ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

6/27 小平市中央公民館主催介護講演会のご報告

カテゴリー: 活動報告

小平市中央公民館

6月27日土曜日、小平市中央公民館主催の介護講演会「〜人と人の心を結ぶ〜介護のある暮らしをデザインする」にてお話させていただくために、早朝から水と緑の町小平市に出掛けました。

この日はあいにくのお天気でしたが、電車から小さな駅に降り立つと、雨と緑のいい香り。
この街の自然の多さを感じました。

今回お声掛けいただいた小平市中央公民館の事業ご担当Nさんは、このブログ「結人」が目に止まり、“人と人の心を結ぶ”に賛同してご依頼をくださったとのこと。
共感できる新しい誰かとつながる嬉しい瞬間です。

小平市中央公民館の前にて

今回の講演内容は、私のこれまでのケアの経験の中で皆さんにお伝えしたいノウハウや思いをまとめて、新しく制作した私の心のメッセージ集です。

そのメッセージの中心は自分自身の“強み”を活かしながらいつまでもイキイキと笑顔で暮らし、地域の人、隣の人と助けあい支えあい、共に元気に生きる社会を作りませんか、ということ。

人は生まれて、生きて、齢を重ね、変化します。
現代を生きる私たちはずいぶんと長い時間を生きることが必要となりました。
長く生きることよりも、生活の質(QOL)を高めながら、笑顔のある明るい生活を心がけたいものです。

人生の後半のステージは、共助や自助が活きる時代です。
少し小さくなって弱くなった自分や近くの人にも、関心と理解を持ってほしい。
私たち一人ひとりが、人間の尊厳を大切にしながら命を感じ、命と向き合い、どうか終わりこそ人らしく。
これまで見たきた現状と、私の願いをお伝えさせていただきました。

小平市中央公民館主催セミナー

メッセージ4「命を感じる 命と向き合う、終わりこそ自分らしく」でご紹介させていただいた、詩人、村野四郎さん(明治34年東京北多摩生誕)の「鹿」(昭和34年)は、村野四郎さんのお父様が病床に伏せた際に、ベットサイドで生まれた作品です。

私は父の死期が迫った頃に自分の心を探求する中でこの作品に出逢いました。
死を間近に感じながらもしっかりと大地に立つ鹿。
死をありのままに受容する勇気と冷静さをとらえた、作者の美意識。
私もその時に、この鹿のように立っていられるのでしょうか・・。

小平市中央公民館セミナー資料

その瞬間まで生きる時間が黄金のように光る為に、何が必要なのかを私は考え続けています。

今回の講演会は少人数でアットホームな会になりましたが、わたしの好きな詩の紹介や音楽、エッセイの朗読など、ご来場いただいた皆様が楽しめるよう工夫してみました。
時折会場から届く笑い声に、私も和みました。

雨で足場の悪い中いらしてご清聴いただいた皆様、ありがとうございました。
講演をご依頼くださった小平市中央公民館のN様、皆様、始終心温かいご対応をいただきましたこと、心より感謝御礼申し上げます。

講演でお話することが決して得意な私ではありませんが、医療、介護、人生の終わり方など、伝えなければならないことをこれからもコツコツと伝えていきます。
大きかった人間が小さくなった時や弱くなった時こそ、人間らしさが輝く時です。
その乗り越え方や向き合い方をあきらめないで対峙してほしいと願っています。
皆様どうぞ宜しくお願いたします。

gooヘルスケア介護コラム最終回によせて

カテゴリー: 活動報告

gooヘルスケア介護コラム執筆のご依頼をいただいたのは、2009年2月のこと。
医療や健康のWebサイトから介護コラムを初めて発信するので協力してほしい、ということでした。
当初は1〜2回の原稿執筆と聞いていたのですが、寄稿は3ヶ月に1本の定期連載となり、今回の最終回まで25回も続きました。思ってもいないことでした。

連載中は社会の高齢化が進み、多くの方々の様々な介護相談に耳を傾けていた私ですが、偶然にも私自身の介護も重なり、企業からの独立というドキドキハラハラの大きなライフイベントもありました。
そんな中で複数の締め切りや業務を抱えての定期執筆。
哀しみの時も喜びの時も淡々と書くことを続けました。

自分自身の体験や思いの探求、情報を裏付ける為の調査や視察、難しいことをわかりやすく簡潔に書くということへの挑戦。
多くの情報から何を選択するのか、文章がまとまらず、何度も書くことの自信を失いました。

それでも、定期的に文字にまとめる機会をいただいたことに、今心より感謝しています。
編集会社のご担当者は、「川上さんの書く原稿はただの情報ではない」ということを言ってくださり、励まされました。

いつも私のからだには窓があります。
ささやかでも誰かの役に立てる風を送れるということは、本当に嬉しい事です。
ケアすることも、書くことも話すことも、その“根っこ”は皆同じですね。

長期に渡りお読みいただきました皆様、ありがとうございました。
私からの風を感じてくれた皆様から届く感想やご意見が嬉しかったです。
勇気をいただき励まされ続けました。
株式会社研友企画出版様、及び大変お世話になりましたご担当者のK様、株式会社法研様に、心より感謝御礼を申し上げます。

► gooヘルスケア バックナンバー一覧

毎日が発見 2015年5月号

ワサビです。

「毎日が発見 2015年5月号」(株式会社KADOKAWA発行)掲載の読み切り短編漫画「人生に満足ですか?」(柴門ふみ著)の協力をさせていただきました。

60歳の露子さんシリーズの第3弾で、母親であり妻である露子さんが娘に「お母さんは自分の人生に満足だった?」と言われたことをきっかけに介護職員初任者研修(ホームヘルパー)の学校に通い、様々な発見をしていく爽やかな感動物語です。(全15ページ)

ぜひ読んで見てくださいね。

毎日が発見 2015年5月号(fujisan.co.jp)

人生に満足ですか?

8/29 千葉県県友会 介護講演会

カテゴリー: 活動報告

8月29日、まだ残暑が残る土曜日。
千葉県県友会様夏季例会での介護講演会に行ってまいりました。
テーマは「〜高齢期の暮らしをデザインする もしも家族が認知症になったら〜」。

ホテルポートプラザちば

会場の千葉みなと駅前の「ホテルポートプラザちば」

千葉県県友会は千葉県庁の土木課のOB様、60〜90代の知的な男性の皆様で構成されています。この日は90名近くの方がご参加されました。
春の打ち合わせを経て、会員の皆様の暮らしにお役立て頂くためにこのテーマをご提案し、お伝えさせていただくこととなりました。

今回は、1.認知症の基礎知識、2.実例4ケースのご紹介 家族の対応やケア、3.認知症予防という流れでお話しさせていただいたのですが、皆様最後まで熱心に耳を傾けてくださいました。

セミナー風景

講演会終了後には懇親会があり、美味しいお料理とお酒をいただきながら皆さんと色々なお話をさせていただいたのですが、驚いたことにご自身が奥様の介護をしている方が複数いらして、皆さんそれぞれの形の体験談を聴かせてくださいました。

「今日はショートステイに預けてきたんだよ。」笑顔の奥様の写真を見せてくださいました。
「先に亡くなっちゃたんだよ。」
「ホームのお世話になって助かったんですよ。今はいろんな介護の形がありますね。」

「今日の講演の中で印象に残ったのはやさしい心。認知症になっても大切なんですね。」
「一人ぼっちにさせないってことですね。」

最新の情報よりも、“やさしい心を持つことが大切“ ”認知症になっても感情は残っている” が印象に残ったという感想をお持ちの方が多かったことも、私の学びになりました。
ケアの世界では当たり前の知識も、まだまだ一般の社会には伝わっていない現状を感じます。
たとえ認知症の疾患や背景を理解していたとしても、日々日常生活に支障をきたす家族にとって、やさしさを持ち続けるのは簡単なことではありません。
まして認知症の人の心を理解していなければ、「やさしい心も届かないだろう」と思ってしまうのもしょうがないことかもしれません。

“介護のはなしをしましょう”  
声に出すことで様々な発見があり、自分自身の心の声も聴こえ、介護されている人の気持ちにも目を向けられ、明日に進むことができます。 
誰もが平等に齢を重ね、そこには喜びと哀しみ、光と影の両方が存在します。
1人の小さな体験も話すことで、客観的に俯瞰することができ、必ず誰かの何かの役に立っていきます。

いつもこう思っている私ですが、こうしてごく自然に明るく介護や暮らしのはなしができるのはとても良いことですね。嬉しくなりました。

セミナー風景

集まって知識や情報を得たり、交流をしたり、みなさんよく食べ呑み、よく学び笑い、私にとっても大変刺激になる会でした。
このような繋がりが高齢期の暮らしを豊かにするのではないでしょうか。
職業を通じた財産ですね。

介護のある暮らしからは様々な学びが得られます。
それは人にとって、とても大切なものだと思います。
不十分な点も多々あったことと思いますが、素晴らしい人生の知恵や体験をお持ちの大先輩の皆様に、何か少しでもお伝えすることができていたら幸いです。

皆様らしい高齢期の暮らしを応援しています。
千葉県県友会N会長様、事務局の皆様、ご清聴いただきました皆様、そして今回の会にご推薦いただき、当日業務終了後に駆けつけてくれたR子さん、素敵な夏の一日をありがとうございました。

ほろ酔いの帰り道、父が人生の引き出しを一つひとつ閉める作業により添えたことに感謝しながら、電車に揺られ帰宅しました。
「よかったね。」と父の声が聴こえてきました。あらゆる体験に感謝しています。

エーザイ・パンフレット

エーザイ(株)様のご協力により、ちびまる子ちゃんイラストのわかりやすい
パンフレットも全員に配布させていただきました。体験者の声も心を打ちます。
ご協力に心より感謝いたします。【e-65.net】

8月14日 「ノンストップ!」生放送が無事終わりました。
「ノンストップ!」を観てくださった皆様、応援してくださった皆様ありがとうございました。

台本

親と離れて暮らす人が増えています。家族の形も大家族から核家族へ。
一昔前のような嫁が介護をすることが当たり前の時代ではなくなりました。
現在最も多い介護者は配偶者、つまり老老介護が増えています。
国の推計では今後ますます単身高齢者が増え、介護者不在の家庭も増えていくことが予測されています。

離れて支える人側からの相談も年々切実になっています。

・ 遠距離で暮らす家族の介護を理由で退職を迫られる人。
・ 退職後に経済的に困窮し、親とともに引きこもりになり介護うつを患う人。
・ 未婚者だから、女性だから当然、と兄弟や親族から介護を強いられる女性。
・ 時間やお金が負担となり体や心の健康を壊す人。
・ 発見が遅れ家族の認知症対応が遅れ進行してしまう人。
・ 妻から「自分の親をみるからあなたは自分の親を」といわれ、ひとり介護に奔走する男性。
・ 同居できない状況から、言いようのない罪悪感を抱えている人。
・ いざという時に駆けつけられない緊張感や不安を常に抱えている人。
・ 親を呼び寄せたいが住み慣れた地域を離れたくない親


今回の番組出演では、ほんの一部の情報やメッセージにすぎませんでしたが、
・ 長期にかかる介護費用、帰省費用も大きな負担となる。
・ 困難なことが様々あっても介護で仕事を辞めない。介護一色にしない。
・ 仕事と介護、自分の暮らしと親の暮らし。両方のバランスをとりながら続けることの大切さ。
などをお伝えさせていただきました。

放送された元日テレアナウンサーの石川牧子さんは、仙台東京間の遠距離介護を7年間続けながら、パイオニアとしての仕事も続けられました。
私自身も遠距離介護中、仕事は大きく広がり深まりステップアップしました。
むしろ介護体験が私にも、社会にも役立つものとなった気がします。
自分の仕事は自分を支える大きな柱。諦めないで続ける方法を探しましょう。

2000年から介護保険制度が始まり、頼れるサービスが低価格で利用できる時代となっています。
頼れる他人を上手に活用しましょう。近所の方とのコミュニケーションも大切です。
役立つサービスを下の表にまとめました。これは企業の従業員向けセミナーでご紹介させていただいている一部ですがご覧ください。

また、まだまだ誰もが利用できる状況ではないようですが、働いている人であれば介護休業制度の活用もそのひとつです。

セミナー資料より

川上オリジナルセミナー資料より
(クリックにて拡大)

「ノンストップ!」の番組では後半、役立つ商品が紹介されました。
音で飲み忘れを知らせてくれる薬箱、ロボットとの連動、靴の底にGPSを入れることで居場所を知らせてくれる商品、親の安否を遠隔に知らせてくれるサービス。
様々な商品・サービスが人と人の距離を近くして、サポートしてくれます。

遠距離をサポートするサービスはひと括りに制度化されているわけではないため、自分の状況に合わせた情報を入手するのは少し難しいのですが、お近くの地域包括支援センターに地域支援サービスについて尋ねてみたり、お住まいの市区町村のサイトを見てみるなど、日頃から情報にアンテナを張っておくことが大切です。
また10月1〜3日には、毎年恒例の東京ビックサイトで国際福祉機器展H.C.Rが開催され、多くの福祉機器が実際に体験できます。是非お出掛けください。

【第41回 国際福祉機器展 H.C.R.2014 公式サイト】

同居であっても遠距離介護であっても、何より大切なのは支える人の健康です。
運動、食事、休養、自分自身が健康で笑顔でいられるための習慣を身につけてくださいね。
これは、長年の習慣や関係が影響します。
ひとりで抱え込まずに誰かに話すことで、心に窓ができ、そよ風が入ります。
共に良い方法を探しましょう。

自分の人生と親の人生、その両方が大切にできる社会でありますように。

フジテレビ

お台場にあるフジテレビスタジオ
自宅からは台本を見ながらタクシーで20分。当日は7時30分に到着しました。

テレビ出演生放送は初めての体験でドキドキしましたが、ご依頼をいただいてから本番終了まで、スタッフ・ディレクターさんの活躍、当日の司会カズさんの頭の回転の早さ、出演者の方々の見られることへのプロ意識、スタジオのスタッフの活気、出演者への配慮などなど、印象に残ることがたくさんありました。
ご覧頂いた方からも多くの反響をいただき参考になりました。
良い機会をありがとうございました。

ヨーガンレールの服

テレビ出演の記念に♪
と購入した緑のシャツジャケットとバルーンスカート。
長年愛用しているヨーガンレールに駆け込んで即決めでした。疲労感満載でしたので、こんな楽しみをプラスすることで自分のテンションを上げました。^^

3月13日木曜日、渋谷区千駄ヶ谷にある津田ホールにて、公益社団法人日本不動産協会、全日本不動産関東流通センター主催による「暮らしのセミナー高齢社会の住まいと介護を考える」が開催されました。

津田ホール

私は新調した春のワンピースとジャケットを着こみ会場へ向かいました。

ところが、この日は朝から夜まで生憎のお天気。
予定をキャンセルされた方もいらっしゃったようで残念でしたが、まだ冷たい雨の降る中200名近いお客様が集まってくださいました。

津田ホール

今回の私のテーマは「終の住処 どこでどう住まう〜住まいと介護のはなし〜」です。
住まいは暮らしの器、生活の基盤となるものです。
その街や家が不便になったら、ひとり暮らしになったら、介護が必要になったら、認知症になったら、住み慣れた我が家に長く住み続けるためには…。
ご相談者の声を中心に、高齢期の様々な住まい方について実際の事例を交えながらご紹介させていただきました。

セミナー風景

また、今回はUR都市再生機構が展開する団地での新しい住まい方についてもご紹介させていただきました。
私が特にご紹介したかったのは、● MUJIなど民間との新しいコラボレーション ● 医療福祉拠点の整備や地域との連携 ● 団地の暮らしを守る「生活支援アドバイザー」と昨年から営業センターにおかれた高齢者相談窓口の高齢者相談員(ケアマネジャーや社会福祉士、看護師)という人の存在です。

講演中

両親が暮らす家の住環境や介護の様子なども、写真を使って少しだけお伝えさせていただきました。
要介護4の父と介護者の母が暮らす住環境は、介護する人たちも(ホームヘルパーや理学療法士、看護師など)楽しんだり癒やされたりする空間となっています。
重くなりがちな介護生活を明るくする為には、福祉用具や家具、照明、音楽、香り、外とのつながりなど様々工夫できることがあります。

終了後、不動産業を経営しているという女性からは
「今日の内容は仕事に関係するから知らないではすまされなくて、勉強したいと思ってきました。介護と住まいの2つのテキストがわかりやすくて助かるわ。」

40代男性からは「介護保険を支払っていてもホームにこんなに費用がかかるなんて…」

建築士の女性からは「ご両親の暮らす住環境をもっと聴きたいです。」

セミナー資料

スタッフと情熱をかけて制作したセミナー資料
ご来場者の皆様に配布されました。

日本人の寿命は伸び、家族の単位は小さくなり、私達はかつてなかった時代を生きています。
齢の重ね方や住まい方、そして“幸せ”を自分なりに考えることが必要な時代になりました。

人生の秋から冬の深く美しい季節、どこで、どうやって暮らしますか?

2部安藤和津さんの介護体験のご講演からも、様々なヒントや知恵をいただきました。

不動産協会様、不動産研究所様、貴重な機会をいただきありがとうございました。
足元の悪い中ご来場くださった皆様、ご意見感想をお寄せくださった皆様、何かひとつでもお届けできるものがありましたら幸いです。
ありがとうございました。

日本アイソトープ協会公開セミナーのご報告

カテゴリー: 活動報告

春の気配を感じる2月22日(土)、秋葉原コンベンションホールにて公益社団法人 日本アイソトープ協会様主催の公開講座「認知症かな?と思ったら」~早期発見が重要です~が開催されました。

日本アイソトープ協会セミナー

当日は定員150名を大幅に超え、200名ほどのご参加者が足をお運びくださいました。
これには主催者側も驚きだったようです。認知症への関心の高さがうかがえます。

日本アイソトープ協会セミナー

1部は日本医科大学武蔵小杉病院神経内科 認知症センター教授、北村伸先生による「知って役立つ認知症の話」。認知症のなかでも最も多い原因疾患となっているアルツハイマー病を中心に症状や原因、治療対応など大変わかりやすいお話をいただきました。
また、印象に残ったのは川崎市の「街ぐるみ認知症相談センター」の活動です。認知症の早期発見、市民、行政、介護職、医療職との連携促進がはかられていることをご紹介くださいました。
居住地域にかかわらず無料で利用できます。場所は日本医科大学武蔵小杉キャンパス南館1階。
病院ではないので「最近物忘れが増えてきて心配だわ」という時に、気軽に相談することができます。
これまで来場された方の中で半数以上の方になんらかの疾患が発見され、早期の対応、予防ができているようです。このような拠点がこれから日本には増える予定ですから、心配から逃げずに前向きに対応するためにも味方にしたい存在ですね。

2部は東海大学医学部専門診療学系画像診断の准教授、橋本順先生から早期発見のために大切な診断方法をご説明いただきました。MRIや核医学検査SPECT、PETなど、実際にどのように画像をみて診断するのか詳細を知ることができました。
先生は普段専門職や医師や看護師を目指す学生などに向けてご講義をされていらっしゃるそうで、専門性が高い内容を美しい画像でわかりやすくご説明いただき、私は「へ〜 ほ〜 そうなんだ〜」の連続。(学生時代からは格段に進歩されている分野だと思います)大変参考になりました。
適切な診断を受け、認知症であってもなくても早期に対応することは大切ですね。
また先生は私の看護教育の原点である東海大学医学部付属病院(伊勢原)にいらっしゃいますので、新人ナース時代が大変懐かしく思い出され、巨大マンモス病院の今のお話を楽しくうかがわせていただきました。

日本アイソトープ協会セミナー

さて、3部の出番です。
大先生方に続きましてケア職を代表し「実例より学ぶ 家族が認知症になったら 私たちができる介護」を川上よりお伝えさせていただきました。

認知症という疾患のみにとらわれずに認知症の人を理解してください。
理解、判断能力は落ちても心は残っています。
そして本人も、家族も心理的ステップをたどります。
戸惑い混乱し、怒りを抱えることも受容までの大切なステップです。
どうぞそんな自分を責めないで、一人だけで抱え込まず誰かに相談し
サービスを活用し共に寄り添っていきましょう。
わたしたちにはどんな時もできることがあります。

このようなメッセージをこめて、現在行われているケアの方法や家族の接し方をご紹介させていただきました。

日本アイソトープ協会セミナー

終了後、様々なメッセージをいただきました。

・ とてもわかりやすい講座だった 三部構成が素晴らしい。
・ これまで知らなかったこと、曖昧だったことが理解できた。
・ アイソトープ協会や核医学検査が暮しの近くにあることを知った。
・ 資料がありまとめられていて家族にも説明ができ嬉しい。
・ 私は今「家族のたどる心理的ステップ」のステップ2で葛藤していますが、
  今日の講演を聴いてとても安心しました。(会場で終了後に)
・ 今日は気持ちが温かくなったよ。
  (同級生 現看護学校教員 お父さまとご来場、現在お母さまの介護中)
・ 介護の仕事についたばかりです。勉強になりました。自分も介護がんばりたいです。

私は認知症の方のケアを専門に行う業務に従事しているのではありませんが、この認知症の講演は、何十年にも及ぶケア(臨床での看護や介護と相談)という専門職としての経験と、家族が認知症に…でもできることを探していこう、という自分自身の家族としての体験から皆様に知っていただきたいことを考え、ひとつひとつ作っています。

講演の最後にお伝えしたいこととしてこの言葉を選びました。
どんな状況であっても、笑顔を届けましょう。笑顔はわたしたちの宝もので相手に届きます。

不十分な点も多々ございましたが、ご来場いただきました皆様の暮らしに、一つでもお役にたてることがありましたら幸いです。
足をお運びいただきました皆様、本当にありがとうございました。
貴重な機会をいただきました日本アイソトープ協会の皆様、ありがとうございました。

自宅で
ご来場者に配布された1冊のノートと桃の節句、お雛様

テレビ東京「NEWSアンサー」に出演しました。

カテゴリー: 動画, 活動報告

テレビ東京「NEWSアンサー」の暮らし特報コーナーにて、私自身の遠距離介護の一日が放送されました。テーマは「遠距離介護 安心!を得るカギとは」。

取材依頼のご連絡をいただいたのは5月の連休中でした。
え?私の介護!? 戸惑いの気持ちを持ちながら考えること数日。

「介護は辛いとか、重いとかだけの報道ではなく、視聴者にとって、こんな風に工夫できるというような希望が持てる番組になりますか?」と電話で尋ねた私に、「勿論、私もそんな番組にすることが希望です。是非、宜しくお願いします。」と答えた女性ディレクターさん。
その明るく前向きな声に取材を受けることを決めました。

ある調査によれば介護の期間の平均は4年9ヶ月だそうです。
核家族化が進む中、これまでの生活スタイルを介護により変えることは難しく、遠距離介護で悩む方は今後ますます増えることと思います。
離れて暮らす親を支える、私も当事者としてあれこれと模索しながらも丁寧に介護のある暮らしを整えてきました。そのノウハウを少しでもお伝えできればと思ったのです。

東京から静岡へ、早朝9時から夕方5時までの密着取材 マンションでの取材からスタートしました

東京から静岡へ、早朝9時から夕方5時までの密着取材
マンションでの取材からスタートしました

とは言え、家族の内情を公開する。今回の取材を受けることは大変勇気のいることでした。
その上、この取材で必要だったのは“ケアコンサルタントとしてのプロとしての言葉”ではなく、“娘としてのわたしの言葉”。

何か役に立てたのだろうか…?
放送後そんな思いでいると数々の反響が届いてきました。

「介護保険は使っていたけれど、ネットワークを組む意識は持っていなかったので参考になった。自分も行なってみます。」
「まもなく遠距離介護が始まりそうで不安を抱えていましたが、具体的にイメージができて少し勇気がでました。」
「介護もコーディネートが大切なのですね。緊急連絡先をまとめて書き出すことだけでもチーム体制がみえてくるのですね。」
「入院中に拝見しました。車椅子生活で痛みも強く不安な日々でしたが、人々に希望を与える姿や気持ちに深く深く感動しました。新時代のモデルケースですね。」
「お父さんの笑顔、家族の関係が印象に残りました。」
「今だけではない昔からのご家族の関係が現れているというのが感想です。」

先輩ケアマネジャーたちからは「偉いぞ川上!よくがんばった。まだまだ介護保険の申請すら知らない人がたくさんいる。大事だ。」
大変を覚悟で出演を決め、私の背中を押した母からは
「改めて自分が多くの人に支えられていることを感じたわ。」

母の記録しているケアダイアリーや緊急時連絡一覧 家族の情報共有やいざという時の連絡に役立ちます。

母の記録しているケアダイアリーや緊急時連絡一覧
家族の情報共有やいざという時の連絡に役立ちます。

放送をご覧いただきました皆様、ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
皆様の心に、何か届けられるものがありましたら幸いです。

ディレクターのYさんとカメラマンKさんには大変お世話になりました。
お二人の真剣な仕事の様子からも大変刺激を受けました。ありがとうございました。
また青い海の由比へ遊びにきてくださいね。

故郷由比の海

故郷由比の海

放送を見逃した方はこちらからご覧になれます。
■テレビ東京 NEWアンサー/暮らし特報 「遠距離介護 安心!を得るカギとは」
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/life/post_41377/

企業で働く従業員とそのご家族への介護講演会

カテゴリー: 活動報告

5月末、東京駅からのぞみ号に乗りトヨタ町まで出かけてきました。
今回の講演のご依頼テーマは「~介護と仕事の両立のために~認知症と遠距離介護」。
私自身の抱えている大切なテーマでもあります。

セミナー資料

長寿化が進み認知症を患う高齢者が増えています。
認知症は、なんらかの原因で脳の神経細胞の働きが悪くなることにより、慢性の記銘力低下が起こり、“生活上の支障をきたす”状態です。年齢相応のもの忘れとは異なる「病気」です。
認知症は原因も症状も対応も一人ひとり異なります。

認知症の中でも最も多いのがアルツハイマー型認知症。
残念ながら現在の医学では完全な予防や治療法はありません。
発症の時期がはっきりせずに徐々に進行すること、おかしいと感じた家族の対応が遅れること、行動を正そうとすることで逆に進行させてしまっていること、周囲の偏見や誤解が多いことなどで、残念ながら様々な悲しい問題が起こっています。

アルツハイマー型認知症の次に多いのが脳血管型認知症で、脳梗塞や脳内出血などを原因とした認知症です。こちらは高血圧や高脂血症など、日常生活習慣を整えることで予防ができます。

セミナー資料


セミナーではどうしたら参加者の方々が前向きに理解しやすいかを考え、全体の流れ、伝える言葉、画像など、最後の最後まで工夫します。
知識を得るというよりは、自分のこととして感じていただきたいと思っているので、頭だけではなく心に伝わる表現をとても大切にしています。まず心が動かなければ体は動きません。

セミナー資料

また、世界中で効果を認められてきた大切なノウハウなど、セミナーの為には多くの引き出しが必要です。
私も実際のケアに携わると共に、これまで数々のセミナーや研修に参加してきました。
杉山孝博先生、静岡の増田未知子さん、インゲ・ダ-レンボルグさん、永田美智子さん、クリスティーン・ブライデンさん、みなさん心深くあたたかく、貴重な知識とともに多くの感動と勇気をいただいてきました。

セミナーでは私自身の体験もお伝えさせていただきました。
認知症を患っても心は生きています。こちらが癒されたり励まされたり学ぶこともたくさんあります。
周囲の接し方やケアで症状の進行を緩和し穏やかに過ごすことができる、ということを知っていただきたいと願いながらお話をさせていただきました。

講演後は多くのご参加者から切実なご質問を頂きました。
あらためて働く人にとっての介護の現状を知ることとなりました。
現在、制度やサービスを使ってさまざまな工夫ができる時代です。
運動、食事、記憶を刺激する学習など認知症の予防も研究が進んでいます。
元気なうちからさりげなく情報を得る仕組みが求められていることを感じました。

 

終了し外に出るとすっかり陽は落ちていましたが爽やかな風が吹いていました。
ういろうを買って新幹線に飛び乗り、今日一日に感謝しながら無事帰路につきました。

ご依頼頂きました日本生命保険相互会社、トヨタパーソナルサポートのご担当者様、駆け付けてくださったトヨタマーケティングジャパン(トヨタ福祉車両ラクティス広報)のご担当者様、長時間に渡りご清聴いただきました皆様、ありがとうございました。
心あたたかい皆様に私も励まされました。働く皆様、ご家族の皆様の暮らしにひとつでもお役にたてることがありますようにと願っています。

認知症になっても問題なく支え合っていける地域や職場、家族や友人で助け合える社会を目指して、今日できることをひとつでも行い続けます。

 

※参考 gooヘルスケア 認知症関連記事を3回連載で執筆しています。
是非のぞいてみてください【13~15回 https://yuito.jp/media#goo

※誰でも参加できる「認知症サポーター制度」はお勧めです。
http://www.caravanmate.com/whats.html

朝日新聞
ワサビです。

5/11(土)の朝日新聞のベネッセスタイルケア様の広告記事に約半ページにわたりインタビューが掲載されました。

いざ介護が必要になった時、自宅に住み続けるのか、また有料老人ホームなどの施設に住み替えるのか、自分や家族にふさわしい介護スタイルを選ぶポイントについて語っています。

ぜひご覧ください。

記事のpdfはこちらから。(0.7MB)

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