ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

認知症のこと、自分ごととして

カテゴリー: 活動報告

大学病院や県立総合病院、人工透析クリニックなどの医療現場や高齢者住宅で、ナースとして13年ほど勤務していた私が、「医療に限定せず一般社会の実態を知り、人の人生を学び、自分ができる人生でありたい」と飛び出したのは35歳の頃の話でした。とても勇気がいりました。 

当時の私は、専門職としてのキャリアをコツコツ積み重ねながらも、“認知症”に関する実態を知りませんでした。
医療機関では生命に関わる治療が優先するため、認知症の人の症状は薬でおさえ治療する場面が多く、また、認知症の症状の強い方は認知症の専門疾患病院に入院していた為、私が出逢うこともなかったのです。
「年寄りだから仕方ない」「早く退院してもらいましょう」
私の周囲の医療関係者でも、認知症の人を正確に理解している人はいないに等しい状態でした。

私は様々な施設や病院、在宅、介護の現場、そして「認知症の人を支える家族の会」にも参加し、自分の時間を使いながらボランティアとして活動し実態を目の当たりにしたのですが…。
その時の衝撃的な驚きと憤りが今の私につながることとなりました。
認知症の人たちの生活は、人間らしさを奪われた管理中心の生活の中にありました。
私は施設の職員に尋ねました。何故なんですか?と。
頭の中には疑問と怒りと、そして悲しみでした。

経済大国日本の豊かさとはなんだろう。認知症とはどういう疾患で、認知症の人とは?
これでいいのだろうか。きっと違う。私ができることはなんだろうか。今、何かをしなくてはならない。私のひとつのテーマとして働きながらも認知症について学び続けました。

そんな時、偶然、公的銀行様から「職員に対して認知症に関するセミナーを行っていただけませんか?」というご相談をいただきました。それが今セミナー講師をしている始まりです。

上からの富士山

前置きは長くなりましたが、先日、猛暑の中、福岡に向かいました。
3年前から開始した、UR都市機構の職員に向けた「認知症サポーター養成講座」のためです。
九州支社の講座で受講者が1,000人を超え、私にとっては感激の一日でした。
いつまでもいきいきと暮らし続けるまちづくり、住まいづくりに日々懸命に向かっているURグループ職員にとっても、その先にいるのは、生活している人です。
人への関心や理解があるか否か、認知症についての正しい理解の有無は、今後ますます大きな違いとなって現れることでしょう。

現在、74万戸の団地の中では、団地の集会場での支えあいの認知症カフェ、地域包括支援センターと連携し、住民向けの認知症サポーター養成講座、近隣の大学の学生や自治会と連携し徘徊模擬訓練と、様々な取り組みが行われはじめています。
ケアの職種だけではなく、様々な職種の人に知っていてほしい大切なこと。
UR職員1人ひとりの創意工夫が地域に繋がり、社会に広がってきています。
→ UR都市機構:URの認知症サポーターが1000人に

働く人の仕事と介護の両立を支える。企業の人事部様などからのご依頼でも、認知症に関するセミナーのご依頼が増えています。
働きながら介護する人にとって、家族の認知症の問題はなかなか相談に至らず顕在化しにくいものです。
近年は様々な情報が溢れているため、それゆえに、自分流に走ってしまっている方もいます。

先日は、某企業内相談室様主催の介護セミナーにて、都内と神奈川県内、業務終了後の夕刻から職員の皆様にお集まりいただきました。
日々の介護相談の中でお困りの方がとても多いことから、認知症をテーマにとご提案させていただいたのですが、参加希望者は定員を大幅に上回り、長時間にも関わらず皆様には熱心にご清聴いただきました。

セミナー会場

他の企業様と同様に、アンケートの記述もとても多く、一言ひとことに学び励まされます。
「もっと早く知っていればよかった」という声が少しずつでも減りますように。
今苦しんでいるご本人、ご家族の悲しみが少しでも減りますように。
伝え続けたいと思います。

セミナー資料

触れる、嗅ぐ、聴く、感じる。
私自身が大切にした五感を大切にしたケアもお伝えさせていただきました。
主催者の皆様、受講してくださった皆様、心よりありがとうございました。

人に伝えるためには私自身にもフレッシュな情報の学びと新鮮な思いが大切です。
様々な分野のセミナーに積極的に足を運び学んでいます。
9月には、「認知症の人を支える家族の会」副代表理事の杉山孝博先生のセミナーを聴講予定です。杉山先生のセミナー聴講は3回目になりますが、心やさしい先生にお逢いできることも楽しみにしています。

病気や障害、認知症、貧困、離別や喪失、生きていると人はさまざまな苦しみに遭遇しますが、明るく予防し、そしてその状態になった時には、できなくなったことを追うのではなく、できることを大切にしながら歩き続けたいですね。
私の生涯の心の応援歌です。

UR都市機構 社内報「まちルネ」2018・9月号に掲載

真夏の夜の夢!?

カテゴリー: 日常

8月の週末、故郷の静岡市清水区ライブレストラン「もでらあと」にて、高校時代の友人で音楽家として活動している、水本みゆき(クラリネット、歌、サックス)のライブが開催されました。

私は、彼女のクラリネットも歌も昔から大好きで、新宿での講師業を終えて、急ぎ応援&楽しみにかけつける予定でしたが、ひょんなことから1曲だけ友人とのアンサンブルでステージに立つこととなりました~。出演が決まったのは5日前です。まじですか!

インディアン・フルート演奏

二人で選んだ曲は恩師、ネイティブ・アメリカンフルート奏者マーク・アキクサ作曲の「大地のチャント」。北米の大地と精霊が掛け合う神秘的な曲です。
この場の素敵な空気感だけは壊さないように、と願う私達でしたが…
ふ~~~~♪ な、な、なんとかフルートの精霊に助けられたようです。

記念写真

ネモッチ(高校時代からのニックネーム)こと水本みゆきさんの音楽、歌はとても素晴らしかったです。様々なジャンルの曲に挑戦し、あの頃と同じようにがんばっている彼女の姿、深みを増している音楽は感動的でした。

演奏メンバーのパーカッション担当者は同じく吹奏楽部のひとつ後輩の杉浦邦弘氏。
彼も音楽家として大活躍中で、森山直太朗さんの2018オリンピックコンサートのオケアレンジも担当とのこと。
共にコンクールに出場した彼のドラムもまた懐かしく健在でした。
こつこつと音楽を続けている友人達を、心から尊敬し嬉しく思った夜でした。
この日は、幼馴染が応援にかけつけてくれ、高校時代の恩師や先輩後輩にも出逢え、思ってもいなかった喜びを得られ、会場には音楽と笑顔が溢れました。

ライブ終了後、多くの人からインディアンフルートについて様々な質問を受けたのですが、私が何よりも嬉しかったのは、インディアンフルートという楽器を通じて交流が生まれ、なんだかみなさんがとっても幸せそうだったこと。
素朴な笛の音や伝説に驚き興味を持たれたようです。
この笛にはそんな力があるのだと、やっぱり実感した真夏の夜の夢?いや現実でした。

終了後は緊張も解け、奇跡のような一日に感謝しながら健康ランドに宿泊。
温泉と食事、少々のお酒でゆるみました。
「一部の休憩の後にステージで何か吹いてね」と無謀な依頼をしてくれた明るいネモッチ(水本みゆきさん)、きっかけを作ったアンサンブルパートナーのあべちゃん(現 村上祐子さん看護教員)、仕事終了後にかけつけてくれ感想をたくさんくれた幼馴染のちえみ、いでちゃん、素敵なドラムを再び聴かせてくれた杉浦くん、ピアノ、ベース演奏者のみなさん、偶然にもインディアンフルートをお持ちだったハイカラなオーナーさん、皆様お聴きいただきありがとうございました。
インディアンフルートの世界にご興味ご関心をもたれ方は、マークさんのサイトを是非覗いてみてくださいね。

駿河湾

翌朝、健康ランドのカーテンを開けると、窓の外は一面の海。駿河湾です。
横浜市在住のあべちゃんが、遠回りになるにも関わらず一人暮らしの母を訪ねてくれました。
「二重奏を聴いてもらおうよ~」と、彼女も由比の家に高校時代以来の来訪です。
母は30年以上を経ての再会、彼女の成長にも大喜び。優しい気持ちに感謝です。

私は音楽が大好きです。そして、音楽に日々助けられています。

とってもとっても緊張して感動して、はじけて飲んで食べて(2㌔太った)
笑った真夏の奇跡でした。神様、こんなに楽しい時間をありがとう!!

2018夏の風景

カテゴリー: 日常

今年は台風か猛暑、という驚異的な夏となりました。皆様お元気でしょうか。
こう暑くてはからだもグッタリとしそうですが、負けてはいられません!
よく学びよく働きよく遊ぶ!水分を摂りながら夏の季節も元気に過ごしましょう。
私の夏のホッとひとやすみ風景をお届けします。

飯田八幡宮の夏祭り

恒例の故郷、飯田八幡宮の夏祭り。
櫓の上には選ばれた小学6年生が上り、太鼓をドンドンと元気いっぱい叩いています。(いいぞ~がんばれ~)
おじいさんやおばあさん、家族がお孫さんの応援にかけつけています。
小さな田舎のお祭りですが、盆踊りを踊る人、見る人、焼きそばやかき氷を作る人、人と人が集う風景に心和みます。
子供の頃、私は盆踊りの女王と言われていました。(笑)
中心になって踊りまくっていた遠い日の自分が懐かしく思い出されます。

正雪紺屋

実家から徒歩2分、東海道広重美術館の向かい、由井正雪の生家「正雪紺屋」。
夏祭りの日の夕方、蝉の声が響いています。
母がお散歩中に撮影してくれました。
浴衣と下駄と団扇、子供の頃と変わらずにご機嫌状態となります。
身につけるものも季節らしさを、大切ですね。

向日葵

お世話になったAさんが、目黒区のご自宅に元気に咲いたひまわりの写真を送ってくださいました。青空に堂々とむかう大輪の向日葵、きれいです。
植物の生きる姿も、私達に勇気を与えてくれます。ありがとうございました。

ワサビさんは介護中のお母様にSONYのaiboをプレゼントし、遠く離れたお母様に思いがけない元気を届けられたようです。aiboの活躍の様子に私もビックリ&ほっこりです。
誰かを想い、贈ること贈られることも、また楽しみのひとつですね。

aibo

大忙しの毎日ですが、だからこそ仕事一色にしない工夫が必要です。
がんばりすぎて体を壊しても、健康管理ができない自己責任となってしまいます。
介護と仕事のバランス。仕事と生活の調和。
難しいけれども私の周りにも上手に行っている人がたくさんいます。
無理をしすぎないで疲れたら休みましょう。
辛くなったらぽろっと話してみましょう。
ちいさな楽しみをこまめに入れましょう。

この夏のとびっきり元気が出るニュースでした。
自分なりのバランスをとりながら、今年の夏も元気にお過ごしください。

結人夏 暑中御見舞い申し上げます

カテゴリー: ご挨拶

西日本、九州各地の大雨、大阪北部地震の被災者の皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧をお祈りしております。

皆様こんにちは。
今年は猛暑の夏となりました。いかがお過ごしでしょうか。
思わぬ災害が続き各地の被害に心痛む毎日ですが、皆様どうぞご自愛されながら、日本の夏を元気にお過ごし下さい。
私も結人も前向きにがんばります!

2018暑中お見舞い

2018年 盛夏
結人 川上 由里子

嬉しいお買い物をしました。インディアンフルートのツインフルートです。
恩師のマーク・アキクサさんに選んでいただき、6月末のレッスン日に受け取りました。
息を吹き込む歌口に2つの穴があり、1本はメロディーを奏でることができ、もう1本からは単音がでます。
2つの穴から同時に息を吹き込むと、音が重なり深い音になります。

ツインのインディアンフルート

アメリカ、ハイ・スピリッツ社
Odell Borg (オーデル・ボーグ)氏制作のTwo Hawks” A” Walnut

以前から吹いてみたかったツインフルートですので、嬉しくて仕方ない私ですが、息が2倍必要で想像していた以上に大変なのでもっともっと肺活量を鍛えねば!です。頑張りますよー。

一日ひとつ、自分にとっての本物に触れることを心掛けています。
美しい音も、美しい言葉、美しい風景もそのひとつ。

もうひとつのお買い物はこちら、「インディアン・スピリット」(著者:マイケル・オレン・フィッツジェラルド 訳者:山川純子)です。
赤い布で包まれた写真と文字と音の本。
私はネイティブアメリカンの思想がとても好きで、書物もよく開いています。
こちらの書籍は2011年発行で古いものですが、発見できてワクワクです。
ネイティブアメリカンの首長たちの威厳に満ちた写真と言葉、嬉しいことに舩木卓也さんという方のインディアンフルートの演奏CDまでついていました。全てネイティブの部族の曲です。

インディアンの生活でけっして省いてはならない義務、それは祈り。
目に見えぬ、永遠の存在への認識を日々新たにすること。
毎日の祈りは毎日の糧よりも大切だったそうです。

「インディアン・スピリット」は、首長たちの世界観、死生観、祈りを知ることができ、私自身が忘れたくないことを認識させてくれる本でした。
じっくりゆっくり首長の顔を見つめ、音を聴き、頁を開いていきたいと思っています。

私達は文明の進んだ社会で日々めまぐるしく生活しています。
できるならば、流されずに大切だと思うことを大切にしながら生きていきたいですね。

以上、私のささやかな楽しみのお話でした。
皆さんは何をお買い物し何を感じていますか?
良い出逢いがありますようにお祈りしています。

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