先週帰省した際にちょっと脱水傾向がみられた父(88歳)。
高齢者にこの暑さは堪えます。
昨日、気遣いながら郷里に電話をかけてみると・・・
「凄い暑さだから、熱中症に気をつけなさいよ」
おっと、おっと 久しぶりに聴きました。
川上先生(医師)の力強く、懐かしい声でした。
先を越された私でしたが、
「そうね、水分をこまめに摂って気をつけるね。ありがとう。」
人間は心配されるよりも、誰かを心配して気遣いできることが生きる力に繋がりますね。
遠方の娘を心配できる状態にまで回復していて安心しました。
とはいえ、日頃からの脱水対策や予防は大切です。
先日も「素人でも脱水かどうか見分けることができるのかな?」
こんな質問をいただきました。
今年は周囲でも「まさか自分が…」と若い人でも脱水状態となり熱中症にかかっています。
脱水症であるかどうかは、本人の身体状況と環境要因この二つの側面から見てください。
【身体の状況】
<全身をよく観察しましょう>
□ いつもより元気がなくぐったりしている
□ 皮膚がカサカサしている 唇、舌、腕、腋下など
□ 皮膚の弾力性がない
□ いつもより身体が熱い
□ 顔色がすぐれない
□ 意識が朦朧としている
□ 頻脈
<会話からも情報を得ます>
□ 食事や水分をとっているか
□ トイレの失敗や億劫などという理由から水分を控えていないか
□ 何かをする気力が落ちていないか
□ 喉が渇いているか(高齢者の場合自覚がなくなりやすい)
□ 嚥下障害がないか
□ 高圧利尿剤など服薬中の方は適切にできているか〔飲みすぎていないか)
□ 下痢や嘔吐などをしていないか
□ in(飲食)とout (排泄、汗など)のバランスの不均衡がないか
【環境要因】
<室内の様子を五感で感じましょう>
□ 室内の気温、湿度
□ 光や風の動き
□ 扇風機やエアコンが直接当たっていないか
□ 水道や冷蔵庫までの動線 が確保されているか(自分で動ける場合)
□ 介助者の知識や理解、及び体力低下などはないか
日頃から室内を涼しく整え、お茶やミネラルイオン飲料やスポーツドリンクを少しづつこまめに取るようにしましょう。
水はわたしたちの体の源。
高齢者であってもちびちびとこまめにたっぷりと、一日1,000~1,500cc程度は必要です。
郷里の母は塩と砂糖を調合した命の水を、たっぷりと冷蔵庫に常備しています。
水分を好まない場合にはスイカや桃などの果物、ゼリーなど水分を多く含む食品からも摂取できます。
発熱、下痢、夏場の脱水症状時の水分、電解質補給に適した経口補水液(参考:経口補水液 OS-1)なども市販されています。すでに脱水の傾向がある方の改善にむいています。
飲み込みが難しい方には、水分にトロミをつけ飲みやすくするトロミ剤なども活用できます。
また、手軽にいつでも水分を撮れるカップや水筒などの工夫も必要です。
ワンタッチでストロー付きの水筒なども便利ですよ。
吸湿、吸汗効果の高い木綿やガーゼ素材などの天然素材、アロハシャツや甚平など、ゆったりとしていて通気性の良いデザインの服を選びましょう。
高齢者でなくとも体内の水分が不足すると血液がどろどろになり、脳梗塞や心筋梗塞をおこしやすくなります。
先日、40代の息子と同居していた両親が熱中症で亡くなるという悲しい事件を耳にしました。
日頃から声をかけあい、何だかおかしいと感じたら近くにいる専門家に早めに相談しましょう。
この夏も美味しい水をたっぷりと取ってくださいね。
近所の花火大会より