ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

テレビ東京「NEWSアンサー」に出演しました。

カテゴリー: 動画, 活動報告

テレビ東京「NEWSアンサー」の暮らし特報コーナーにて、私自身の遠距離介護の一日が放送されました。テーマは「遠距離介護 安心!を得るカギとは」。

取材依頼のご連絡をいただいたのは5月の連休中でした。
え?私の介護!? 戸惑いの気持ちを持ちながら考えること数日。

「介護は辛いとか、重いとかだけの報道ではなく、視聴者にとって、こんな風に工夫できるというような希望が持てる番組になりますか?」と電話で尋ねた私に、「勿論、私もそんな番組にすることが希望です。是非、宜しくお願いします。」と答えた女性ディレクターさん。
その明るく前向きな声に取材を受けることを決めました。

ある調査によれば介護の期間の平均は4年9ヶ月だそうです。
核家族化が進む中、これまでの生活スタイルを介護により変えることは難しく、遠距離介護で悩む方は今後ますます増えることと思います。
離れて暮らす親を支える、私も当事者としてあれこれと模索しながらも丁寧に介護のある暮らしを整えてきました。そのノウハウを少しでもお伝えできればと思ったのです。

東京から静岡へ、早朝9時から夕方5時までの密着取材 マンションでの取材からスタートしました

東京から静岡へ、早朝9時から夕方5時までの密着取材
マンションでの取材からスタートしました

とは言え、家族の内情を公開する。今回の取材を受けることは大変勇気のいることでした。
その上、この取材で必要だったのは“ケアコンサルタントとしてのプロとしての言葉”ではなく、“娘としてのわたしの言葉”。

何か役に立てたのだろうか…?
放送後そんな思いでいると数々の反響が届いてきました。

「介護保険は使っていたけれど、ネットワークを組む意識は持っていなかったので参考になった。自分も行なってみます。」
「まもなく遠距離介護が始まりそうで不安を抱えていましたが、具体的にイメージができて少し勇気がでました。」
「介護もコーディネートが大切なのですね。緊急連絡先をまとめて書き出すことだけでもチーム体制がみえてくるのですね。」
「入院中に拝見しました。車椅子生活で痛みも強く不安な日々でしたが、人々に希望を与える姿や気持ちに深く深く感動しました。新時代のモデルケースですね。」
「お父さんの笑顔、家族の関係が印象に残りました。」
「今だけではない昔からのご家族の関係が現れているというのが感想です。」

先輩ケアマネジャーたちからは「偉いぞ川上!よくがんばった。まだまだ介護保険の申請すら知らない人がたくさんいる。大事だ。」
大変を覚悟で出演を決め、私の背中を押した母からは
「改めて自分が多くの人に支えられていることを感じたわ。」

母の記録しているケアダイアリーや緊急時連絡一覧 家族の情報共有やいざという時の連絡に役立ちます。

母の記録しているケアダイアリーや緊急時連絡一覧
家族の情報共有やいざという時の連絡に役立ちます。

放送をご覧いただきました皆様、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
皆様の心に、何か届けられるものがありましたら幸いです。

ディレクターのYさんとカメラマンKさんには大変お世話になりました。
お二人の真剣な仕事の様子からも大変刺激を受けました。ありがとうございました。
また青い海の由比へ遊びにきてくださいね。

故郷由比の海

故郷由比の海

放送を見逃した方はこちらからご覧になれます。
■テレビ東京 NEWアンサー/暮らし特報 「遠距離介護 安心!を得るカギとは」
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/life/post_41377/

企業で働く従業員とそのご家族への介護講演会

カテゴリー: 活動報告

5月末、東京駅からのぞみ号に乗りトヨタ町まで出かけてきました。
今回の講演のご依頼テーマは「~介護と仕事の両立のために~認知症と遠距離介護」。
私自身の抱えている大切なテーマでもあります。

セミナー資料

長寿化が進み認知症を患う高齢者が増えています。
認知症は、なんらかの原因で脳の神経細胞の働きが悪くなることにより、慢性の記銘力低下が起こり、“生活上の支障をきたす”状態です。年齢相応のもの忘れとは異なる「病気」です。
認知症は原因も症状も対応も一人ひとり異なります。

認知症の中でも最も多いのがアルツハイマー型認知症。
残念ながら現在の医学では完全な予防や治療法はありません。
発症の時期がはっきりせずに徐々に進行すること、おかしいと感じた家族の対応が遅れること、行動を正そうとすることで逆に進行させてしまっていること、周囲の偏見や誤解が多いことなどで、残念ながら様々な悲しい問題が起こっています。

アルツハイマー型認知症の次に多いのが脳血管型認知症で、脳梗塞や脳内出血などを原因とした認知症です。こちらは高血圧や高脂血症など、日常生活習慣を整えることで予防ができます。

セミナー資料


セミナーではどうしたら参加者の方々が前向きに理解しやすいかを考え、全体の流れ、伝える言葉、画像など、最後の最後まで工夫します。
知識を得るというよりは、自分のこととして感じていただきたいと思っているので、頭だけではなく心に伝わる表現をとても大切にしています。まず心が動かなければ体は動きません。

セミナー資料

また、世界中で効果を認められてきた大切なノウハウなど、セミナーの為には多くの引き出しが必要です。
私も実際のケアに携わると共に、これまで数々のセミナーや研修に参加してきました。
杉山孝博先生、静岡の増田未知子さん、インゲ・ダ-レンボルグさん、永田美智子さん、クリスティーン・ブライデンさん、みなさん心深くあたたかく、貴重な知識とともに多くの感動と勇気をいただいてきました。

セミナーでは私自身の体験もお伝えさせていただきました。
認知症を患っても心は生きています。こちらが癒されたり励まされたり学ぶこともたくさんあります。
周囲の接し方やケアで症状の進行を緩和し穏やかに過ごすことができる、ということを知っていただきたいと願いながらお話をさせていただきました。

講演後は多くのご参加者から切実なご質問を頂きました。
あらためて働く人にとっての介護の現状を知ることとなりました。
現在、制度やサービスを使ってさまざまな工夫ができる時代です。
運動、食事、記憶を刺激する学習など認知症の予防も研究が進んでいます。
元気なうちからさりげなく情報を得る仕組みが求められていることを感じました。

 

終了し外に出るとすっかり陽は落ちていましたが爽やかな風が吹いていました。
ういろうを買って新幹線に飛び乗り、今日一日に感謝しながら無事帰路につきました。

ご依頼頂きました日本生命保険相互会社、トヨタパーソナルサポートのご担当者様、駆け付けてくださったトヨタマーケティングジャパン(トヨタ福祉車両ラクティス広報)のご担当者様、長時間に渡りご清聴いただきました皆様、ありがとうございました。
心あたたかい皆様に私も励まされました。働く皆様、ご家族の皆様の暮らしにひとつでもお役にたてることがありますようにと願っています。

認知症になっても問題なく支え合っていける地域や職場、家族や友人で助け合える社会を目指して、今日できることをひとつでも行い続けます。

 

※参考 gooヘルスケア 認知症関連記事を3回連載で執筆しています。
是非のぞいてみてください【13~15回 https://yuito.jp/media#goo

※誰でも参加できる「認知症サポーター制度」はお勧めです。
http://www.caravanmate.com/whats.html

朝日新聞
ワサビです。

5/11(土)の朝日新聞のベネッセスタイルケア様の広告記事に約半ページにわたりインタビューが掲載されました。

いざ介護が必要になった時、自宅に住み続けるのか、また有料老人ホームなどの施設に住み替えるのか、自分や家族にふさわしい介護スタイルを選ぶポイントについて語っています。

ぜひご覧ください。

記事のpdfはこちらから。(0.7MB)

今年初の講演

カテゴリー: 活動報告

1月末神奈川県庁くらし交通安全課様主催、「交通安全教育指導専門講座」にでかけてきました。
昨年10月にご担当者様からご依頼いただいたテーマは「高齢者の行動特性と効果的なコミュニケーション方法」。
神奈川県内から交通安全担当の職員、指導員の皆様が集まりました。

横浜市開港記念会館

会場は横浜市開港記念会館  私好み、古くてモダン。

神奈川県内では交通事故件発生件数は減少傾向にあるものの、高齢者の事故発生件数は依然高く、高齢者は何故事故に遭いやすいのか、どうしたらよいのか、という疑問から今回初めて、ケアの専門分野の講師による指導者への研修会を企画されたとのことです。

先日も京都で84歳の高齢者が踏み切りの中に侵入し線路上を右折、電車と正面衝突という悲しい事故がありました。その他にも高速道路を逆走、ブレーキとアクセルの踏み間違えなど、危険な事故も度々耳にします。
判断能力や運動能力の衰えた高齢者の外出や運転には危険が伴いがちです。
だからこそ、安全を意識していつまでも元気に外出を楽しみたいものですね。
高齢者への指導方法を見直す、指導者側の意識を見直す、という発想には感激しました。お役にたてる内容を私も懸命に考え当日の講演に臨みました。

オリジナルテキスト

今回もワサビさんに協力いただき丁寧にオリジナルテキストを作成。
皆さんにお配りいたしました。

加齢による身体能力や心と行動の変化・高齢者の行動特性・認知症に関する基礎知識・良性物忘れとの違い。
効果的なコミュニケーションの中で、私がお伝えしたかったことは

  • 様々な変化を体験している(感覚器や運動能力、コミュニケーション能力など)背景を理解して接していただきたいこと
  • 高齢者は誰も同じようなもの、「一つの集団」として考えないで、一人一人を見て指導いただきたいこと
  • 長年さまざまな体験をされてきている方々のプライドを尊重して接していただきたいこと
    わかりやすい指導や説明=子ども扱い ではない。
  • 認知症に関する知識を持ちつつ、冷静かつ思いやりを持った指導を。
氷川丸

会場を出ると横浜の街は夕暮れ
山下公園をお散歩し、中華街で美味しいお粥等を食べました。
昔からここにいる「氷川丸」も高齢化ですね。

体験したことのないことを語るのはとても難しいことですが、長年高齢者に接してきた経験からの成功や失敗体験も含め、お伝えさせていただきました。私にとっても大変勉強となりました。
ご依頼いただきましたご担当者の皆様、ご清聴いただきました皆様、ありがとうございました。
様々な分野で高齢者の理解が必要とされています。

今年のはじまりの伝えるお仕事、良い一日となりました。

職員向け介護講演とワークショップ

カテゴリー: 活動報告

10月から日本橋、名古屋、大阪、大宮と企業向けの介護講演のご依頼にご対応させていただきました。ありがとうございました。

私の介護講演の後のワークショップでは主役は皆さんに移ります。
職員自身が“ワークライフバランス”介護と仕事の両立を自分のことに置き換えて考える時間です。

「バランスなんて想像できないです。」
「最初から職場の皆さんには報告し理解を求めました。そうするしかなかったです。」
「こんな制度があったなんて知りませんでした。」
「介護休業はどの時期にとったらよいのでしょうか?」
「これも介護ならばなるほど自分でもできることがありそうです。」

様々な意見が飛び交います。
各企業も組織で働き続けられる職場環境を模索しながら前向きに取り組まれています。

歓迎いただいた皆様に心より感謝御礼申し上げます。

ワークショップ

皆さんこんにちは 

ようやくようやく秋らしい気候となってきました。お元気ですか?
月夜の晩に鈴虫や松虫がころころと鳴く音は秋の楽しみ、なんともいえず耳に心地よいですね。

9月21日金曜、公益社団法人インテリア産業協会と日本経済新聞社が開催した「住まいと暮らしをスマートに・リフォーム&インテリア2012」でのセミナー講師に出かけてまいりました。

リフォーム&インテリア2012

会場は東京ビックサイト。リフォームやインテリア関連企業展示と豊富なシーン展示で紹介するエンドユーザー向け展示会です。
関連企画として、リフォーム成功の秘訣や、耐震、コミュニティ、収納等の最新トレンドをテーマに、会場内に設置されたステージで連続セミナーが開催されました。

私はメインステージプログラム初日の2番手、日頃のセミナーとは異なるオープン会場の中で、この日の為に制作した新作「シニアの優しい暮らしをデザインする~ケアとリフォーム~」をご来場の皆様にお伝えさせていただきました。

リフォーム&インテリア2012

先日も新聞社の意識調査で“高齢期に希望すること”の上位にはリフォームがあげられていましたが、住まいは大切な暮らしの器。高齢期だからこそ自分らしく居心地のよい住まいは必要ですね。

ところが、意外に多い家庭内事故。住環境がからだや心に与えている数々の影響。また、何からどのようにしたら?大切な資金をどのように活かせばよいのかと実行に移せない人もいらっしゃるのではないでしょうか。

高齢期の暮らしのリフォームには、ケアの視点も必要です。住まいを知る、自分を知る、暮らしを知る、ことから始めましょう。そして、住まいに体をあわせるのではなく、からだの変化にあわせて住まいを変えることが大切。これらをしっかり考えたリフォームは生活を広げ自立を助けることにつながり、介護のある暮らしでは介護する人の負担も軽減します。そして、何よりも自分流を持つその人らしい暮らしを継続することにも繋がります。QOL(生活の質)を高めた生活です。

私自身も両親のリフォームでその効果を実感しています。

インテリア産業協会の事務局長様から今回のご依頼をいただいたとき、私の頭に浮かんだのは「紙芝居のような明るいセミナーを作ってみよう」でした。
ワサビさん協力のやさしく明るいイラストにより皆様が住環境や福祉用具の活用による暮らしをイメージすることをお手伝いできたのではないでしょうか。

セミナーの一部を動画でご紹介しますね。

 

日頃はクローズドの講演が多い為、一般顧客に向けたセミナーは久しぶりでしたが、熱心に耳を傾けてくださる皆様のニーズを感じられる貴重な時間でした。

本セミナーは基本的な内容が中心となっているものでしたが、終了後、ご質問に並んでくださった方々から、私にとっては当たり前となっている基本的な情報も届いていない、ということを教えていただきました。役所や地域包括支援センターなどに行けば得られる情報ですが、一般の方々の情報を求める足や意識の第1歩は、まずそこには向きにくいのかもしれませんね。

福祉でも介護でもない、もう少し手前の段階で住まいと暮らしをデザインする、このことが大切なことと改めて私も認識した時間。いつものことながら、セミナーを作る、伝えることによって私も贈り物をいただきます。

貴重な機会をいただきましたインテリア産業協会の事務局長様、お忙しい中足をお運びいただいた皆様、応援にかけつけてくださった皆様、ご質問やあたたかいお声がけをいただいた皆様、そして深夜に及ぶ作業に遠隔から共にチャレンジしてくれたワサビさん、心より感謝御礼申し上げます。ありがとうございました。

言葉で伝える、目で伝える、心を伝える 一期一会を大切にしています。

7月の介護セミナー報告 ~大切なのは対話~

カテゴリー: 活動報告

残暑お見舞い申し上げます

皆さん こんにちは
立秋がすぎたとはいえ、蒸し暑い日が続いていますね。
夕涼みと花火大会、海の音と海の香り、読書しながらのお昼寝、麦藁帽子と入道雲…
どのような夏をお過ごしでしょうか。

向日葵

8月 夏の活き活きとした黄色をいただきました。ふうぅ~
暑い暑い こんな爽やかな向日葵の色は元気がでますね。

 7月は(株)日本政策金融公庫仙台支店様、三井不動産(株)人事部様、三井不動産レジデンシャル(株)健康管理室様での社員向け介護セミナーをご対応させていただきました。

 近年、仕事と介護の両立に悩む人が増え、各企業が支援の方法を模索しています。子育てとの違いは職場では話題にしにくい点でしょう。介護支援制度があっても「どんな制度なのか、どう活用するのか知らない」という方が多いのが実情です。企業は利用を促す為に情報の周知徹底を図ることが求められています。介護セミナーの開催や介護制度ハンドブックの作成配布、イントラネット活用などそれぞれの企業にあった方法で工夫されています。働きながら介護を続けられることは、企業、個人双方にとっての宝物を守ることにつながります。介護は誰にとっても特別ではない、一般の暮らしの中で誰もが介護について考える時代が訪れています。


(株)日本政策金融公庫/仙台セミナー

はじめに:介護ニーズ調査等の報告/女性活躍推進室 室長
1部:介護セミナー「介護の実態と介護知識」/川上
2部:パネルディスカッション
   パネラー:介護と仕事を両立させた働く人2名と、ケアコンサルタント(川上)
   コーディネーター:公庫職員様
3部:ワークショップ 

 職員の実態調査のご報告から入った講演会でしたが、職員が介護を身近に考える機会を持ていざという時に役立つことができるように、仕事を辞めずに介護と両立が図れるように、という主催者の気持ちが現れている素晴らしい企画に驚きました。祖母を介護している母の為になど若い方の参加も目立ち、明るく積極的な空気が流れていたことは私にとっても大変嬉しいことでした。

 介護と仕事を両立させながら、在宅、病院、施設での遠距離サポートを行った女性の体験、介護休暇を利用しながら前向きに働き続け、その数年間に大学院にも通われMBAを取得された女性から語られたお話は、皆さんにも勇気や感動を与えたことと思います。


三井不動産(株)人事部様主催介護セミナー(日本橋)

 2回目となる今回のテーマは是非聴いていただきたい、と「認知症」をご提案させていただきました。このセミナー作成には長い年月という時間と私の想いがこめられています。

 セミナー終了後、「今日のお話を聴いて、家族にもう少し優しく接しようと思いました。大切なことをありがとう。」と声をかけてくださった50代の男性、アンケートの内容に現れるお一人ひとりの皆様の声と心、大変印象深いセミナーとなりました。

*三井不動産でのセミナーの様子、アンケート内容をレポートにしてくださっています。
【三井不動産ケアデザイン/情報ひろば】
http://www.care-design.net/report/seminar120725-1.html


三井不動産レジデンシャル(株)の健康管理室主催のセミナー(日本橋)

 ご清聴いただき感想やご意見をお寄せいただいた多くの皆様、ありがとうございました。

~アンケートの声を一部ご紹介~
・ 明日はわが身と思って聴いていました。最新の情報が得られて有意義だった。
・ 知らないことばかりで非常に役立ちました。家族と話し合おうと思いました。
・ とても良いセミナーでした。結論は人それぞれない難題ですが参考になります。
  ありがとうございました。

・ ケアマネージャー(市区町村)の選定、病院のソーシャルワーカーへの相談等、
  知らない内容が多く参考になった。

・ 介護保険による補助はあるものの、介護には相当の労力及び金銭が発生することを
  少し体感できた。
                  


 セミナーの機会が増えました。

 私にとってセミナーは人と人とがつながる大切な場です。大切なのは“対話”。相手と真正面から真摯に対峙すること、親の老いや自分の老いにも真摯に対峙していくこと。私が私と対峙すること。そして対話することです。対話というのはできそうでできない。セミナーに限らずコンサルティングでも、日常の人と人とのつながりにおいて、とても大切なことですね。成長させてくださる皆様との出会いにいつも心から感謝しています。

3月弥生陽射しの変わる季節、2008年からレギュラー出演させていただいていましたニッポン放送「ラジオケアノート」の最終収録を終えました。

最後の放送日となった「ラジオケアノート・介護なんでも相談」3月21日収録では、いつもの介護相談へのご回答ではなく、私の伝えたい思い「介護で得られる宝物」を電波にのせて発信させていただきました。

ニッポン放送「ラジオ・ケアノート/介護なんでも相談」最終収録

4年間通った有楽町のニッポン放送スタジオ 収録最終日

そこでは、介護をしている人だからこそ知らず知らずに得られている宝物があることをお伝えさせていだだきました。私が常日頃、心で感じていることです。
最も身近で介護中である郷里で暮らす母の変化にも少し触れさせていただきました。

「介護する人を応援してくれるなんて・・・介護することは当たり前だと思っていたのに、本当に元気がでました。」 
「家族のこと、とても困っています。どうにもならないと思っていたけれど、ラジオを聴いて相談してみようと思いました。」

放送終了後には様々な反響をリスナーからいただきました。
離れているところで心細い思いをされている方の力になれるなんて、私にとっては嬉しいことです。

この最終回の打ち合わせの前日、郷里の父が肺梗塞、心不全状態で突然入院。翌週にひかえた収録を無事に終えることができるのだろうか?心配を抱えながら私は郷里と東京の間を走り回っていました。入院といっても介護者のサポートやケアマネジャー、医師との面談、家族間の調整など様々なことが必要とされます。何よりも父の回復には、医療専門家の医療技術と共に家族の力が大きく影響します。

スタジオのスタッフの皆様のいつもと変わらない対応に支えられながら、無事最終の収録を終えたときには安堵と感動の気持ちでいっぱいでした。同年代の女性3人、こんな時こそ、経験に裏付けられたさりげない強さとやさしさの持ち主達に助けられます。

「ラジオケアノート」は10年も続いたロングセラー番組。シニアとその家族にとって、明るく楽しく自分らしく生きるための情報やヒントを送る、高齢社会のニーズにあった素晴らしい企画の番組だったと思います。様々なコメンテーターから発信されるケアのお話は大変興味深く、私も楽しみにしていました。こういった内容の番組が、今後社会で大切にされることを願っています。

3年前に私を発見しご依頼をくださった勇敢な加藤部長、制作担当の頭も心も素敵で面白い山口美奈さん、アナウンサーの声も顔も美しくて面白い増山さやかさん、放送作家のHさん、スポンサー会社様、楽しく豊かな時間をいただきました。ラジオの仕事はとっても楽しく嬉しい時間でしたので残念ですが、貴重な機会を長期に渡りいただき、本当にありがとうございました。

そしてラジオの側でご愛聴いただきましたリスナーの皆様、ご相談をよせて下さった方々、応援してくれた友人やケアの仲間達、職場で時間になるとラジオをかけてくれた仲間たち、郷里の皆様、毎回感想を届けてくれた両親、ひとつでも何かを届けることができましたでしょうか?ご支援いただき心からありがとうございました。

これからもどこかで私は大切なケアのメッセージを伝え続けます。

介護は大変ですが、暮らしの一部なのです。困難だからこそ目には見えない宝物もあります。決して一人で抱えないでくださいね。一人で抱える状況を作らないように皆で少しずつ分担して支えましょうね。一緒に工夫しながらがんばりましょう。

皆様のそれぞれのケアノートを応援しています。

1242ニッポン放送「ラジオケアノート・介護なんでも相談」 隔月の最終週放送
(オンエア内容がわかります 3月放送内容は今後掲載されますので、ご覧ください)

季刊誌エッセイの発行によせて

カテゴリー: 活動報告

三井不動産のレッツ資産活用部が発行している季刊誌「Let’s Plaza」に、「午後4時のティーブレイク」というエッセイの連載コーナーをいただいています。
その1月号が発行されました。今回のテーマは~「人と人」支えあう意味を考えましょう~
以前から感じている“介護の誤解”を皆さんに伝えたくて書き下ろした内容です。

文中から

(前略)
日本でも様々な介護の形が生まれていますが、支え方の理念は置き去りにされているように感じられます。過剰に手をかけることが「やさしさ」と誤解され、介護の真の目標である「自立を促すこと」を意識していない介護者を多くみかけます。

文末には最も伝えたいことを書きました。

私達は大切な人を介護しながら、実はいつかは必ず訪れる自分の老いの生き方を学んでいます。

1枚のエッセイを書くために、日々自分に問いかけ続けています。

心は何をみているの?
心は何を思っているの?
心は何を伝えたいの?

そして、今おこっている現実をまっすぐに見ます。
読み手の気持ちもや影響も考えます。
それができないと私に文章はかけません。

ものを書くことでこころが整理されるとよく耳にしますけど、ものを書くお仕事があることで、心のアンテナをピンとはるというのは確かにありますね。
そうでないと、日々感じた驚きや喜びや切なさは心にしまいながらぼんやりと過ぎてゆきます。

命は考えるものではなく“感じる”ものです。

皆様にも何かを感じていただけたら嬉しいです。

季刊誌「Let's Plaza」

こんにちは。れもんです。

秋風からすっかり冬将軍が到来して寒い季節となしましたが、皆さまはお元気にお過ごしですか。

10月29日(土)、(株)ベネッセスタイルケア主催のセミナー「東京介護相談会」セミナーの講師を務めた川上由里子さん。会場は池袋のメトロポリタンホテル。お手伝いにいってきたので、当日の様子を簡単にご紹介します。

ベネッセの介護相談セミナー

ワインレッドのスーツが秋らしくてとってもお似合いです。

ベネッセさんのセミナーも今回で3回目。川上さんのセミナーが好評ということで、今回は単独講演でした。
『~お金のこと・住まいのこと~もしも家族に介護が必要になったら』をテーマに突然介護が始まった70代のご夫婦をケーススタディに、在宅介護にかかる準備や必要な情報、在宅か施設かの選択など実際にご相談いただいた事例を使って説明。
参加者はご高齢の方も多く、熱心に川上さんの話に耳を傾けていらっしゃいました。

ベネッセの介護相談セミナー

皆さん熱心に話を聞いています。

セミナーの最後に川上さんが自身の著書「介護生活これで安心のはじめに」の部分を朗読。
ほんの一部ですが、ご紹介します。 

『物心ついた頃から、だれに勧められるでもなく、ごく自然と看護師になることは決めていました。~中略~ 医療だけに限定せずに、人の喜びや苦しみを理解したうえで、自分なりの関わり方を考えたい、目の前で次々と起こるケアを取り巻く世界の苦しみに取り組んでみたい、そんな気持ちが生まれていました』

ベネッセの介護相談セミナー

朗読する川上さん 音楽も流れて素敵な雰囲気です。

セミナー終了後、川上さんの著書「介護生活これで安心」(小学館)を販売。
もちろん、川上さん直筆のサイン・イラスト入りです。参加された方がぞくぞく購入くださり、2冊買っていかれた方も。用意していたサイン入り本があっと言う間に終わってしまい、川上さんがその場でサインして、お渡し。一緒にお手伝いしたワサビさんと2人で大忙しでした。
年配の男性は川上さんと握手して大喜び「今日は来て良かった!!」とおっしゃっていました。
ご参加、ご購入くださった皆さま、有り難うございました。

セミナーの内容でもある在宅と施設での介護の違いについて取材を受け、ベネッセStyle 2011年秋号に掲載されました。ぜひ読んでみてくださいね。

■ベネッセStyle
特集:「介護のある暮らし」を考える
~専門家が語る、在宅と施設での「介護」の違い~
(pdf:1MB)

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