ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ

遅い夏休み2013

カテゴリー: 日常

9月末、ようやく私のささやかな夏休みをとることができました。
あずさ号に乗車し車窓を楽しみながら安曇野方面へ、松本駅からは大糸線に乗り換えて合計約4時間。

穂高養生園

大糸線の有明駅で下車

自然に囲まれた「ホリスティックリトリート・穂高養生園」は、私の大好きな木の香りのする美しい場所です。
いつもこのブログを読んでくださっている皆様に感謝を込めて、癒やしの風景をお伝えしたいと思います。

穂高養生園

穂高養生園の玄関に到着!

大好きな穂高養生園、再び訪れることができた喜びを感じながら透明な秋の空気を胸いっぱいに吸い込みました。
新鮮な空気、鳥の声、風のささやき、沢のせせらぎ、からだに優しい食事、清らかな温泉、心優しいスタッフ。テレビやお酒や豪華な食事はありません。

穂高養生園

デッキにごろん、やさしい秋の空が見えました。風が踊り空が輝き、光と慈しみでいっぱい。目をつぶると葉の揺れる音、水の音が聴こえてきました。あ~~癒されます。

森の家

森の家

中央が森のキッチン 右奥が今回宿泊した森の家、右手前が森に面した露天風呂。

穂高養生園

正午、9月のやわらかな陽射しを浴びる森の家

さまざまなものがのびのびと気持ちよく呼吸していることを感じます。

美味しいお水

美味しいお水

太陽をたくさん浴びたハーブがたっぷりはいったハーブ水(無料のみ放題)
ごくごくいただくと、ほんのりといい香りがします。

森からの贈り物

森からの贈り物

ちいさな秋を探してきては手のひらに集め並べます。
こんなことってやっぱりとても楽しい。

健康的な住まい

健康的な住まい

住まいはすべて無垢の木で手作りされています。
小さな室内にはベッドと1人がけソファのみ。
私の麻のワンピースも陽射しを浴びながら気持ちよさそうに揺れています。

今回宿泊した「森の家」では携帯電話がつながりません。
最初はちょっとどきどきしましたが、すぐに慣れ身軽になりました。
これが普通だったのですよね。
私たちは便利さや安心を得た代わりに何かを失っているようにも感じます。
時には“何も持たない”ことも大切ですね。

真っ暗な森の夜

真っ暗な森の夜

虫の音と川の流れるせせらぎが聴こえるだけ。怖いくらいの静寂と暗闇です。
その中で、無数の星がきらきらとこちらに向かって輝いています。
白く長く天の川が流れています。
首が痛くなっても寒くても、毛布に包まりながら見上げ続けます。本当にきれい・・・。
人生の幸せや哀しさを胸に、いろいろなことを一生懸命祈ります。
いろいろな人のことを想います。

森の中のワークショップ

森の中のワークショップ

森の中なのでどんなに大声をだしてもまったく問題ありません。
シンプルな樹の住まいも森の一部となり呼吸しているようです。
なんと美しいのでしょうか。朝のワークショップ前に撮影しました。

アレクサンダーテクニーク

穂高養生園では魅力的なワークショップが開催されています。
今回の旅では念願のジャズシンガー鈴木重子さんのワークショップ、「アレクサンダーテクニーク」を受けることができました。
アレクサンダーテクニークとは「こころと体の使い方を見直すメソッド」。
本当の声とはなんでしょうか?
よどみなく、深く静かな、その人自身の存在に近い響き、と重子さんは言っています。

私はこの日、自分の作ったエッセイを朗読してみました。
アドバイスされたように声の意識の方向を変えてみると・・・
突然私の声の響きが変わりました。すぐに反応したのは聴いてくれていた皆さんです。
思いがけない素晴らしい体験をすることができました。
この体験をしたい方には「アレクサンダーテクニーク」を体験してみてください。
言葉では説明ができませんので・・・。
声は私たちのからだの一部、意識の現れです。
これまであまり意識してきませんでしたが、自分らしい声を大切にしたい、声というものがあることに感謝した時間でもありました。

森の中

早朝、皆さんと共に森の中に深く入りました。
目をつぶってみてください・・・
今聴こえるものに意識を向けてみましょう。何が聴こえていますか?
目を開けてみてください・・・
今どんなものが見えますか? 何に目がとまりますか?
重子さんの声が森の囁きと同じようにやわらかく聴こえてきます。

アレクサンダーテクニーク

人の基本は“頭と脊椎の関係性”そのことを繰り返し学びます。
夜は月明かりに、昼は太陽の陽射しを浴びてすごします。
OLさん、女医さん、専業主婦さん、アートに関わる方、建築士さん、学生さん、様々な方が参加していました。
何よりも飾らない、支配しない、押し付けない、重子さんの一人ひとりを思う優しさが私の心には灯りのように残りました。
素敵な女性、自分らしい女性に出逢えると嬉しくなります。

最終日、屋外での昼食時間

最終日、屋外での昼食時間

穂高養生園

マクロビオティックを中心とした玄米菜食
いただく前には必ずキッチンスタッフが献立の説明をしてくれます

美味しい~!感激~!!
養生園キッチンスタッフが心をこめて作ってくれるマクロビオテックのお料理は、本当に美味しくて涙が出るほど感動してしまいます。
からだが喜んでいるのがわかります。
こんな食事をしていたら健康にならないはずがないでしょう。
数日の体験で感じたこと、発見や驚き喜びで会話もはずむ食事時間でした。
京都や名古屋、東京、神奈川など皆さん遠方からの一人旅、透明感のあるきれいな女性たちで、ほんのひと時ですが時間を共有し共感しあえたことに感謝です。

お猿さん、ありがとう。また来るからね。

お猿さん、ありがとう。また来るからね。

自分のからだの声を聴いていますか?本当の自分を大切にしていますか?
何かの為に一生懸命生きることの連続だからこそ、誰にも心がけてほしいことです。
鈴木重子さんも言っていました。
ケアする人だからこそ、ここでの時間を大切に感じていってくださいね。
頭で理解しようとしないで、からだでゆっくりと感じていってください。
また素の自分の時間を持つ為にも出かけたいと思います。
郷里の介護を気にかけながらのお休みでしたが、自然が大好きな私が自然に癒された時間、嬉しい休日でした。
関わってくださった皆様や大きな自然の力に感謝をこめて、ありがとうございました。

goo

ワサビです。
「gooヘルスケア」にてサービス付き高齢者向け住宅に関して寄稿した記事が配信されました。

高齢期の新しい住まい「サ高住」とは (2013.8.27公開)
・「サービス付き高齢者向け住宅」とは?
・サービス付き高齢者住宅の特徴
・チェックポイント:介護が必要となったときの対応はさまざま

サービス付き高齢者向け住宅での暮らし (2013.10.22公開)
・サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームのサービスの違い
・事例紹介 自宅近くの「サ高住」に入居した80歳男性(自立)のケ-ス
・「サ高住」選びには地域全体をみることも大切

ぜひ読んでみてくださいね。(バックナンバー一覧はこちらから)

10/19(土) いきいきセカンドライフ

カテゴリー: ラジオ

ワサビです。

次回の川上さんのラジオ出演は10月19日(土)です。
お聴き逃しなくです。

放送局:ニッポン放送1242
番組名:徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー
コーナー名:いきいきセカンドライフ
時間:朝6:15~頃


(スマホ・タブレット用)

ポータブルトイレがやってきました

カテゴリー: ノウハウ, 日常

人にとって“排泄”という行為は尊厳に係わる大切な習慣です。
自分の足でトイレまで歩き排泄ができる、日頃当たり前にしているこの習慣も、できなくなったときに初めてその行為の尊さを実感します。

郷里の父は脊柱管狭窄症、胸椎圧迫骨折などの既往があり、83歳以降少しずつ歩行が不安定となりました。これまでも看護師や理学療法士による訪問リハビリを定期的に続けてはいたのですが、日常過ごすリビング兼寝室からトイレまでのわずか5メートルの歩行が難しくなってきました。
まずは一歩杖を使い、次に体をホールドする歩行器、そして今では母が手を引きながらトイレまでの歩行を介助しています。

ところが8月末頃からトイレまで歩行ができず立ち上がれなくなってしまい、ケアマネジャーに連絡し緊急の援助を受ける、ということが2回続きました。
本当にありがたいと感謝しつつも、両親は申し訳ない気持ちでいっぱいでいるのがわかります。
オムツや寝たきりになるのは簡単ですが、両親はなるべく自分の力でトイレに行けるよう懸命にがんばっています。

そこで、以前から「こんな方法があるよ」と話していた事ですが、いよいよポータブルトイレの導入を提案しました。日頃父が過ごしているリビングにポータブルトイレを置き、安心できる排泄環境を整えようというわけです。

なんとしてもトイレまでは歩いて行かせたい、その思いは母も私も強かったのですが、福祉用具を味方につけて活用する段階に来ています。
それでも母は微妙な表情。困惑する気持ちもとてもわかります。
母のトイレのイメージは病院でよくみかける冷たいポータブルトイレ。
心穏やかに過ごすリビングに置くのは切ないですよね。
そこでこのような希望を立ててみました。

【父が利用するポータブルトイレの希望】
 ・ リビング兼寝室においても違和感のない家具調ポータブルトイレ
 ・ 介助が楽であるように肘掛が跳ね上げ式
 ・ 長年の排便を促す習慣、介護負担も軽減できるシャワー付
 ・ 寒がりな父がトイレ使用を嫌がらない為にあたたか便座

この内容を担当のケアマネジャーにまずは私から相談し、意見が一致。
導入の必要性、状態に合っていることを確認しました。
母にはカタログをみせながら機能や効果を説明しました。

介護保険制度の福祉用具の購入費活用

介護保険制度には5種目の福祉用具購入費支給があります。
介護保険制度の福祉用具の購入費活用(「川上由里子のやさしいケアガイド」より)

さっそく訪れてくださった馴染みの福祉用具事業者さんに母から希望を伝えると、希望どおりの素敵なポータブルトイレが届きました。事業者さんがすべて組み立てて設置までしてくださいました。
10万円以上の高額な商品でしたが、介護保険の手続きを行うことで償還払いとなり、10万円のうちの9割、9万円は後日戻ってきます。家族の負担は1万円とオーバーした分のみです。

ポータブルトイレ

一日の大半を過ごすリビング兼寝室
どこにポータブルトイレがあるかわかりますか?

ポータブルトイレ

こちら中央ポータブルトイレ君です。これからどうぞよろしく!
さっそくクッションが敷かれ馴染んでいます。

手前から引き出すとトイレが現れます。我が家は絨毯なので特に防水シートは必須です。
肘掛も跳ね上げ式で介助がとても楽にできます。
父のお気に入りのソファの隣で仲間入りという感じです。

このポータブルトイレ導入、 私としては母と父の驚きぶりが楽しかったです。
未知の世界のトイレ、思いのほか安心を得られたようです。
無事成功した瞬間には拍手喝采で喜び合いました。
消臭液の効果、色や香りも気に入ったようです。

父の感想
快適だね

母(介護者)の感想
とにかく全部イイワ!
病院のトイレしかイメージできなかったから、形や臭いに抵抗があったけれど
トイレとはわからないから部屋においても違和感がないし、
温水洗浄シャワーもあって衛生的で操作も簡単。
何よりもトイレに行くまでの距離が近くなったから介護が楽になったわ。
間に合わない、失敗したら、という心配もなくなって大助かり。
何とかしてトイレまで頑張らないと、と思っていたけど
こんな良い方法があるなんて知ってる人はなかなかいないわよ。

訪れる介護スタッフもトイレとは気が付かない様子で「こんな素敵なポータブルトイレ初めてみました!」そんな様子を少しだけ母も楽しんでいるようです。
導入に至るまで係わってくださったケアマネジャーや福祉用具事業者担当者、そして開発してくださっている皆様に感謝しました。

排泄に関する援助をする際に忘れてはいけないことは、排泄を他人に頼らなければならない、これまでどおりにできないという本人の辛い気持ちです。
また、介護で最も辛いのは排泄の介助でもあります。
支えられる人、支える人、両方の立場にさりげなく配慮しながら、タイミングを外さないでやさしい排泄環境を整えたいものです。

さて、利用頻度が減った我が家のトイレは少し寂しそうです。勿論状態が良く歩行が安定しているときには通常のトイレを利用しています。それが生活リハビリです。

皆さんも福祉用具を上手に活用し、生活の質をいつまでも豊かに保ちましょう。
両親の話はひとつの例ですが、もし排泄のことで困ったら、遠慮せずに担当のケアマネジャーに相談してみてください。