ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

企業で働く従業員とそのご家族への介護講演会

カテゴリー: 活動報告

5月末、東京駅からのぞみ号に乗りトヨタ町まで出かけてきました。
今回の講演のご依頼テーマは「~介護と仕事の両立のために~認知症と遠距離介護」。
私自身の抱えている大切なテーマでもあります。

セミナー資料

長寿化が進み認知症を患う高齢者が増えています。
認知症は、なんらかの原因で脳の神経細胞の働きが悪くなることにより、慢性の記銘力低下が起こり、“生活上の支障をきたす”状態です。年齢相応のもの忘れとは異なる「病気」です。
認知症は原因も症状も対応も一人ひとり異なります。

認知症の中でも最も多いのがアルツハイマー型認知症。
残念ながら現在の医学では完全な予防や治療法はありません。
発症の時期がはっきりせずに徐々に進行すること、おかしいと感じた家族の対応が遅れること、行動を正そうとすることで逆に進行させてしまっていること、周囲の偏見や誤解が多いことなどで、残念ながら様々な悲しい問題が起こっています。

アルツハイマー型認知症の次に多いのが脳血管型認知症で、脳梗塞や脳内出血などを原因とした認知症です。こちらは高血圧や高脂血症など、日常生活習慣を整えることで予防ができます。

セミナー資料


セミナーではどうしたら参加者の方々が前向きに理解しやすいかを考え、全体の流れ、伝える言葉、画像など、最後の最後まで工夫します。
知識を得るというよりは、自分のこととして感じていただきたいと思っているので、頭だけではなく心に伝わる表現をとても大切にしています。まず心が動かなければ体は動きません。

セミナー資料

また、世界中で効果を認められてきた大切なノウハウなど、セミナーの為には多くの引き出しが必要です。
私も実際のケアに携わると共に、これまで数々のセミナーや研修に参加してきました。
杉山孝博先生、静岡の増田未知子さん、インゲ・ダ-レンボルグさん、永田美智子さん、クリスティーン・ブライデンさん、みなさん心深くあたたかく、貴重な知識とともに多くの感動と勇気をいただいてきました。

セミナーでは私自身の体験もお伝えさせていただきました。
認知症を患っても心は生きています。こちらが癒されたり励まされたり学ぶこともたくさんあります。
周囲の接し方やケアで症状の進行を緩和し穏やかに過ごすことができる、ということを知っていただきたいと願いながらお話をさせていただきました。

講演後は多くのご参加者から切実なご質問を頂きました。
あらためて働く人にとっての介護の現状を知ることとなりました。
現在、制度やサービスを使ってさまざまな工夫ができる時代です。
運動、食事、記憶を刺激する学習など認知症の予防も研究が進んでいます。
元気なうちからさりげなく情報を得る仕組みが求められていることを感じました。

 

終了し外に出るとすっかり陽は落ちていましたが爽やかな風が吹いていました。
ういろうを買って新幹線に飛び乗り、今日一日に感謝しながら無事帰路につきました。

ご依頼頂きました日本生命保険相互会社、トヨタパーソナルサポートのご担当者様、駆け付けてくださったトヨタマーケティングジャパン(トヨタ福祉車両ラクティス広報)のご担当者様、長時間に渡りご清聴いただきました皆様、ありがとうございました。
心あたたかい皆様に私も励まされました。働く皆様、ご家族の皆様の暮らしにひとつでもお役にたてることがありますようにと願っています。

認知症になっても問題なく支え合っていける地域や職場、家族や友人で助け合える社会を目指して、今日できることをひとつでも行い続けます。

 

※参考 gooヘルスケア 認知症関連記事を3回連載で執筆しています。
是非のぞいてみてください【13~15回 https://yuito.jp/media#goo

※誰でも参加できる「認知症サポーター制度」はお勧めです。
http://www.caravanmate.com/whats.html

緑の季節 自分の心を整える

カテゴリー: 日常

冬が過ぎて春がきて、
街に緑やお花が溢れる季節となりました。
嬉しいですね。

様々な形の葉や花が、
それぞれに生き生きと笑ったり話したり踊ったりしているようです。
最近、東京の生活圏で出会った緑をご紹介します。

梅

良くお散歩する皇居
見事な枝に青い梅がたわわに実っているのを発見しました。
なんだか嬉しい

茶畑

茶畑の緑もよいですね  新茶飲みました。食べました。

晴海のバラ

中央区晴海に咲く薔薇  少し珍しい形、明るい色
元気を与えてくれます。

白バラ

こちらは フローレンス.ナイチンゲールという白い薔薇。
気品と優しさの両方を感じますね。

さて、私が考える大人の条件は、
どんなに忙しくても困難があっても、自分を整えることだと思っています。

自分の心を整える為の引き出しはなんでしょうか。
皆さんはどんなもので自分を整えていますか?

巡る季節の中で出逢う緑の息吹、
季節に沿い必ず咲く植物の強さ美しさを感じる時間は
静かに自分の心の声を聴き整える時間を持たせてくれます。
焦っていたり奢っていたり偏ったり怒ったりしてしないかな?

それでも、私は私でありますように。

私達は美しい季節を感じる国に生まれました。
緑の息吹を感じてたくさん深呼吸をしましょう。
皆さんも私もどんな時も自分を整えて、
自分らしくありますようにと願っています。

gooヘルスケア

ワサビです。
先日【gooヘルスケア:介護用品の上手な活用で介護生活を豊かに】が配信されました。
ぜひご覧ください。(バックナンバー一覧はこちらから)

介護用品の上手な活用で介護生活を豊かに

本人の自立を助け介護者の負担を減らす、在宅介護の強い味方

何が必要なのかをしっかり見極めて選択しましょう

 前回の「高齢期の住環境を整えるリフォーム」では、高齢期には体の状況に合わせて住環境を整える必要があることを書きました。住環境の整備において、リフォームとともに導入を検討したいのが、福祉用具などの介護用品の活用です。

 福祉用具とは、車いすや介護ベッドなど加齢や病気などで低下した身体機能を補って日常生活の自立を助ける用具(機器)、義肢などの補装具、食事や身支度など日常生活動作を補う自助具などのことをいいます。この福祉用具を含み、紙おむつや介護食品など、介護に役立ち広く使用されているものを介護用品と呼んでいます。今回は、介護用品の上手な活用方法についてご案内します。

続きを読む

朝日新聞
ワサビです。

5/11(土)の朝日新聞のベネッセスタイルケア様の広告記事に約半ページにわたりインタビューが掲載されました。

いざ介護が必要になった時、自宅に住み続けるのか、また有料老人ホームなどの施設に住み替えるのか、自分や家族にふさわしい介護スタイルを選ぶポイントについて語っています。

ぜひご覧ください。

記事のpdfはこちらから。(0.7MB)

故郷で桜えび漁船に乗る

カテゴリー: 日常

風薫る五月となりました。
郷里の静岡市清水区由比で一年に一日だけ開催する「由比桜えびまつり」。

昨年は雨天でしたが今年は快晴に恵まれたおかげで、人口1万人に満たない小さな町に7万人もの人が訪れ、由比漁港も、旧東海道も大変な賑わいでした。

私も幼馴染と桜えび漁船に乗ったりして、爽やかな桜色の一日を満喫することができました。
皆様もぜひ一度遊びにいらしてくださいね。

由比桜えびまつり由比桜えびまつり由比桜えびまつり由比桜えびまつり由比桜えびまつり

スタッフのワサビです。

テレビ東京「NEWSアンサー(月~金/16:52~17:20)」で川上さんが一日密着取材を受けることになりました。
テーマは「遠距離介護」で、静岡に帰省されてお父様を介護される様子や、遠距離介護に役立つ情報などをご紹介する予定です。
テレビ東京系列が受信できる地域の方は、ぜひ今すぐビデオ録画予約をお願いいたします。

■ テレビ東京「NEWSアンサー」
http://www.tv-tokyo.co.jp/newsanswer/
[放送予定] 2013年5月16日(木) 16:52~17:20


また、遠距離介護をする川上さんの思いを書かれたこちらの記事も合わせてご覧ください。
遠距離介護5年目の春

川上由里子のやさしいケアガイドセミナー

人は生まれ、歳を重ね、人生の春夏秋冬を経験します。秋から冬にかけてのステージは、長い年月磨いてきた私らしさが輝く一方で心身の変化に戸惑いを覚える季節、私たちは消極的な生き方を選んでしまいがちです。一度しかない人生です。高齢期だからこそできる、自分らしい暮らしのデザインが必要です。

2000年から介護保険制度が始まり、介護が必要になった時、周囲の力を借りながらサービスを上手に活用し工夫ができる時代となりました。介護保険制度、サービス、商品の上手な活用方法、高齢者施設や新しい高齢者住宅など、支える人の暮らしに役立つ情報やノウハウを実例を使いながらお伝えします。

また、セミナー後にはケアサロンとしてQ&Aコーナーを設けました。日頃介護に対して感じていることや、お悩みのある方もお気軽にお越しください。


川上由里子の やさしいケアガイドセミナー 
“介護サービス活用法と住まい方”

日時 : 2013年6月8日(土) 14:00~ (開場 13:30) 
定員 : 25名(先着順)
場所 : スペース人形町 サロン・ポリフォニー
   (東京都中央区日本橋人形町2-11-10 コフジビル4F)
入場料 : 3,500円(テキスト「川上由里子のやさしいケアガイド 介護保険編」含む)
主催 : サロン・ポリフォニー

【プログラム】
14:00~15:30 介護セミナー「親の暮らしを守る介護サービス活用法と住まい方」
15:40~16:30 ケアサロン Q&Aコーナー

◆お申込み/お問い合わせ先
サロン・ポリフォニー
電話 : 03-6231-1994 (平日11~18時)

FAX : 03-6231-0297
Email : polyphony@oh-can.jp


これまで、様々な企業や団体からご依頼をいただき 数多くのセミナーを行って参りましたが 一般公開のセミナーはほとんどありませんでした。
小さいけどあたたかいセミナーは私の長年の夢でもありました。
足をお運びいただけた皆様の思いと共に、小さな種を蒔き育てて行けたら と思っています。

近未来の新しい乗り物

カテゴリー: 日常

超小型モビリティ

美容院に出掛けた帰り道、思わず足を止めショールームを覗きこみました。

これは日産が開発中の超小型モビリティとのこと。可愛いですね。
車好きな私は興味しんしん!オートバイのように二人乗りですよ。
1回の充電で100kmまで、80万円程度での販売が予定されているそうです。

超小型モビリティ

超小型モビリティ

高齢者の交通事故の増加、外出機会の減少、
軽自動車でも原付でもない電気自動車のコンパクトカーが
高齢者の移動を手助けしてくれる時代もそう遠くないようです。

が… まだちょっとイメージができにくいですね。

車の運転が心配
外出したいけど足腰が弱くてできない
運転させるのが心配
高齢期の移動手段に関しては様々な声が聴こえてきます。

外出には様々な効果があり、いつの時代も大切ですね。

大切な体と心、いつまでも動けますように。

遠距離介護5年目の春

カテゴリー: 思うこと

50年以上に渡り患者さんの健康を守ってきた父が、
支えられる側になってから5回目の春を迎えました。
私の東京と静岡を繋ぐ遠距離介護も早5年。

先月、父の全身状態が低下し入院しました。
人のターミナル期にはどうしても医療が必要となりますが
父が地域でしてきたように在宅で診れる医師がおらず…とても残念です。

今回の入院ではもう自宅に帰れないものと家族の誰もが覚悟しました。
最近笑うことが少なくなってしまった父。
今回の入院もさぞ不安が強かったことと思います。

「みんなによくしてもらってありがたい。」
その晩、病院のベットで生まれて初めて父の涙を見ました。

幸い数日後、父は無事退院することができ、自宅でお花見を迎えました。
裏の八幡神社から桜の枝を一枝いただいて
紫のムスカリ、黄色のフリージャ、紅いラナンキュラスなども
テーブルの上に並べ、明るい春のリビングでの小さなお花見でした。

介護のある暮らしは特別なものではなく、これまでの暮らしの延長です。
大変さを数えたらきりがないけれど、

例えば…

自分の足で一歩一歩と歩くこと
美味しいね、と食べること
庭に訪れる鳥の囀りを聴くこと
一緒に季節の花を楽しむこと

元気な時にはさらりと流れていたひとつひとつの瞬間に心がとまり、
その時間に感謝するのが介護のある暮らしでもあります。

東京に戻り空を見上げると桜の向こうにうっすらとお月様。
その夜は父の隣に毎日寄り添っている母の明るい笑顔が浮かびました。
人を支える強さ・・・凄いことですね。
だからこそケアする母を支えようという気持ちになります。

夜桜

全国を巡る講演で私が必ず伝える心のメッセージがあります。
人を支える介護は大変なことの連続ですが、今は工夫ができる時代となりました。

そして、介護した人だからこそ得られるものがあります。
目に見えないけれどお金では買えないとっても大切なものです。

私達は親の介護を通して、いつか来る自分の老いを学んでいます。
私達は誰かを支えることを通して、自分が支えられることを学んでいます。

介護中の皆さん、誰かを支えている皆さん、お疲れさまです。
自分の健康と笑顔を大切にしましょうね。

遠くにいても近くにいても 
思うことで人は繋がっています。

来年度も結人yuitoケアを大切に、人から人へ繋げてゆきます。

父と

2年前の2011年2月、最後の医師会の会合に出席

長年過ごした医師会で父は最後のご挨拶、
感謝と応援の気持ちを伝えていました。
スーツにネクタイは父の定番スタイル。
私は仕事を休み、最初で最後の医師会アテンドでした。
父の人生の大切な1ページ、川上先生 86才 要介護1 思い出の写真です

gooヘルスケア

ワサビです。
先日【gooヘルスケア:高齢期の住環境を整えるリフォーム】が配信されました。
ぜひご覧ください。(バックナンバーはこちらから)

高齢期の住環境を整えるリフォーム
~リフォームを考えるうえでの大切なポイントを紹介~

住み慣れたわが家で最後まで自分らしく暮らすためには、心身の変化に応じた住環境整備が必要です。

高齢期には体に合わせて住環境を整えるという視点が必要

 住まいは暮らしの拠点です。高齢になったからこそ住み慣れた地域に、愛着のある自宅に、長く安心して住み続けたいと願う人は多いでしょう。ところが、加齢により身体機能が低下したり介護が必要となると、住み慣れた住まいにも不便や危険が生じることをご存知でしょうか。

 高齢者の死亡原因では、家庭内事故が交通事故よりも多くなっています。「退院といわれても自宅では生活できない」「お風呂やトイレで転倒しかけた」などの声をよく耳にしますが、危険な箇所をそのままにしておいては、自宅で転倒・転落したり、入浴中に溺れるなどの事故につながる可能性があります。

 長年暮らしていると、住宅に大きな手を加えるという発想は起こりにくいものですが、高齢期には体に合わせて住環境を整えるという視点が必要になります。今回は高齢期の暮らしの拠点である住まいの住環境を整えるリフォームのポイントについてご紹介しましょう。

続きを読む

« 戻る次へ »