ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

秋の「仕事と介護を両立を応援するセミナー」

カテゴリー: 活動報告

先月、社員コンサルティングでお世話になっている企業様からのご依頼で、「仕事と介護の両立支援」セミナーの講師を務めさせていただきました。
昨年に引き続きファイナンシャルプランナーの先生と完全オンライン形式での開催でしたが、夕刻から開始したセミナーでは200名を超える職員が各地から聴講して下さいました。

誰もが遭遇しやすい標準的な介護事例に加え、個別事例を2件ご紹介。
働きながら介護すること、仕事と介護のバランスをとることの実態、そして、40歳から始める備えのポイントについてお伝えしました。

オンラインではお顔が見えず聴講者の耳にどのように届いたのか大変気になるところですが、終了後多くの方々のアンケートを拝読し、伝えたかったことが届き、微力ながらもお役に立てたようで安堵しました。ホッとする瞬間です。

特に懸命に向き合っているお二人の両立事例は、心に響いたようです。

私自身も単独ではなくFP講師との構成セミナーにより、職員の介護が経済的にライフプラン全体にどのような影響を与えるのかを、今年も学ばせていただきました。

近年、経済的な問題に遭遇し相談に訪れる方が以前よりも増えていると感じます。
介護にお金がかかることを初めて知った方々の中には、親や社会への怒り、否定といった感情につながる方もいます。
公的な介護保険だけではなく民間介護保険や認知症保険も増えています。
被介護者に向けた保険のみならず、働きながら介護する方を支援する仕事と介護の両立支援保険へのニーズも高まることでしょう。

事例のご紹介にご協力いただいたRさん40歳は、子育てと夫40歳の介護その両方に真摯に向き合った女性です。
介護においても日々のコミュニケーション力を発揮され、状況を隠すのではなくお互いの職場や周囲(地域)に具体的に伝えました。
配偶者の介護で関わる人が最も間違えてはいけないことは、可愛そうだからと役割を奪わないことと伝えてくれました。
想像をはるかに超えるような辛く厳しい時間であったと思いますが、幼い子どもと協力しながらプラスに変えた女性です。

まだ若い母親の認知症という事態に遭遇したWさんは、離れていても自分の調理した家庭の味を宅急便で届けるなど、工夫しながら愛情を送り続け、そして無理をせず、ご両親を想う介護と自分育ての仕事を続けています。
10年以上に渡り同じケアマネジャーが担当し、家族とケアマネジャーの関係の良さも心強く嬉しいですね。こんな声を聞けるとほっとします。

人生の後半戦は100人100通りの生き方の集大成です。
最も大切なステージを大切にできる社会であってほしい、大切にできる人であってほしいと願っています。
支える人も支えられる人も、情報や実態を知ることにより、早い段階から自分の強みを育てること、前向きに備えることができます。
貴重な機会を提供してくださった企業の皆様、誰かのお役に立てるのならば、と事例を提供してくださった心温かいRさん、Wさん、ご清聴いただいた皆様、アンケートでメッセージを届けてくださった皆様、FP講師、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

夕刻、静岡の友人が幻想的な富士山の姿を送ってくれました。
これは、雪ではなく雲ですよ。まるで富士山がスカーフを巻いているかのようですね。
おしゃれな秋の富士山、いつも見守ってくれてありがとう。

そして、友人からいただいた美しい秋色の銀杏を、封筒に入れてレンジでチンと食す秋 ^^
ビールに合います♪ 新型コロナの感染者も減ってきました!もう少しです。
皆様も小さな秋をお楽しみください。

芸術の秋 心の秋

カテゴリー: 日常

先日、故郷で暮らす幼馴染から1枚の写真が届きました。
「わーーなになにー素敵!」 思わず叫んでしまった私。
彼女がコツコツと学びながら描いた「己書」というものだそうです。
真観 清浄観 広大智慧観 悲観 慈観 と筆で書かれています。

子供や家族の応援、顧客に対面する金融の仕事で大忙しの彼女は、自分の趣味の時間、ましてや創作の時間などはなかなかとれず懸命に走ってきた人生だったと思います。
でも、この慈愛に満ちた絵に、ひとつひとつの文字に、彼女の今が現れていて感動しました。
もしかすると、コロナによって生まれた? 自分を見つめる時間だったのかもしれません。
小学生時代からなんでも話してきた仲良しの彼女は、すでに二人の可愛い孫がいて、海と山に囲まれた町で、4世代家族と暮らしています。
郷里で自分らしい生き方を選択して生きています。
緊急事態宣言が開けたら本物を観に行ってきます。

私自身の芸術は?・・・
今年も音楽の練習に励む日々ですが、森の美術館が恋しくなる季節です。(涙)
残念ながら遠くには出掛けられないのですが、近くで大好きな藤城清治さん(97歳) の影絵の個展があり、銀座教文館に足を運びました。

97歳での制作活動。何故こんなに夢のある世界が描けるのか、本当に素晴らしいですね。
この日、最も心に留まった影絵がこちら。作品のタイトルは「つり橋はぼくのハープ」

1998年に制作し、上皇后陛下美智子様に献上した作品とのことです。
数ある作品の中では色彩もデザインも、とてもシンプル。
このグレーのような白のようなシルバーのような色、光がとてもとても美しく、吸い込まれました。

「海の中のピアノ」。ピアノと小人と魚とチェロが、どんな音を奏でているのでしょうか。

私の父は、藤城清治さんの作品を大層好み、実家には今でも3枚の影絵が飾られています。
その作品は、きっと家族の気持ちを和ませてくれていたことでしょう。
父の心の中にも光や音楽が奏でられ、小人や動物が遊んでいたのかもしれませんね。
私は当時は可愛らしい絵にあまり惹かれなかったのですが、齢を重ねるに連れ好むようになりました。
最も好きな作品は、ラクダに乗った男女が砂漠をゆく静かな影絵です。
藤代清治さんの影絵を見るたびに、自然と父との会話を思い出します。
音楽や美術、文学など、芸術は人のこころに残りますね。

夏から秋へ季節が移ろいます。 
与えられた時間で何を選び、何をするかは自分次第。
皆さん、自分の好きなことを楽しみましょうね。

URウェルフェアガイド完成

カテゴリー: 活動報告

UR都市機構のお仕事で昨年よりコツコツと手掛けていた「URウェルフェアガイドブック~安心して暮らし続けるために~」が完成しました。
UR団地にお住まいの方、ご入居を検討されている方に向けた顧客向け初のガイドブックです。

人は年齢を重ね、体や心は変化します。
サービスを利用する、住宅を少し自分に合わせて改修する、地域と繋がってみる。
そんな方法が、住み慣れた地域、団地で暮らす方々の生活を支え、応援することを伝えたくて制作しました。

URが手掛けている「地域医療福祉拠点化団地」。
2025年までに150団地を目標に着々と整備が進められています。
私は2012年より職員の新しいチャレンジを目の当たりにしてきました。

住宅というハードを作ることのみならず、子供から高齢者まで、新しい時代の住まい方、繋がり方が次々と誕生しています。
試行錯誤しながらも時代の変化、ニーズの変化に挑む職員の姿は素晴らしく、日々感動しています。
私も微力ながらもその一員としてがんばっているのですが…。

住んでいる方々に必要な情報が伝わり、役立つ制度やサービスが受けられなければ意味がありません。
全国に72万戸もの顧客を持つUR都市機構の賃貸住宅。高齢化は年々進んでいます。
困っている方、不安を抱えている方に、相談できる人、場所、制度があることを知ってほしい。
私の願いでした。

先日、このガイドブックを編集した動画の録画が代々木八幡のスタジオで行われました。
その日はパラリンピックの開会式で、上空をブルーインパルスが飛行している時間帯。
何度も空を見上げながらスタジオに到着しました。

制作の現場はちょっとワクワク。
動画制作に関わった方々のアイデア、素敵なアナウンサー女性の声の力、UR本社ウェルフェア研究室の思い。
それらが形となりお住いの皆様へのメッセージが運ばれていく過程はとても楽しい時間でした。

誰かの不安や孤独感を和らげること、誰かの勇気のためにそっと背中を押せること、そのカタチを考えられることは、難しいけれどとてもとても幸せで豊かなことと感じます。
これらは真のニーズを見ようとしなければ作ることはできません。
「これから活躍してね」「暮らしている人の声を、私達に届けてね」とガイドブックに話しかける私です。

現在、この動画がYotubeのUR都市機構チャンネルに掲載中です。
飛び出す絵本のような動画を御覧ください。
UR団地に限らず、多くの皆様にもきっと、新たな繋がり、住まい方を感じていただけることと思います。
ちょっと繋がりちょっと支え合う。私はそんな社会を目指し、新しい人材育成を続けていきます。

追伸
ウェルフェア研究室では、今年もオンライン、または併用型(テレビ会議、会場対面)での人材育成にもチャレンジしています。
7月「ウェルフェア基礎研修」8月「認知症サポーター研修」9月「介護保険基礎講座」の研修を計画実施、講師を努めました。10月は「生活支援アドバイザー新任研修」です。
毎回良かったことも反省点も多々ありますが、前に進む力となりますように、一歩一歩努めます。

先日開催された職員向け「介護保険基礎講座」。
後半の講師を努めた元気溢れるKさんと終了後にパチリ、ほっと一息の瞬間でした。

主婦の友社「ゆうゆう」9月号

カテゴリー: 活動報告

ワサビです。

7月30日発売の主婦の友社「ゆうゆう」2021年9月号に川上さんの取材記事が4ページにわたって掲載されています。
ぜひ書店にてお確かめくださいね。

主婦の友社「ゆうゆう」2021年9月号
2021年7月30日発売

おひとりさまの認知症対策
⚪︎生活の支援をフル活用し、なるべく自宅で暮らす工夫を
⚪︎認知症の人が生活できる施設、住まい

大手町の自衛隊東京大規模接種センターへゆく

カテゴリー: 日常

暑い夏、コロナ感染拡大が止まらない日本。医療者の負担増。

6月末より大手町の自衛隊大規模接種センターへ、ワクチン接種のお手伝いに足を運んでいます。
ワクチンの打ち手不足といった状況下での思い切った志願。
久しぶりのナース業務の為どきどきでしたが、5月GW中に東京都看護協会で筋肉注射の実技研修を受講し学びました。
自分自身の接種は6月20日に終了。
何かをしようと決めると不思議と自分に必要な情報、機会がポンポンと現れます。

よし、大丈夫、いけそうだ!13年の臨床経験が背中を押してくれました。
通常の本業を大切にしながらの働き方を描き、企業、場所を選択。
センターまでのルートも下見。そして、いざ足を運んでみると・・・
自衛隊の皆様のオペレーションの素晴らしさに感動しました。

ワクチンを受けに来る人も、ワクチンを打つ医療者、事務の方々も、皆安全安心に配慮しながらセンター全体はとても前向きな空気。
スピードが求められる大規模センターですが、来場者には不安を与えないよう最善の注意を払っています。
次第に慣れてきた私は、とても不安そうな表情で訪れた方、緊張している方には、ちょっとした声がけを。
緊張感がふっと和らぐのがわかります。

有事の時には役立てる人でありたい。
これまで阪神、東北の震災にも現地に入りました。
あの頃のようにバリバリナースではなくなりちょっと寂しくもありますが、ナースのライセンスをとってよかった~。
私自身の原点を思い出しこれまで受けられた教育、経験に感謝する日々です。
そして自衛隊、多くの医療者、ご来場者の皆様から毎回学びを得ています。
どんな時も今できることにベストを尽くすのみです。
ひとりひとりの力、行動が大河の一滴だと信じています。

自衛隊の皆様、医療者の皆様本当にありがとうございます。お疲れ様です。

さて、久しぶりの真っ白なユニホーム。
最近はワンピースよりもスクラブが主流とのことで私も初スクラブを選び購入しました。
昔よりもコロコロと丸くなった私ですが、どんな衣を買うときよりも嬉しかったことが驚きでした。
白衣は私の原点、ナースを志した始まりのときのユニホームです。

2021年盛夏 皆様どうぞご自愛ください。
一日も早く新型コロナウイルス感染症が終息し、穏やかな日常が戻ることを願っています。  

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