ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

8/29 千葉県県友会 介護講演会

カテゴリー: 活動報告

8月29日、まだ残暑が残る土曜日。
千葉県県友会様夏季例会での介護講演会に行ってまいりました。
テーマは「〜高齢期の暮らしをデザインする もしも家族が認知症になったら〜」。

ホテルポートプラザちば

会場の千葉みなと駅前の「ホテルポートプラザちば」

千葉県県友会は千葉県庁の土木課のOB様、60〜90代の知的な男性の皆様で構成されています。この日は90名近くの方がご参加されました。
春の打ち合わせを経て、会員の皆様の暮らしにお役立て頂くためにこのテーマをご提案し、お伝えさせていただくこととなりました。

今回は、1.認知症の基礎知識、2.実例4ケースのご紹介 家族の対応やケア、3.認知症予防という流れでお話しさせていただいたのですが、皆様最後まで熱心に耳を傾けてくださいました。

セミナー風景

講演会終了後には懇親会があり、美味しいお料理とお酒をいただきながら皆さんと色々なお話をさせていただいたのですが、驚いたことにご自身が奥様の介護をしている方が複数いらして、皆さんそれぞれの形の体験談を聴かせてくださいました。

「今日はショートステイに預けてきたんだよ。」笑顔の奥様の写真を見せてくださいました。
「先に亡くなっちゃたんだよ。」
「ホームのお世話になって助かったんですよ。今はいろんな介護の形がありますね。」

「今日の講演の中で印象に残ったのはやさしい心。認知症になっても大切なんですね。」
「一人ぼっちにさせないってことですね。」

最新の情報よりも、“やさしい心を持つことが大切“ ”認知症になっても感情は残っている” が印象に残ったという感想をお持ちの方が多かったことも、私の学びになりました。
ケアの世界では当たり前の知識も、まだまだ一般の社会には伝わっていない現状を感じます。
たとえ認知症の疾患や背景を理解していたとしても、日々日常生活に支障をきたす家族にとって、やさしさを持ち続けるのは簡単なことではありません。
まして認知症の人の心を理解していなければ、「やさしい心も届かないだろう」と思ってしまうのもしょうがないことかもしれません。

“介護のはなしをしましょう”  
声に出すことで様々な発見があり、自分自身の心の声も聴こえ、介護されている人の気持ちにも目を向けられ、明日に進むことができます。 
誰もが平等に齢を重ね、そこには喜びと哀しみ、光と影の両方が存在します。
1人の小さな体験も話すことで、客観的に俯瞰することができ、必ず誰かの何かの役に立っていきます。

いつもこう思っている私ですが、こうしてごく自然に明るく介護や暮らしのはなしができるのはとても良いことですね。嬉しくなりました。

セミナー風景

集まって知識や情報を得たり、交流をしたり、みなさんよく食べ呑み、よく学び笑い、私にとっても大変刺激になる会でした。
このような繋がりが高齢期の暮らしを豊かにするのではないでしょうか。
職業を通じた財産ですね。

介護のある暮らしからは様々な学びが得られます。
それは人にとって、とても大切なものだと思います。
不十分な点も多々あったことと思いますが、素晴らしい人生の知恵や体験をお持ちの大先輩の皆様に、何か少しでもお伝えすることができていたら幸いです。

皆様らしい高齢期の暮らしを応援しています。
千葉県県友会N会長様、事務局の皆様、ご清聴いただきました皆様、そして今回の会にご推薦いただき、当日業務終了後に駆けつけてくれたR子さん、素敵な夏の一日をありがとうございました。

ほろ酔いの帰り道、父が人生の引き出しを一つひとつ閉める作業により添えたことに感謝しながら、電車に揺られ帰宅しました。
「よかったね。」と父の声が聴こえてきました。あらゆる体験に感謝しています。

エーザイ・パンフレット

エーザイ(株)様のご協力により、ちびまる子ちゃんイラストのわかりやすい
パンフレットも全員に配布させていただきました。体験者の声も心を打ちます。
ご協力に心より感謝いたします。【e-65.net】

8月14日 「ノンストップ!」生放送が無事終わりました。
「ノンストップ!」を観てくださった皆様、応援してくださった皆様ありがとうございました。

台本

親と離れて暮らす人が増えています。家族の形も大家族から核家族へ。
一昔前のような嫁が介護をすることが当たり前の時代ではなくなりました。
現在最も多い介護者は配偶者、つまり老老介護が増えています。
国の推計では今後ますます単身高齢者が増え、介護者不在の家庭も増えていくことが予測されています。

離れて支える人側からの相談も年々切実になっています。

・ 遠距離で暮らす家族の介護を理由で退職を迫られる人。
・ 退職後に経済的に困窮し、親とともに引きこもりになり介護うつを患う人。
・ 未婚者だから、女性だから当然、と兄弟や親族から介護を強いられる女性。
・ 時間やお金が負担となり体や心の健康を壊す人。
・ 発見が遅れ家族の認知症対応が遅れ進行してしまう人。
・ 妻から「自分の親をみるからあなたは自分の親を」といわれ、ひとり介護に奔走する男性。
・ 同居できない状況から、言いようのない罪悪感を抱えている人。
・ いざという時に駆けつけられない緊張感や不安を常に抱えている人。
・ 親を呼び寄せたいが住み慣れた地域を離れたくない親


今回の番組出演では、ほんの一部の情報やメッセージにすぎませんでしたが、
・ 長期にかかる介護費用、帰省費用も大きな負担となる。
・ 困難なことが様々あっても介護で仕事を辞めない。介護一色にしない。
・ 仕事と介護、自分の暮らしと親の暮らし。両方のバランスをとりながら続けることの大切さ。
などをお伝えさせていただきました。

放送された元日テレアナウンサーの石川牧子さんは、仙台東京間の遠距離介護を7年間続けながら、パイオニアとしての仕事も続けられました。
私自身も遠距離介護中、仕事は大きく広がり深まりステップアップしました。
むしろ介護体験が私にも、社会にも役立つものとなった気がします。
自分の仕事は自分を支える大きな柱。諦めないで続ける方法を探しましょう。

2000年から介護保険制度が始まり、頼れるサービスが低価格で利用できる時代となっています。
頼れる他人を上手に活用しましょう。近所の方とのコミュニケーションも大切です。
役立つサービスを下の表にまとめました。これは企業の従業員向けセミナーでご紹介させていただいている一部ですがご覧ください。

また、まだまだ誰もが利用できる状況ではないようですが、働いている人であれば介護休業制度の活用もそのひとつです。

セミナー資料より

川上オリジナルセミナー資料より
(クリックにて拡大)

「ノンストップ!」の番組では後半、役立つ商品が紹介されました。
音で飲み忘れを知らせてくれる薬箱、ロボットとの連動、靴の底にGPSを入れることで居場所を知らせてくれる商品、親の安否を遠隔に知らせてくれるサービス。
様々な商品・サービスが人と人の距離を近くして、サポートしてくれます。

遠距離をサポートするサービスはひと括りに制度化されているわけではないため、自分の状況に合わせた情報を入手するのは少し難しいのですが、お近くの地域包括支援センターに地域支援サービスについて尋ねてみたり、お住まいの市区町村のサイトを見てみるなど、日頃から情報にアンテナを張っておくことが大切です。
また10月1〜3日には、毎年恒例の東京ビックサイトで国際福祉機器展H.C.Rが開催され、多くの福祉機器が実際に体験できます。是非お出掛けください。

【第41回 国際福祉機器展 H.C.R.2014 公式サイト】

同居であっても遠距離介護であっても、何より大切なのは支える人の健康です。
運動、食事、休養、自分自身が健康で笑顔でいられるための習慣を身につけてくださいね。
これは、長年の習慣や関係が影響します。
ひとりで抱え込まずに誰かに話すことで、心に窓ができ、そよ風が入ります。
共に良い方法を探しましょう。

自分の人生と親の人生、その両方が大切にできる社会でありますように。

フジテレビ

お台場にあるフジテレビスタジオ
自宅からは台本を見ながらタクシーで20分。当日は7時30分に到着しました。

テレビ出演生放送は初めての体験でドキドキしましたが、ご依頼をいただいてから本番終了まで、スタッフ・ディレクターさんの活躍、当日の司会カズさんの頭の回転の早さ、出演者の方々の見られることへのプロ意識、スタジオのスタッフの活気、出演者への配慮などなど、印象に残ることがたくさんありました。
ご覧頂いた方からも多くの反響をいただき参考になりました。
良い機会をありがとうございました。

ヨーガンレールの服

テレビ出演の記念に♪
と購入した緑のシャツジャケットとバルーンスカート。
長年愛用しているヨーガンレールに駆け込んで即決めでした。疲労感満載でしたので、こんな楽しみをプラスすることで自分のテンションを上げました。^^

ワサビです。

川上さんが8/14(木)にフジテレビ「ノンストップ!」の「働く人の遠距離介護」特集に出演することになりました。
お盆休みの方はぜひご家族でご覧くださいね

番組名:フジテレビ「ノンストップ!」
日時:2014年8月14日(木)9:50〜11:25

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