内事故が交通事故よりも多くなっています。「退院といわれても自宅では生活できない」「お風呂やトイレで転倒しかけた」などの声をよく耳にしますが、危険な箇所をそのままにしておいては、自宅で転倒・転落したり、入浴中に溺れるなどの事故につながる可能性があります。

 長年暮らしていると、住宅に大きな手を加えるという発想は起こりにくいものですが、高齢期には体に合わせて住環境を整えるという視点が必要になります。今回は高齢期の暮らしの拠点である住まいの住環境を整えるリフォームのポイントについてご紹介しましょう。

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今年初の講演

カテゴリー: 活動報告

1月末神奈川県庁くらし交通安全課様主催、「交通安全教育指導専門講座」にでかけてきました。
昨年10月にご担当者様からご依頼いただいたテーマは「高齢者の行動特性と効果的なコミュニケーション方法」。
神奈川県内から交通安全担当の職員、指導員の皆様が集まりました。

横浜市開港記念会館

会場は横浜市開港記念会館  私好み、古くてモダン。

神奈川県内では交通事故件発生件数は減少傾向にあるものの、高齢者の事故発生件数は依然高く、高齢者は何故事故に遭いやすいのか、どうしたらよいのか、という疑問から今回初めて、ケアの専門分野の講師による指導者への研修会を企画されたとのことです。

先日も京都で84歳の高齢者が踏み切りの中に侵入し線路上を右折、電車と正面衝突という悲しい事故がありました。その他にも高速道路を逆走、ブレーキとアクセルの踏み間違えなど、危険な事故も度々耳にします。
判断能力や運動能力の衰えた高齢者の外出や運転には危険が伴いがちです。
だからこそ、安全を意識していつまでも元気に外出を楽しみたいものですね。
高齢者への指導方法を見直す、指導者側の意識を見直す、という発想には感激しました。お役にたてる内容を私も懸命に考え当日の講演に臨みました。

オリジナルテキスト

今回もワサビさんに協力いただき丁寧にオリジナルテキストを作成。
皆さんにお配りいたしました。

加齢による身体能力や心と行動の変化・高齢者の行動特性・認知症に関する基礎知識・良性物忘れとの違い。
効果的なコミュニケーションの中で、私がお伝えしたかったことは

  • 様々な変化を体験している(感覚器や運動能力、コミュニケーション能力など)背景を理解して接していただきたいこと
  • 高齢者は誰も同じようなもの、「一つの集団」として考えないで、一人一人を見て指導いただきたいこと
  • 長年さまざまな体験をされてきている方々のプライドを尊重して接していただきたいこと
    わかりやすい指導や説明=子ども扱い ではない。
  • 認知症に関する知識を持ちつつ、冷静かつ思いやりを持った指導を。
氷川丸

会場を出ると横浜の街は夕暮れ
山下公園をお散歩し、中華街で美味しいお粥等を食べました。
昔からここにいる「氷川丸」も高齢化ですね。

体験したことのないことを語るのはとても難しいことですが、長年高齢者に接してきた経験からの成功や失敗体験も含め、お伝えさせていただきました。私にとっても大変勉強となりました。
ご依頼いただきましたご担当者の皆様、ご清聴いただきました皆様、ありがとうございました。
様々な分野で高齢者の理解が必要とされています。

今年のはじまりの伝えるお仕事、良い一日となりました。

福岡でのひとコマ

カテゴリー: スタッフアルバム

スタッフのワサビです。
川上さんは大忙しで日本中飛び回っていらっしゃるようで、今日は出張先の福岡から届いた写真をお見せしますね。

出張 in 福岡

「故郷と雪化粧した富士山、見下ろしました!」

出張 in 福岡

大濠公園

出張 in 福岡

大濠公園の鳥

出張 in 福岡

川上さんと大宰府の梅ヶ枝餅屋さん

出張 in 福岡
出張 in 福岡

「境内で咲き始めてます、梅の花」

恒例の初日の出 太陽に礼拝

カテゴリー: 日常

元旦の夜明け前
まだ暗闇の中、眠い目をこすりながら起床!車のエンジンをかけます。
自宅から車で10分、浜に駆けおりて海風の中手に息をかけこすりながら太陽を待ちます。

刻一刻と空がどんどん明るくなってゆきます。
6時54分 静寂の中、伊豆半島の山々から太陽が顔を出し始めました。

初日の出2013

オレンジ色の太陽、群青色の空と波、風が吹いています。
地球は廻っていて、私達は今この瞬間、喜びと悲しみを持ちながら大地に生きています。
どんな時も太陽は等しく、誰にも光を降り注いでくれます。

初日の出2013

皆さんにも感動をお届けします。
明るく、真心のある一年になりますように。

初日の出2013

 

 

新年のご挨拶 2013

カテゴリー: ご挨拶

年賀状2013

明けましておめでとうございます。
昨年中も大変お世話になりました。
皆様にとって幸多き一年となりますように、心よりお祈りいたしております。

今年の干支“巳”と、新年の気持ちを元気に描きました。

あたたかく強い太陽のように
 自由でさわやかな風のように
  慈しみ潤いのある雨のように

希望を胸に今年も動き続けたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。

川上 由里子

謹賀新年

 

お誕生日に思うこと

カテゴリー: 日常

12月、静かに誕生日を迎えました。
この日、最初にすることは遠方にいる両親に電話をかけ感謝の気持ちを伝えることです。
それから、空に向かっても感謝を伝えます。

私の希望は “アンチエイジング”ではなく、“するめエイジング”
噛めば噛むほど味が出る、するめのようなちょっと面白い味のある大人になることです。
しわやしみを気にするよりは、心の襞ができているかどうかを気にかけたいと思います。
整ったきれいな手は美しいけれど、それよりもしわくちゃになった年輪のあるあたたかい手に包まれるのが好きです。

残念ながら体力、瞬発力、記憶力など衰えるものは多く、自分の得手不得手もより明確になってきます。しょんぼりすることも勿論あります。
それでもやりたいことはまだまだ沢山。困難は私たちに工夫する機会を与えてくれます。
人生は大変なことだらけですから、大変なことになんか負けていられません。

歳の重ね方には個人差があります。その人らしい大人を見つけると嬉しくなります。
私の周囲にはそんな先輩が居てくれて、いつも刺激をいただきます。
多くの高齢者に接していて思うことは、より硬くならず、より柔らかに年齢を重ねたいとうことです。

この日は日本橋の路地にある小さなお店で
ワサビさんとレモンさんが熱々のチーズフォンデュランチをご馳走してくれました。^^

チーズフォンデュ

あたたかな心をいただきました皆様、ありがとうございました。
人の役に立てる自分作り、さらに元気に面白く続けてまいります!

花火ケーキ

クリスマスの朝

カテゴリー: 日常

merry Christmas

寒い朝となりました。いかがおすごしでしょうか。

大学病院に勤める臨床看護師だった頃、毎年クリスマスイブの夜は大忙しでした。
患者さん一人ひとりにメッセージを添えた手作りのクリスマスカードをナース全員で作成。

深夜患者さんの枕元に忍び足でそっと置き、翌朝の反応を楽しみに過ごしました。
視力障がい者の多い病棟でしたから、カードに音のなる鈴をつけたり、色をあざやかにしたりと、患者さんの状態にあわせ工夫。

朝カードをみて笑顔の方、涙を流してくださる方、
なかなか発見してくれない方など様々でした。

自宅に帰れない方、
命が消えかかっている方、痛みを抱えている方、
家族のいない方、
共に過ごすクリスマス、
私はこの日のちょっと大変な勤務が好きでした。

今朝はそんなことを思い出しながら職場に向かっています。

Merry Christmas

世界中の誰にも
幸せが訪れますように。

晩秋の茜色

カテゴリー: 日常

落ち葉

今日は良く晴れた秋の休日でした。マフラーを首に巻き、ショートブーツを履いて自宅マンション近く勝どきから月島、佃川沿いをお散歩しました。街には私の大好きな落ち葉だらけです。川面はきらきらと揺れながら輝いています。

9月、10月、11月とハードワークが続き乗り越えられるのか不安でしたが、周囲の皆様のおかげでひとつひとつ丁寧にご対応させていただくことができました。出張先での嬉しい出逢いも数々ありました。人に逢えるのは幸せなことですね。

茜色に染まった葉を1枚、また1枚と拾う度に あの人にありがとう、 この人にありがとう 、あの言葉にありがとう、 あの時間にありがとう、あの場所にありがとう ・・・拾い集めた葉はこんなにたくさんになりました。

拾った落ち葉

 

帰り道はもう夕暮れです。歩いていたら勝どき橋が点灯、夜の始まりです。右手にはかつてナースとして奮闘していた職場「聖路加レジデンス」遠く前方には東京タワー、振り向くとスカイツリー。大きな空にむかって話しかけます。

「お~い 明日も明後日も良い日になってね~」

勝どき橋

職員向け介護講演とワークショップ

カテゴリー: 活動報告

10月から日本橋、名古屋、大阪、大宮と企業向けの介護講演のご依頼にご対応させていただきました。ありがとうございました。

私の介護講演の後のワークショップでは主役は皆さんに移ります。
職員自身が“ワークライフバランス”介護と仕事の両立を自分のことに置き換えて考える時間です。

「バランスなんて想像できないです。」
「最初から職場の皆さんには報告し理解を求めました。そうするしかなかったです。」
「こんな制度があったなんて知りませんでした。」
「介護休業はどの時期にとったらよいのでしょうか?」
「これも介護ならばなるほど自分でもできることがありそうです。」

様々な意見が飛び交います。
各企業も組織で働き続けられる職場環境を模索しながら前向きに取り組まれています。

歓迎いただいた皆様に心より感謝御礼申し上げます。

ワークショップ

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