ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

東急介護セミナーを終えて

カテゴリー: 活動報告

10月19日に行われた横浜市緑区制50周年記念の東急介護セミナー/クレールレジデンス横浜十日市場の様子をレポートしてくださいました。

参考:結人「お知らせ 10/13「家族が認知症になったら」セミナー

クレールレジデンス横浜十日市場便り
タウンニュース(青葉区版)

悪天候で延期になったにもかかわらず、お越しくださった皆様ありがとうございました。
懐かしい方にお逢いすることができたり、新しい出逢いがあったり、ナース友人や職場の仲間がかけつけてくれたりと嬉しい一日でした。
どの方にもサービス付き高齢者向け住宅での安心できる暮らしの風景は印象に残ったようです。

クレールレジデンス横浜十日市場の皆様、大変お世話になりありがとうございました。
カフェという開かれた場所、お客様との距離が近い場所で音楽をかけてのセミナーは、私自身もとても楽しかったです。
新しい住まい方、自分らしい暮らしを応援しています。

9月はいつも社員コンサルティングでお世話になっている企業の企画するFPとの対談式セミナーに登壇という機会をいただきました。

2000年から始まった介護保険制度により、それまでの措置制度からサービスを選び契約する社会へと大きく変化しましたが、保険財政はすでに逼迫。
制度は効率化重点化へと進んでいます。多くの人が将来に不安を抱えています。

近年は公的な介護保険ではなく、民間の介護保険や認知症に備える保険が続々と開発されていますが、今回私が時間をかけ関わらせていただいたのは、介護を受ける人の保険ではなく、「介護しながら働く人の仕事と介護の両立を支援するための保険」の開発。
介護離職を予防し仕事も介護も大切にしながら働き続けることが目的です。

「もう辞めるしかない」「私が介護に専念すれば」そんな思いで離職を選ぶ人がいますが、経済的にも精神的にも、収入がなくなり情報弱者となる介護離職は、人生の大きなリスクとなってしまいます。
今回FPのF講師、そして保険開発に携わる企業プロジェクトメンバーの皆様とご一緒させていただくことで、介護を福祉や医療の視点のみならず幅広く捉えることができ、改めて勉強になりました。

介護を人生のリスクの時間としないために、様々な工夫ができる時代となってきました。
もしも私がまだ20歳ほど若ければ、この福利厚生の保障を必ず選んでいたと思います。
お金とニーズにあった情報があれば、支え方、暮らし方をもっと工夫することができることを知っているからです。

私は介護の実態とともに、介護で得られる大切なものがあることも人々に伝えていきたいと思い日々研鑽しています。
介護が必要になってもあきらめずに人生の後半を豊かに過ごしてほしい、お金持ちだけが豊かな社会であってほしくない、これが私の大きな願いです。

初のFP対談方式のセミナーは、準備含めドキドキしましたが、プロジェクトメンバーの志、お力は大きくあたたかく、最終的にはとても楽しかったです。  
ベテランF先輩講師からはプレゼンのまとめ方、伝え方についても改めて学ばせていただきました。思いがけずラッキーな機会でした。

横に手をつなぎ開発に携わったケア職のプロからも、多くの学びをいただきました。
メンバーとしてお声がけいただきありがとうございました。
あきらめない!共に明るい社会を目指しましょう。

セミナー最終回はなんと企業の体育館でした。
体育館の壇上に上がれるってなかなかない経験。
立った瞬間「なんか懐かしい~~」。卒業証書をもらったのが最後でしょうか。
就業後にも関わらず多くの方にご参加ご質問いただき、関心の高さに驚きました。
ご清聴いただきありがとうございました。

ワサビです。
川上さんが2年以上かけてようやく完成させた本がいよいよ明日発売になります。
働く人にとってこれさえ読めば介護に関することはバッチリという内容になっていますのでぜひ手に取ってみてください。

「これで安心!働きながら介護する
― ケアも仕事も暮らしもバランスとって」

技術評論社
2019年8月30日発売
A5判/224ページ
定価(本体1,480円+税)
ISBN 978-4-297-10829-8

突然訪れる大切な人の介護。そのとき、あなたはどうしますか?
介護離職をする人は年間約10万人。
離職して介護に専念する人のなかには、介護が終わったあと、「うつ」になってしまう人や収入が途絶え経済的に立ち行かなくなる人もいます。
介護と仕事の両立では、想像以上に難しい事態に直面することが少なくありません。
本書は、大切なあの人を介護しながら、自分の暮らしや仕事も手放さず続けていくためのヒントとアイディアをまとめたものです。
介護保険や医療保険などサービスの利用法、介護される人の住まい選びと整え方、仕事を続けるための介護休業制度活用や働き方の調整、介護される人とのコミュニケーションと自分自身のケアまで、「わたしの仕事と介護の両立」にチャレンジする先輩達の実例を交え、お伝えします。

第1章 介護の現状と基礎知識
第2章 介護と住環境 高齢期の住まいを考えよう
第3章 働きながら介護するための工夫 仕事と介護の両立のためにできること
第4章 介護される人とのコミュニケーションと介護する人のケア 自分のことを考えてみよう

電子版もあります。
さらに細かい内容や購入先は技術評論社のページをご覧ください。

【川上さんのコメント】

約2年前の5月のこと。
突然、出版社から「現在企画検討中の新刊書籍について、執筆のご協力をいただけませんか?」とのご連絡をいただき、有楽町駅近くの喫茶店にて丁寧に書かれた企画書を拝見いたしました。
うかがってみると、東京都産業労働局様のサイト「介護と仕事の両立支援サイト」に掲載された川上コラム、川上由里子公式ブログ/結人をご覧いただいてのお声掛けとのこと。
ありがたいお話です!

出版社のKさんは、「川上さんが今、書きたいことはどんなことですか?」とも投げかけてくださいました。
お持ちいただいた企画内容とは少し異なっていたのですが、まとめたいこと、多くの人に伝えたいことが私にはありました。
セミナーや相談で限られた人のみではなく、もっと多くの人の役に立つことができるかもしれない。
でもでも、日々西へ東へと飛び回りオーバーワークな私。
今の私に出来るだろうか・・・。いや、やるべきでしょう。
前回の執筆で1冊の本を生むことの壮絶な自分との闘いは、しっかりと体が覚えています。
嬉しさと怖さ・・・その両方でした。

それから2年2ヶ月、春夏秋冬、雨の日も風の日も、オンの日もオフの日も、複数の業務の合間を縫ってコツコツと書き続けました。
今回はたった一人での孤独な作業になり何度も心が折れそうになりましたが、前向きな気持ちで臨み、読み手の皆様にわかりやすく、を心掛け続けた日々。

この度、ようやく1冊の本がまとまり発刊となりました。(涙)
完成した本を手にとった瞬間の喜びを、なんと表現したらよいのかわかりません。
親や家族を介護する多くの人を応援することができますようにと、願いを込めた世の中にただひとつの書籍です。
1999年から介護のご相談を受け続け、支える人、支える人を支援する人へのセミナーを繰り返し、これまでの経験で得た、ノウハウ、想い、メッセージをまとめました。

毎月1回の打ち合わせは様々な発見やアイデアが飛び交い楽しかったです。
「働きながら介護する」は私を導き、励まし続けて続けてくださった出版社のKさん、校正に協力してくれた福祉・医療専門職の友人たち、事例にご協力頂いた方々など、多くの方々の情熱で完成しました。皆様ありがとうございました。
介護、住まい、お金、働き方、コミュニケーション、そして忘れがちな自分自身のケア。
親や家族を働きながら介護する皆様の、ヒントや勇気に繋がりましたら幸いです。
ぜひ手にとってご覧くださいね。
そして、誰か近くに困っている人がいたら、この明るい希望の色の本をご紹介ください。

終わりに、に添えた生命の樹のイラスト(印刷は白黒です)。
全てを書き終えた日に描きました。

ワサビです。

ゆうゆう」(3月号/主婦の友社)の特集記事「心が軽くなる!介護の不安&悩み何でも相談室」にて川上さんの取材記事が掲載されました。
ワンオペ介護(ワンオペレーション介護:一人で全てを担う介護)のお悩みについてお答えしています。
全国の書店にて発売されていますのでぜひお読みください。

【川上よりコメント】
読者のお悩みにお答えさせていただきました。
皆さん介護に前向きだからこそのお悩みですが、ひとそれぞれの介護、決まった答えはなく難しいですね…。
それぞれの介護に、私も驚いたり感心したり共感したり、学ばせていただきました。
介護は一人で抱えないこと、そして距離感も大切です。
息詰まったら、その場を一旦離れる意識を持ち、客観的に、俯瞰的に見てみましょう。
助けてくれる人は必ずいます。知識や情報も支えになりますよね。
お困りごと解決の為に、わずかばかりでもお役にたてましたら幸いです。
読者の皆様、ゆうゆうご担当者様、ありがとうございました。

※参考
ゆうゆう10月号に取材記事が掲載されました。(2015年9月1日)

「傾聴の会・江東」を訪ねて

カテゴリー: 活動報告

梅の香がほのかに漂う如月、お寒い日が続いています。
お元気でしょうか?

先日、「傾聴の会・江東」にお招きいただき、江東区ボランティアセンターに行ってきました。
木場駅から早足で15分、2時間のセミナー講師です。
傾聴ボランティアとは、相手に寄り添い耳を傾け、ありのままの相手を尊重し、共感的にお話を聴くボランティア活動です。
リーフレットによると「出会いを楽しみ、心豊かな人生を送る」ことを目標としているそうです。

ご依頼主の団体は、江東区社会福祉協議会が主催した「傾聴ボランティア養成講座」の修了生有志によって2006年秋に設立されて現在会員数は84名。
10年以上に及び外出が困難な高齢者、介護者のご自宅や施設、グループホーム、有料老人ホーム等にて、お話をありのまま聴く活動を行っていらっしゃるとのこと。
活動のためには講師を探しながら定期的に研修を開催しているそうです。
窓口は研修係のご担当者でした。素晴らしいですね。

私にとってボランティア団体でのセミナーは初めて体験でしたが、結人のブログを御覧いただいての熱いご依頼であったこと、テーマが私自身最も最も大切にしている傾聴であること、自主的な住民ボランティア団体であるということで、楽しくご協力させていただきました。

「聴きたい、学びたい」という人が集まる場所の空気は良いですね。
何故かこの日は皆さんが明るく笑う場面が何度かありました。
私は熱弁をふるって?マイクを壊しました。
北原白秋、五十音順のボイストレーニングでは、50数名の皆さんの声が会場に響きました。

休憩中も皆さん大変お元気です。
団地の自治会長さんも声をかけに来てくださいました。
当日のアドリブで、講義の最後にはドイツ文学者のミヒャエル・エンデの「モモ」の中の一節をご紹介。

「モモのところに行ってごらん!」困ったことがある時、人々はこう言います。
モモは生きていく上で何が一番大切か、何を守るべきかをしっているのです。

セミナー終了後には、女性からご質問もいただきました。

「どうしても自分の殻に閉じこもってしまう人がいます。どうしたらよいでしょうか・・・。(中略)
今日のセミナーを聴いていて、もしかしたら聴き手の自分に問題があるのではないかと思いました。」

人を支援する人、人に関わる人は、ボランティアであっても様々な分野のプロであっても、知識や技術を発信することのみに前のめりになるのではなく、私の心は?体は?と自分自身を見つめる目と耳、心を持つことが大切だと思っています。
自分が響いていなければ相手にも響きませんし、自分が心を開いていなければ、相手も心は開きません。
それでも、人は相手のことだけで頭を抱え込みがちです。
セミナーでは私自身の体験や反省から、皆さんに最も伝えたいメッセージを込めましたが、その思いが届いたようで感動しました。

【傾聴の会・江東】お問い合わせ・お申込み先
江東ボランティアセンター(江東区社会福祉協議会)電話:03-3645-4087

あたたかい笑顔がとっても印象的だった「傾聴の会・江東」の皆様、ありがとうございました。
これからの会の活動を心より応援しています。

支える人を支える、ちいさなひとつでも大きな力に。
一期一会、感謝です。

その週末は恒例のカレー鍋の会、ここでも元気をもらいました。
寒さに耐えて美しく咲く梅の姿、いいですね。
まだまだお寒い日が続きますが、皆様もインフルエンザや風邪に気をつけて、お過ごしください。

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